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経費率の方がMorningstarのスターシステムよりも有用

Nobu

私はMorningstarがファンドを5つの星で評価するStar Ratingは意味が無いと思ってた。それをある意味、裏付ける調査レポートがMorningstar自体から発表された。

Low Fees Outshine Fund Star System [The Wall Street Journal 有料記事]

その調査によると、投資結果がどうなるかは、経費がどれだけ低いかという度合いのほうがMorningstarのレーティングよりも当てになるそうだ。Star Ratingは過去のリスクなども加味して決めている。一般的にはStar Systemがより良い指標となるが、市場が大きく動くときに将来の利回りを予想するには使えない。

また記事では1つ星のファンドのほうが5つ星のファンドよりも成績が良くなってしまう場合の例が出ている。それによると、5年間の成績を調べようと思った場合、1つ星のファンドは解散してしまうものが多く、5年間存続したファンドだけが対象になってしまう。つまり、成績が悪くて解散してしまったファンドを計算に入れないので見た目の利回りは良くなると言う仕組み。

私個人の意見としては、Morningstarで1つ星のファンドをわざわざ選ぶ理由は無いが、かといって3つ星以上であれば、星の数ではなく、しっかりファンドの内容を見て選べば問題ないと思っている。理由は簡単で、Morningstarのレーティング方法は私たちのような一般人が考える「良いファンド」の基準とはまったく違う方法だからである。

例えば、レーティングはそのファンドの分野ごとで決まる。その分野のファンドと比較して成績が良ければ、利回りがたとえマイナスであっても5つ星になる。そういった場合、ある分野の5つ星を選ぶよりも、別の分野で3つ星のファンドのほうが成績が良ければ、星の数はファンド選びの参考にはならない。

成績は3年、5年、10年の加重平均で決まる。しかしファンドを保有する人にとって重要なのは将来の利回りで、過去はどうでも良い(わけではないが)。偶然、過去の3年間で成績が良ければ星の数は増えるが、リスクを取るファンドに限って、数年間だけ成績が良くて後は急降下、ということがある。

この記事では「多くの場合は星の数は当てになる」という結論だが、Star Systemの仕組みを知ってしまうと、ほとんど参考にならないものだということが分かる。

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