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資産分配ならぬリスク分配

一般的なポートフォリオ理論では、資産分配(Asset Allocation)を考えて、性質の違う資産クラス(Asset Class)に分けて投資することでリスクを減らせると考えます。例としては、株と債券に分ければ一方の利回りが良くなくても他方が良ければ全体でバランスが取れると言うものです。

しかしそれではリスクを上手に減らすことが出来ませんよ、Assetではなく、Riskの分配を考えて投資しましょう、というのがRisk Allocationのようです。

Same Returns, Less Risk [The Wall Street Journal Online]

上記の記事のタイトルは少ないリスクで同じ利回りをということですが、実際はどうでしょうか?記事を読むと分かるのですが、必ずしもそうではないようです。

Risk Allocationを考えるときにリスクとは何か、と言うことを決めなければなりません。金融の世界ではリスクとは今までの平均値と比べてどのくらい利回りが上下するかをVolatilityという数値で表します。簡単に言うと価格が大きく上下する場合はVolatilityが高くなります。

記事で紹介しているものは、このVolatilityの数値を目標とするものに近づけるというアプローチのようです。例えばモデルポートフォリオはVolatilityの目標値が16%。これの意味するところは68%の確率で利回りが平均値プラスマイナス16%になるということです。平均値プラスマイナス16%ということは上下の幅は32%(正確にはPercentage point)。そんなに上下したらリスクは少ないとは思えませんね。

また、リスクを一定に保つために頻繁に投資先を変えることも必要のようです。例えば株価の上下が激しくなってきたらVolatirityが高くなるので売ると言った取引が増えます。しかし、そうすると売ったときの価格の上下で利回りが左右され、売り買いの経費も掛かってきます。経費効率の良い投資方法のようには思えません。記事にある実際のファンドの利回りは示しているのに、そのファンドのVolatilityは示していないのも気に掛かります。

普通の人が低いリスクと思えるようなファンドがないので、「低いリスクで高い利回り」というおいしい話はやっぱり無いのだと思います。

コメント

私もこのWSJ記事は懐疑的になりながら読んでました。

もっともらしげな言葉や理屈を使ってますが、つきつめてみると、Market Timerのバリエーションの一つじゃないかと思います。

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