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2010年が終わるまでに考えるべき節税対策

年末が近づくと毎年、今年中にするべき節税対策の記事を多く目にします。今年はブッシュの減税措置が期限切れになり、議会もオバマ政権も動きが遅くてどうなるかが不透明です。ブッシュの減税措置の延長の論点が高額所得者(夫婦合算でAGIで$250,000以上)となっているので、高額所得者に関連する部分が多いのも特徴です。

そのため、今年は記事によって意見が違うものがあり、また今後の議会の動き次第で代わると言う注釈付きが多くなっています。私のブログも例外ではありませんが、独断と偏見で、2010年中に考慮するべき事項をまとめてみます。

投資関連

  • 長期キャピタルゲイン
  • 一般的には長期キャピタルゲインの税率は15%から20%に上がります。株やファンドなどを今年中に売ってしまい、すぐに買いなおせば、少なくとも今までの利益は低い15%の税率で済みます。今後の値上がり益の分だけ20%の税率で払えば良いことになります。
    しかし、短絡的に売ってしまっては他の節税(例えばクレジットなど)に影響があるかもしれません。議会が動いて少なくとも高額所得者で無い人には15%税率が継続するかもしれません。ある年に良いと思った節税策も、税法が変わって意味がなくなることもあります(18%のキャピタルゲイン税率のためのDeemed Sale Election(見なし売却)を覚えている人はいますか?)

  • ESPP(Employee Stock Purchase Plan
  • ESPPで勤務先の株を購入した場合、割引分が収入として扱われます。しかし、その収入に対する所得税は売った時点で発生します。購入した年の翌年以降に株を売れば実質的に所得の計上を先延ばしする結果となります。ESPPで購入した株を持っている人は所得税が上がるかもしれない2011年になる前に売却することで、今年の低い所得税率を適用することができます。
    但し、ESPPには複雑なルールがあり、所得および購入後のキャピタルゲインの計算がQualifiedとDisqualified(保有期間で変わる)で違ってきます。どちらが得になるかは慎重に判断する必要があります。

リタイアメント関連

  • IRAかRoth IRAか
  • IRAは税金の支払いを先送りするリタイアメントプラン、Roth IRAは今税金を(普通に)払う代わりに今後の運用が非課税でできるリタイアメントプランです。この特徴から自分がリタイアするときに税率が下がる人はIRA、上がる人はRoth IRAが有利になります。
    もしこのまま減税措置が延長されなければ所得税率は上がりますから、仮に将来の税率がこのままであればRoth IRAのほうが有利になる人が多くなるでしょう。

  • Roth Conversion
  • 所得税率が高くなるのであれば、IRAを今のうちにRoth IRAにコンバートするのが有利です。今年からコンバートする際の年収制限が無くなり、誰でもIRAからRoth IRAへコンバートできるようになりました。コンバートする際に所得税を払い、Roth IRAから引き出すときには非課税となります。

    2010年に限り、コンバートした金額(所得扱い)を2011年と2012年に50%ずつ計上することができます(つまり、所得税の先延ばし)。ただ、これも所得税率が高くなるのであれば今払ってしまったほうが得です。

    コンバートをしておいて状況が不利になってしまった場合、確定申告の延長期限までであればRecharacterizeすることでコンバートを無かったことにすることもできます。少しでも有利になる可能性があるのなら、とにかくコンバートをしておいて後で不利と分かったら無かったことにすることも可能です。

控除関連

  • 控除の先延ばし
  • Schedule Aを利用して項目別控除(Itemized Deduction)を使う人は控除ができるだけ多いほうが課税額が少なくなります。しかし所得税率が来年以降高くなるのであれば、今年控除を多くするのではなく、来年に持ち越したほうが有利になる場合があります。特に項目別控除の合計が標準控除(Standard Deduction)の金額を少し超えるだけの人は、控除の持ち越しが有用です。
    持越しする方法としてはチャリティへの寄付を来年にする、住宅ローンの1月分の支払いを1月になってから行う、医療費の支払いを1月にする、固定資産税の支払いを年が明けてからにするなどがあります。