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Inflation Protected Fundについて

HIRO(ゲスト)

いつも楽しく拝見しています。サイト更新されて、より一層見やすくなって、今後も楽しみにしています!!

さて、昨今の株価の暴落・CPIの下落の中ですが、蛇口を全開にして紙幣を印刷したり、アメリカの通貨が相対的に下落してきていることなどを勘案すると、アメリカはまた近いうちに高いインフレが続くような状況が続くのではないかと思っています。そこで、Inflation Protected Fundの購入を考えていて、FidelityとVanguardの目論見書を読んでみたのですが、内容がよく理解できませんでした。そこで、是非Nobuさんから知恵を拝借できればと思っています。

1.Inflation Protected Fundはその先に政府が発行している債権(?なようなもの?)に投資しているようなのですが、一体それはどのようなものでしょうか?

2.私の身勝手な思い込みによれば、インフレ率が上がると、ファンド価格は上昇し、インフレ率が下がると、ファンドは下落する、という考え方で良いのでしょうか?

3.目論見書によると、どうやら金利の上下とファンド価格は反比例の関係にあるようなのですが、なぜでしょうか(通常の債権でしたら分かるのですが。。。)。1.と2.の質問で解決するのかもしれませんが、例えば、金利を上げるのは、インフレ率が高い状態だからで、そうだとすれば、ファンド価格も高い状態ではないのでしょうか?それとも、インフレ率が高い状態を抑制するために、金利を上げるので、ファンド価格が下がるという考え方なのでしょうか?

すみませんが、どうぞよろしくお願いします。

Nobu 2009/01/17(土) - 22:24

インフレがどうなるかは、今後の政府やFederal Reserveの動き次第でしょうね。景気が回復しないのにインフレは進行するという状況(スタグフレーション)にはなって欲しくないものです。

ご質問の件ですが、私の解釈では難しい質問でうまくお答えできる自信はありません。私の理解している範囲で書いてみますね。

1.多くのInflaciton Protected Fundはアメリカ政府発行の国債、Treasury Inflation-Protected Securities (TIPS)に投資しています。TIPSは簡単に言えば、額面、および利息がインフレに連動する国債です。「額面」とは償還期限が来たときに受け取れる金額ですが、ある時点での「価格」は別に決まります。国債以外にも企業債などでインフレに連動するものもあり、それに投資するファンドもあります。

2.TIPSの額面はインフレに連動します。しかし、TIPSの「価格」はそうではありません。ファンドはTIPSを保有していますが、額面ではなく、TIPSの価格がファンド全体の価格に影響しますから、インフレとは必ずしも連動しないことになります。TIPSの価格は需要と供給で決まる部分が多く、また国債、あるいはもっと一般的に「債券」ですから、金利とは逆の動きをする部分があります(厳密に言えば動きの割合が違うので「反比例」ではありませんが、近いものです)。ただし、ここで「金利」とは同等の期間の金利を比較しています。

3.VanguardのVIPSXの場合はFFレートと反比例の関係にあるようにも思えません。金利と一般的に言いますが、もしFederal Fund Rateが金利だとした場合、TIPSは長期債券ですから、短期のレートであるFFレートとは余り動きは関係なくなります。TIPSと同等の期間の金利を比較すれば、少しは反比例に近いかもしれませんが、インフレ部分の計算も必要になり、理論的な価格の算出はもっと複雑なものだったと思います。

インフレに対してTIPSそのものを直接保有する場合、ある程度はインフレに対して保険を掛けるような形で投資することができます。しかし、その場合でも償還期限まで保有しなければ、途中の価格変動に影響を受けます。利息はインフレに連動するので、リタイア後に生活資金を利息でまかなうなどの方法には向いているかもしれません。

しかしファンドで保有した場合、償還期限はなく、常にその時点での価格に左右されるようになります。そのため、他の債券ファンドに比べてインフレ対策になると言えるかどうかは難しいところです。ただ、リタイアメント口座で利息に税金が掛からないように運用すれば、価格だけではなく、利息の効果が大きくなるので、これもインフレ対策になります。

(元の発言のうち、機種依存文字を変更させていただきました)

HIRO(ゲスト) 2009/01/18(日) - 18:13

早速ご返答、本当にありがとうございました。
ファンドのタイトルだけみると、ファンドの価格がインフレと同様の動きをすようようなものだとの錯覚に陥りますが、そうでは無いんですね。。。もう少し考えて、このファンドか、あるいは債権市場全体に投資するようなファンドにするか検討してみます。

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