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チャリティーへの寄付

アメリカでチャリティーに寄付をする場合、現金で寄付をすれば(支払った額)ー(見返りにもらったものの価値)が正味の寄付額として所得税控除の対象となるのは広く知られた事実。ここでいう(支払った額)ー(見返りにもらったものの価値)というのは、当該のIRSのページに登場する例えによれば、

「教会のダンス付きディナーのチケットを65ドルで購入しました。この企画のすべての収益は、教会に寄付されます。ダンス付きディナーのfair market valueは25ドルです。この場合、65ドル(支払った額)から25ドル(見返りにもらったものの価値)を差し引いた残り40ドルを控除することができます。」

現金でなく、モノを寄付した場合も、控除することができる。以前は車や船舶を寄付すれば、それが運行できる状態にあるかどうかに関わらず、多くの人が極上状態の中古の値段で控除を計算していたが、最近は規則が変わって、原則的としてチャリティーがそれを中古市場で転売したときの値段でしか控除できなくなった。それでも衣服や家具の寄付は、まだまだ使える不要品のリサイクル法の一つとして定着している。

さて、前から気になっていたのだけど、現金でもモノでもなく、チャリティーのために自分の時間を提供したらどうなるのか?こんなセコいことを考えるのは自分だけかと思っていたらそうではないらしく、IRSの刊行物に答えが載っていた。これはノーだそうである。しかし、その時間を提供するために車を運転して現場に行かなくてはならなかった場合、それに対するガソリン代、有料道路料金は控除の対象らしい。

IRSの刊行物など、どうせ味気ないお役所文書だろうと思って敬遠していたが、この寄付に関する文書(Publication 526)はいろんな例に対して、「これはOK、これはダメ」とか書いてあって、結構面白い。しかもその例が、「うん、これってアメリカの日常生活だよね」と思わせる部分が多い。

例えば、サービスを提供した場合の例として、「わたしはチャリティーの事務所で週に6時間、ボランティアをしています。わたしと同じ仕事をしている受付嬢は、時給10ドルで雇われています。わたしは毎週60ドルを控除することができますか?」答えは「控除できません。」

「チャリティーの事務所は私の家から30マイル離れています。その距離を運転する車の経費は控除できますか?」答えは「家と事務所を往復するガソリン代は控除できます。」

「わたしは看護助手として病院でボランティアしています。その際、制服を着用するように規則で決められています。制服代は控除できますか?」答えは「その制服が、日常的に着用できないようなもの(いわゆるナース服みたいなものを想定しているのだと思う)なら控除できます。」(コスチュームフェチがどうのこうのというツッコミはなし。)

「ボランティアに行っている間、子供をベビーシッター代に預けなければなりません。ベビーシッター代は控除できますか?」答えは「寄付としては控除できません。(別のメカニズムで控除できることもある。)」

ということで、正規のチャリティー認可を受けている学校のベークセールにボランティアの売り子として3時間参加した場合、その3時間の売り子としての収入(金銭価値としては最低賃金 x 3時間で20ドルくらいかな)はもちろんのこと、あなたの本業が1時間300ドルの弁護士であったとしても、弁護士としての逸失利益(300ドル x 3時間で900ドル!)も控除の対象とはならないのである。