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オバマの医療改革法に合憲判断

オバマ大統領が推し進めた医療改革法(Obama Care)に対する最高裁の判断は合憲という結果になりました。

Supreme Court upholds Obama health care law [USA Today]

票決が5対4だったので、意見も分かれたということと思います。合憲となり、本当の医療保険制度の改革をもう一度考え直すチャンスが失われてしまいました。

オバマケアが憲法に違反しているのではないかというのは、そもそも政府が民間の商品である医療保険に加入することを強制できるかということが争点でした。今回の判断では医療保険に入らなかった場合の罰金は税金であるとみなし、連邦政府はそもそも課税の権限があるので結果として合憲、ということのようです。

経済的に考えるとむちゃくちゃな判断ですが(例えば国民全員がケーブルテレビに加入しないと罰金、というのと同じようなもの)、法律ですので仕方がありません。現在の医療保険はたとえ加入していても面倒で不明瞭な制度です。それを強制的に押し付けられた形になるので、その影響は実生活にどっしりとのしかかってくることが予想されます。

具体的に考えられるのは保険料の値上げです。この法律が無ければ保険に加入できないような人も強制的に加入させるので全体で見ればすでに高騰している医療費がさらに高くなります。医療保険は民間企業の商品ですからコストが高くなれば当然価格(=保険料)も上がります。

また保険制度自体が複雑化し、質の低下が懸念されます。日本の医療保険のほうが良いかどうかはさておき、日本では患者の自己負担は1割から3割とはっきりしています。それに比べてアメリカの保険は医療行為によって違いますし、一定額の自己負担(DeductibleやCo-payment)や一定割合の自己負担(Co-Insurance)が保険会社やプランで違い、いったいいくら自分が負担するべきなのか分からない仕組みになっています。強制加入になることで、そういった複雑さを解消していこうというインセンティブもなくなり、加入者としては不便を強いられることになります。

医療改革法とは言っていますが、現在の医療保険制度の問題はまったく改革されていないのが残念です。加入者としては以下のような方法で自己防衛するしかありません。

  • プランの説明をよく読んで自己負担がどのくらいになるのかあらかじめよく理解する。
  • FSAやHSAなどを使って自己資金を効率よく使う/貯める
  • 本当に必要なら医療保険が充実している会社を選んで働く
  • EOB(Explanation of Benefit)をよく読んで、不明点があれば問い合わせる。間違いがあれば直してもらう。
  • 緊急資金をしっかり貯めて、仮に医療請求が間違っていても一旦は支払えるようにする(間違いは後で直す)。

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