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「AMTと州税還付による二重課税の罠」について

yusukes(ゲスト)

AMTと州税還付による二重課税の罠に関する投稿です。

こんにちは、初めて投稿します。


このあたり、他の申告ソフトウェアのできがどの程度なのかも気になるところである。

私は去年も今年もTurboTax Premierのonline版を利用しており、今回初めてstate refundの1099-Gの二重課税の回避をしてみているのですが、手間はTaxActと似たようなものかなと思います。1099-Gの入力時にTurboTaxが昨年AMTを支払ったことを検出してくれるところまでは良いのですが、直後に 1)そのまま1099-Gをform 1040 line 10に含める 2)手動で昨年のAMTを計算しなおす のどちらか二択を迫られます。後者については、手動で紙の上で再計算を行うための手順の要約が表示されますが、実際はSchedule D他のworksheet達と格闘することになりそうで少なくとも私には手計算は現実的ではありませんでした。

そこで昨年のTurboTaxを使ってAMTを計算しなおそうと思ったのですが、デスクトップ版と違ってonline版はそういうことができず、TTのカスタマーサポートに電話して事情を話し、2015年版のTT Premier for Macを無料でダウンロードさせてもらう必要がありました。公式なポリシーかどうかわかりませんが、TTはonline版の機能が不足している場合にはサポートに連絡すると無料でデスクトップ版を提供してくれる事が多いそうです。サポートに電話が繋がっている間にダウンロードが可能になったので、ここでの時間のロスはほとんどありませんでした。

そちらをMacにインストールし、online版TT 2015から.tax2015ファイルをダウンロードしてMac版で開き、form modeに切り替えてSchedule A line 5の値を Edit > Override 経由でrefundの額だけ低く訂正し、それによって変化したform 1040のline 44とline 45(AMT)の値を今年のTTに入力するという手順を踏みました。通常、支払ったAMTの額がrefundに対して十分大きければ、line 44の値が増えてline 45の値が同じだけ減るという理解で、44+45の値が再計算の前後で変化しなければ、TTは1099-Gを1040に含めなくなり根拠となる State and Local Income Tax Refund Worksheet も生成されます。

一方、44+45の値が再計算後に増えてしまった場合、jinmeiさんが元記事で引用されている https://www.irs.gov/publications/p525/ar02.html#en_US_2016_publink10002… の用語かなと思いますが、今年のTTが "Tax Benefit Amount" を入力せよと指示してきます。ここに入力した値によって、1099-Gの額の一部が今年の1040に現れるようになるのだと思います。ここまでがTurboTaxでの二重課税の回避手順の体験談です。


この再計算で税額が変わることは普通はないだろう(というより、どういう場合に違いが出る可能性があるのか、筆者はすぐには思いつかない)。

私の場合ですが、TT 2015 for Macでline 44,45を再計算したところ、受け取ったrefundの額が2015に支払ったAMTの1/10以下であるにも関わらず、44+45の値が僅かに($10程度)増えてしまいました....。Refundの額をごく少額、$30程度にしてみても44+45が僅かに増加してしまいます。予想に反する結果であるため、再計算前後の各formの数字を見比べる必要があるのですが、どこを見たらよいかもまだよくわかっておらず着手できておりません。。。。

今年もAMTを払う関係で、実際のところ1099-Gを含めても含めなくても今年の税額は変わりません。原因追求が面倒そうなら諦めて1099-Gを1040に含めるかもしれません。今年もstate refundがあるので、来年の税額に影響してしまう可能性は残りますが...。

yusukes(ゲスト) 2017/03/21(火) - 04:25

Form 1040 line 44とline 45の合計が再計算前後で異なっているという件については(恐らく)何が起きたか把握できました。どなたかの参考になるかもしれないので現在の理解を貼っておきます(間違いがあれば教えてください。)

再計算前後のpdfを見比べたところ、上記は昨年計上したforeign tax creditが原因のようでした。私の場合、

  • Form 1040 line 44: X
  • Form 1040 line 46 (Foreign Tax Credit): Y
  • Form 6251 line 33 (Tentative minimum tax): Z

とすると

  • Form 6251 line 34: X-Y
  • Form 6251 line 35 (AMT): Z-(X-Y)
  • Form 1040 line 45 (AMT): 同上

となるようで、結局 L44+L45 は Z+Y となります。再計算後もZの値は全く変わらなかったのですが、itemized deductionを減らしてXの値が増えたことによりYの値が$13増えてしまっていました。そのためにL44+L45も$13増えてしまったということのようです。

L44とL45の合計が再計算前後で異なるとTurboTaxには文句を言われ、追加情報(Tax Benefit Amount)を求められますが、https://www.irs.gov/publications/p525/ar02.html#en_US_2016_publink10002… が問題にしているのはtotal tax (form 1040のline 63でしょうか??) のようなので、特に気にしなくて良いと判断しました。Form 1040 line 63に至る前、line 56の段階で既に再計算前後の値が一致していました。

ただ、私の場合は更に別の問題があり、Form 1040 line 62の値が再計算後に僅かに増加しています。Line 62はtotal taxにそのまま影響するので、僅かでも増加していると実際に問題があると考えています。Line 62はForm 8959 Additional Medicare TaxとForm 8960 NIITの合計ですが、Form 8959は再計算前後で同一で、Form 8960の方だけ増加しているようでした。Form 8960の9bがstate taxをもとに決まるために再計算前後で変化してしまっているようです。

まだよく分かっていませんが、NIITが再計算前後で変化しないstate refund額を探して、それをもとにTurboTaxにTax Benefit Amountを入力しないといけないのかもしれません。

jinmei 2017/03/21(火) - 16:22

大変参考になるコメントをありがとうございます。

blogでは「すぐには思いつかない」と軽く書いてしまいましたが、少し細かく見てみると確かにitemized deductionが減ることでAMT(込みのtax総額)が増える要素はいろいろありそうですね。Foreign tax creditの額が変わることがあるのは私個人の経験ではかなり意外ですが、理屈としては確かにありえますし、AMT用のqualified dividend/long term capital gain tax計算にもregular tax用のtaxable income(deduction適用後)を使うので、そこにも効いてくることはありえそうです。

NIITへの影響も、確かにおっしゃる通りのように思えます。私が何か見落としている可能性も高いと思いますが、この場合は結局stateからのrefund額全額を足さざるを得ないのではないでしょうか。Pub 525の記述によれば、

However, if your total tax increases by any amount, you received a tax benefit from the deduction and you must include the recovery in your income up to the amount of the deduction that reduced your tax in the earlier year.

ということで、最終的な税金の減額に寄与した分だけのrefundをincomeとして含めることになると思うのですが、NIITの控除の仕組みから考えると、refundされた部分についても寄与率自体は結局100%になってしまうと思いますので。ただ、本当にこの通りだとすると、かなり理不尽な形での課税になって、ほとんど二重課税に近いレベルになってしまいそうです。NIITでの控除で得られる減額分は、実際のrefund額を投資所得/全所得に割り引いて、それにさらに比較的低率のNIIT税率(3.8%)をかけた分でしかないのに対して、incomeとして足し直した額にはその100%に対して通常の税率を適用した税金を要求されることになりますので。通常のincome taxでもbracketが変わるなどして少し不利になることはあり得ますが、可能性としては低いし不利があるとしても普通は大きな差にはならないでしょう。これだとあまりに理不尽なので、もしかすると何か特別ルールで救済されるようになっているのかもしれません。TurboTaxのサポートなどに問い合わせてみるのもいいかと思います。もしこの理不尽さを受け入れるしかないのなら、少なくともAMTやNIITの対象になる限りにおいてはなるべくstateからのrefundが出ないように調整することが重要になりそうですね(そもそもNIIT自体、税金処理がますます煩雑になるし、閾値が物価に追随しないし、など、ダメなところだらけだと思っていますが…)。

ところで、恥ずかしながら私はNIITでもstate income taxを控除できるということに気がついていませんでした。どうせほとんどの控除項目はAGI制限などがあって適用できないだろうと思い込んできちんと確認してませんでした。今回のコメントで一つ学習したので、早速今年の申告に反映して、(たぶん誤差のような金額になると思いますが)2015年の分も修正申告して取り戻そうと思います。

yusukes(ゲスト) 2017/03/22(水) - 05:19

jinmeiさん、コメントありがとうございます。stateからのrefundを避けるほうが良いというのは全く同意です。二重課税以前に再計算自体が面倒ですし...。


> これだとあまりに理不尽なので、もしかすると何か特別ルールで救済されるようになっているのかもしれません。

まだ確信がないのですが、Form 8960にLine 7 - Other Modifications to Investment Income というのがあることに先程気づきました。https://www.irs.gov/instructions/i8960/ch02.html によると Recoveries of deductions taken on a prior year's Form 8960 等を書く欄だそうで、TurboTaxは、state tax refundの1099-Gを入力すると、それをform 1040に含めるかどうかに関係なく、form 8960のline 7には1099-Gの額をもとにした数字を常に埋めるようです。

同じく https://www.irs.gov/instructions/i8960/ch02.html


However, if the taxpayer was subject to the alternative minimum tax in the year of the payment, the taxpayer may not have received any tax benefit under chapter 1 of the IRC, and therefore section 111 may exclude some or all of the refund from gross income. However, the deductibility of state income taxes for NIIT is independent of the taxes for alternative minimum tax purposes. Therefore, the applicability of the recovery rule is determined without regard to whether the recovered amount was excluded from gross income by reason of section 111.

とあり、受け取ったrefundが昨年のAMTのおかげで今年無税になった場合でも、今年のNIITはrefund分余計に払えということだと思います。ということであれば、昨年分の再計算でのNIITの増加は無視して良いだろうと思うのですが...。

jinmei 2017/03/23(木) - 20:58

> 受け取ったrefundが昨年のAMTのおかげで今年無税になった場合でも、今年のNIITはrefund分余計に払えということだと思います。ということであれば、昨年分の再計算でのNIITの増加は無視して良いだろうと思うのですが...。

そうですね、私も専門家ではないので断言はできないですが、そう(NIITのtax benefitはregular taxのgross incomeには足し直さないと)解釈するのが正しいように思えます。instructionの他の部分でもIRC section 111のdeduction recoveryとは独立だと繰り返し説明されていますし、計算方法の根本的な違いによる「理不尽さ」を考えても、NIITのdeductionとrecoveryは独立に処理するという方が筋が通っています。Form 8960 instructionから参照されているregulation 1.1411-4(g)(2)(iv)のexample 2にももう少し具体的な例での説明があり、これも上記解釈に合致しています。

yusukes(ゲスト) 2017/03/24(金) - 02:02

私の状況にかなり近い例を紹介していただきありがとうございます。この例(refundをgross incomeに含めない)と同じようにしてまずい理由もなさそうです。refundは1040的にはnon-taxableということにして、あとはIRSに何か言われたら考えることにしようと思います。どうもありがとうございました。

(余談ですが、このrefundの作業を始めるまで私もform 8960 line 9bのstate tax deductionの存在を認識していませんでした。が、TurboTaxが https://www.irs.gov/instructions/i8960/ch02.html#d0e2057 の "Examples of reasonable methods of allocation include, ..." の記述に従って勝手に9bを埋めてくれており、おかげで僅かですが税額が下がっていました。)

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