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(ちょっと)為になる(かも知れない)オプションの話 : Tax

通りすがり

(このポストはOption取引を推奨するものではありません)
(またオプション市場は株/先物と違い完全ゼロサムでマネーゲームの場ですから、「興味をひかせる/誘ってる文言」=「カモを探している」が基本です!気を付けてください! 笑)
(通りすがりは市場関係者とか投資で生計を建ててるとか会計士その他Financial業務従事者ではありません。超絶素人ですので眉唾で読んでください)

なんだか北朝鮮関係でゴタゴタして久々に恐怖指数VIX上がったりしてるな~と思ったら回復しちゃったりしてる「まだまだ買い上がる気が強い」市場の今日このごろ如何お過ごしでしょうか(笑

常日頃から「一般人がどうこう出来るのなんて投資金額と税金関係ぐらいです」(= マーケットタイミングなんて読めるわけがない)と(どこぞの有名人の真似をして)言ってはばからない通りすがりですが、今日はTaxに関して。
なので「(ちょっと)為になる(かも知れない)オプションの話 : Tax」

話題はWash Saleです。
例の「評価損を実現損とした日の前後30日以内にSame or Substantially Identical(同じか実質同一)なsecurityを購入した(していた)場合は、tax lossとしてclaimできない。替わりに購入金額のcost basisを実現損分増やす」のアレです。

ここで言う"security"はstockのみならず、bondやoptionも含みます。

例えばA社の株を$100で買ったものを$80で投げ売って、1週間後$90で再購入した場合は最初の投げ売り$20/shareはlossとして計上できず$90/shareの再購入のcost basisを押し上げるだけになり$110/shareで買ったことにされてしまうのです。
まあ「損の先送り」ですね。
これが無いと年末に損しているものだけ外しまくって、(tax rateに恩恵のある)Capital Gain等との相殺だけでなく、通常収入等のmarginal tax rateなものとの相殺 -- tax loss harvest -- が簡単になってしまうので政府的に都合が悪いのですね(損したらmarginal tax rateで損を計上、得した場合はlog termならlong term capital gain tax rateで、お得に)、多分。
まあ、さっさと(日本とかみたいに)分離課税にしちまえよと思わなくはないのですが。

で、じゃあA社の株を買い戻す代わりに権利行使日が30日以上先のA社のAt The Money(ATM)のCall Option(権利行使日にA社の株を買う権利)を買えばwash saleにかからずにA社の株を再購入したのに近いポジションが組めるのではないか・・・というと、それは「×」です。
実は権利行使日に関わらずCall OptionのUnderlying(原資産)が同一/実質同一(この場合A社)な場合のOptionのLong(買い)は「Wash Saleにかかります」。
なので、わざわざwash sale ruleのところに「option」って書かれてるんですね~

それだけだと全然ツマラナイ話なのですが、ここに一つloopholeがあります。
Call OptionのLong(買い)はWash Saleに掛かりますが、Short(売り)は掛かりません。

したがって、下記のような"Wash Sale Avoidance"が可能になります。

1. 株を買う
2. 株を売る(loss)
3. 同一原資のCall Optionを買う(Wash Sale. OptionのCost Basisが押し上げられる)
4. Call Optionを売る(loss確定。wash sale無し)
5. 株を買う(wash sale無し)

例えば上の例でA社の株100sharesを$100で買い、$80で売り飛ばしたとすると($100-$80)*100 = $2000の損。
その後A社のATMのCall Optionを1枚(100shares分)買います。
この時にいわゆるwash saleがトリガーされ、このCall Optionが例えば$1/shareだった場合、cost basisは$1+$20=$21のoption買いとなります(株式のlossが非計上な代わりにwash sale後のrepurchaseのcost basisが押し上げられる)。
その後、例えば$0.9/shareでCall optionを切ると($21 - $0.9)*100 = $20.1 * 100 = $2010の損として計上できます。
Call Optionの売りはWash Saleにかからないからです。
そして、その後はA社の株を買い戻してもwash saleにはなりません。なぜなら既にwash saleはトリガーされてペナルティは受けているのでペナルティの2度受けは無いからです。

(実際にはCall Optionを売り飛ばす(#4)前に株を買い戻し(#5)ても問題はありません)

#3 - #4 - #5は同一日でも基本的には問題ありませんが、翌日にしておいたほうが無難です(brokerageが提出する1099-Bは「取引時間」を気にはしてくれないので、#3 - #5 - #4のような順番で帳簿上扱う可能性があります)
また、brokerageによっては株と同一原資のOptionがsubstantial identicalだとしてくれないダメなところもある模様です。
そういう所では自分で1099-Bを訂正していかないとダメですね。Tax Return時。

Index Optionでも(ちょっと違いがあるのですが)基本的に同じです。
したがってS&P500のETFのLossによるwash saleをS&P500 ETFのOptionでも、S&P500自体のOptionでも回避できます。

なおPutは少しばかり複雑です。
定義上はIn The Money(ITM)なPutは「同一」とみなされwash saleに掛かりますが、OTMなPutは基本的に掛かりません。ATMはどうなるのか?ITMからOTMになっちゃった場合は?もしくはその逆は?
どう1099-Bが出てくるかはbrokerage次第っぽい?です。Lossな株/Indexを確定した直後にPUTを売って、かつ現物買い直しとかした経験が無いのでわかりません(笑

(そもそもsubstantially identical securityという定義自体がいい加減で通常の株/ETF/Fundの取引結果が1099-Bでwash saleにmarkついて出てくるかどうかはbrokerage次第だし、口座別だと自分で処理しないといけないし。ほんとクソな制度ですよねえ)

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