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住宅ローンの基本

借入れ額

借入れ額(Loan Amount, Mortgage Amount)は、自分が実際にローン会社から借りる金額です。通常は借入れ額が購入価格(Purchase Price)の80%以下でなければなりません。80%以下しか借りない普通のローン(逆にいえば頭金を20%以上払うローン)をConventional Loan といいます。もし、借入れ額が80%を超える場合はPMI(Private Mortgage Loan、後述)を払う、あるいは別のところから借りてくるなどの手段が必要になります。こういった Conventional でないローンは余計な負担が掛かるので、特別な(正当な)理由が無い限りは20%の頭金を用意して、借入れ額は必ず80%以内に収めましょう。

返済期間

返済期間(Term)は、30年間が最も一般的です。また、15年の返済期間も一般的です。新聞やWebサイトに載っている住宅ローンの利率は大抵この2つの期間で表示されていると思います。一般には30年返済よりも15年返済のほうが利率が低くなっています。また、これ以外の年数でも住宅ローンは組めます。例えば20年や25年といった期間でもいいわけです。ただし、利率は30年返済を20年返済にしても変わらない場合があります。返済期間が短くなるので、利息の支払い総額は減りますが、「利率」という点では年数を少し減らしても有利にはなりません。

利率

ローンの利率(Interest Rate)は年率で表されます。年率は、例えば銀行の預金利率や投資の利益の計算にも使われているので、イメージを掴むのには便利です。ただし、実際の計算は月率が使われます。これは毎月、返済するのだから当然と言うことになります。$100,000の元本で年率が6%のローンの場合、12で割って0.5%が月率なので、$100,000 x 0.5% = $500 が最初の月に払う利息になります(返済額は元本分もあるのでもっと高い)。 利率が低いほど、毎月の返済額が減りますので、低ければ低いほど良いと言えます。しかし、これはその他の条件がまったく一緒の場合に限ります。同じ銀行が提供するローンならその他の条件を同じにして比較することも簡単ですが、違う銀行やローン会社の金利を比較する場合、手数料や返済条件が違えば、単純な比較はできません。利率を比べる時はできるだけ同じ条件で比べましょう。実際、いくつものローンを探せば、似たような条件なのに利率が0.5%も違うことがあります。住宅ローンを申請する前に、必ず同じか似たような条件で利率の低いローンを探すことが重要です。

固定金利/変動金利

アメリカの住宅ローンは、大きく分けて固定金利(Fixed Rate Mortgage)と変動金利(Adjustable Rate Mortgage = ARM*4)の2つのタイプに分かれます。固定金利はローンの返済期間中*5ずっと、金利が変わりません。固定金利のほうが一般的で、借りる側に金利上昇のリスクがないことから、分かりやすいと言えます。変動金利のローンは市場金利の上下に合わせて借り入れ利率が変動するローンです。貸す側が都合がいいようにいくらでも利率を変えて良いわけではなく、最大利率、最小利率などが決まっています。また、利率は貸す側が勝手に決めるわけではなく、基準となる指標(例えばアメリカ国債の利率など)にプラス何%という形で決まります。通常は、ARMの方が固定金利よりも最初の利率は低くなっています。利率は一定期間ごと(大抵、半年か1年)に見直され、変更(Adjusted)されます。

ポイント

ローンを組むと、さまざまな手数料のほかに「ポイント(points)」と呼ばれる、融資手数料を取られます。借り入れ額に対する割合(%)で表示され、1 point と言えば借入額の1%が融資手数料、という意味です。一般には1~3points 程度で、ポイントが高いほど、金利が低くなります。No point と言われる、融資手数料が掛からないローンもありますが、その分金利が高くなっているので、長期間、そのローンを維持するのなら不利になります。 ポイントは利息の先払いと考えることができます。実際、利息として扱われ、例えば確定申告のときにポイントで払った分は利息払い分として控除の対象になります。ローン会社側としてはローンを発行する際に(さまざまな手数料を取っているにもかかわらず)事務処理などの費用が掛かります。利用者がすぐに他のローンに乗り換えてしまっては、その費用が無駄になってしまったり、入ってくる予定だった利息が無くなりますから、会社の利益も減ってしまうわけです。そこで、ある程度、利息分を最初にまとめて払ってもらおう、というのがポイントの考え方です。 ポイントは利息の先払いなので、ポイントを先にたくさん払うのなら、返済期間中に払う利息は少なくしてもらわないと割に合いません。そこで、ポイントが高いと金利が低くなる(=利息が少なくなる)ようにして、バランスを取っているのです。例えば$100,000を30年固定金利で借りる場合を考えましょう。銀行は 3 points = $3,000 なら金利 7%、2 points = $2,000 なら7.125%、1 point = $1,000 なら7.250%などと、ポイントごとに別々の金利を提示します。

クロージング・コスト

ローンを組む時に必要な費用をまとめて Closing Cost または Closing Fees と言います。Closing Costには Pointsの他にUnderwriting Fee (ローン引き受け料)、Application Fee (申請料)、Processing Fee(処理手数料)、Tax Service Fee(税金手続き料)、Attorney Fee(弁護士費用)、Title Insurance(所有権保険料)などなど、銀行側がローンを組むために必要な全ての手数料が含まれます。上記の手数料は銀行自体が請求するものと、弁護士費用や保険料などのように銀行が委託した先に払う手数料(Third Party Fees)の両方が含まれます。Pointを除く手数料は、合計すると数千ドルになるのが普通です。Closing Cost は Closing Day(売買日)に頭金などと一緒に払う必要があります。Closing Costは買い手が払うのが一般的ですが、物件によっては売り手が負担する場合もあります。 こういった手数料は、ローン金額全体に比べれば数%程度ですし、細かいものがいくつもあるので、面倒になって注意を怠りがちです。しかし、どの銀行やローン会社でも請求する内容は似たようなものなので、いくつかの銀行から見積もりをもらえば、どの項目に差が出るか、すぐに分かるでしょう。手数料が安いほうがいいとは必ずしもいえませんが、同じ条件で手数料が安ければ、それに越したことはありません。ですから、ローンを比較する時は手数料も含めて比較する必要があるでしょう。