今度は連邦税に少し焦点をあてて529を見てみたいと思います。
普通の解釈だと
(1) 拠出時には連邦税的にはなんら税特典がない(after tax)
(2) 引き出すまでは無税(tax deferred)
(3) Qualified expenseに対しての引き出しは無税(tax free)
(4) Non qualified expenseに対しての引き出しは所得税+10%課税(penalty)
だと思います。
#1と#2はそのままの解釈で正解なのですが、#3と#4は注意が必要です。
まずGood Newsの#4から。
Withdrawalをnon qualified expenseで使用した場合、Earningsに対して所得税および10%のpenaltyが発生します。
IRA等のTax Advantage口座と違い、引き出し額では無い事に注意しましょう。
#2であるが故に#4の"PenaltyはEarningsに対して係る"という点は注目に値します。
IRA等と違い"Distribution"に対してpenaltyが係るわけではない事を覚えておきましょう。
一般的にLong Term Capital GainおよびQualified Dividendsのみを享受しているならば税特典(今ならMax 15%)のあるTaxable運用の方が、Income Tax Rate+10%の529 penalty運用よりも良いはずではありますが、税特典の無い投資(Bondとか)をする場合は一考の価値ありです。
そしてBad News。
意外と多くの人が勘違いしているのが#3 Qualified expenseに対しての引出しは無税、tax freeである、です。
もちろん、ある一面では正しいのですが、そのtax freeを享受したい場合はTax Creditが受けれません。
そうです、American Opportunity Tax Credit(AOTC)およびLifeterm Learnings Credit(LLC)です。
rule1. AOTC/LLCと529は同時には使えますが、同じexpenseに対して使えません。
rule2. Adjusted Qualified Higher Education Expense(AQHEE)という考えがあります。実expenseからScholorshipやAOTCの税優遇を受けてる額を引いた額です。
rule3. AQHEEに対して529の税特典が認められます
問題:
$30kのcollege expenseがあったとします。
$10kをscholorship等のtax free assistanceから得たとしましょう。
残りの$20kの支払いを529で行ったとし、この$20kの内$5kがearnings部分だとしましょう。
当然Tax Return時にAOTCのTax Creditを申請するつもりです。
さて、Taxはどうなりますか?$0でしょうか?
答: $1000がIncomeとみなされてIncome Taxが掛ります
- $30kのexpenseからscholorship、それからAOTC相当部分を除外します(rule1 & rule2) = AQHEE
AQHEE = $30,000 - $10,000 - $4,000 = $16,000
- AQHEEの全529 distributionに対する割合を計算します
TaxFreeRatio = $16,000 / $20,000 = 0.8
- TaxFreeRatioが "Tax Free部分"の割合です
Taxable Income = $5,000 * (1.0 - 0.8) = $1000
$1kを"incomeとして含めるtaxable earningsとして申請"しなくては成りません。ただし、taxable earningsにはなりますが、10% penaltyはありません。
よって「529からの引き出しはcollege expenseであるかぎりtax free」は微妙に嘘をついていることになります。
AOTCを得ることが出来無い収入(Married Filing Jointlyなら$180k以上のMAGI)の場合はAQHEE = 529 distributionになりますから税金は発生しません。
が、AOTCを得ることが出来るincomeの場合は529を有効的に使うと税金が発生します
(一応$4kをTaxableから出して $4k@taxable + $16k@529=$20kでexpenseするという手はあります)
しかし、どちらにおいてもcollege expense以外に利用した場合はTaxable運用以上(特に前者は大きな違い)の税金を引かれることになります。
通りすがりさんの分析で、ますます529プランの「魅力のなさ
Nobu 2013/03/22(金) - 12:56通りすがりさんの分析で、ますます529プランの「魅力のなさ」がはっきりしますね。例にある通り、部分的に課税対象になったとしても、すぐにそれで損をするわけではありません。しかし、余り得する事もないと思うと、わざわざ面倒な手続きやら、損をするリスクを取ってまでする価値はないと思ってしまいますね。
それほど得をしないとなると、なぜ529プランが存在するのか、と考えてしまいます。
通りすがりさんは本当にお詳しいですね!ここまでの解説はあま
mikichin 2013/03/22(金) - 18:48通りすがりさんは本当にお詳しいですね!ここまでの解説はあまりみたことがないです。
529はお金持ち向けの遺産税回避手段が主な理由なんでしょうかね?
あまり良くないかもしれないけれど、他にもよい方法が無いまま529ずるずると続けてしまいました。
とりあえず失職することにならなければtax freeのままいけそうです。
後2年でもう大学生になってしまうので、このまま529主体で学費をだします。
Savings Bondはまだ引き出さずに置いておきます。
>Nobuさん 普通の人(?)にはあまり魅力ないですよね。
通りすがり 2013/03/23(土) - 00:11>Nobuさん
普通の人(?)にはあまり魅力ないですよね。
529でFullにCoverすると529 amountから税金が発生するので、結局税金が発生しないように気をつけながら使うとかになるんですよね。
(例えば上の例だと$4kをtaxableから出すとか)
なので、私は529は努力してAGIを極限まで減らそうがAOTC無しかつAMTでHigh TaxなHigh Wage Earner「そもそもAOTCが絶対受けれない」とか「必ずAMTにひっかる事が想定」されるような人用だと思うのです。
529の存在理由は「州政府がFinancialで儲ける事が出来る」じゃないかと思います(笑
Federal的には「Stateへの財政幇助」な感じなのかもしれません。
後はFinancial Aid(Needベース)に関しては親の名義(Beneficiaryが子供)である限りにおいて優秀です。
>mikichinさん
529自体はそんなに悪いわけではないです(かなりこき下ろしてますが 笑)。
特に後2年などでは、もう目前の計画状態ですから、上手く使えば(Adjusted Qualified High Education Expenseを理解してれば)無税の529を満喫できるはずです。
Financial Aid的にも「資産でも収入でもない」529は美味しいです。
後2年とかのmikichinさんには私の記事はふさわしくないかもしれませんね。対象としては10年ぐらい先の人(Elementary入った段階とか)を想定しています。
一応mixed-up作戦と良いstate planの記事もいずれ書こうかと思っています。
(今更ここに書くのも遅い気がしますが) そういえばJack
通りすがり 2013/03/27(水) - 14:47(今更ここに書くのも遅い気がしますが)
そういえばJack Bogleとの対談記事で、彼は(金持ちにも関わらず)529を嫌ってましたね。
まあ相続税対策として使ったら痛い目に合う可能性があるからでしょうけど(IRSは警告してますし).
ロイターの記事から抜粋:
Q: Do you set a little aside for those grandkids in 529 college-savings plans? (Vanguard has about $40 billion in assets in 27 state 529 plans.)
A: I don't really like the idea of tying up your money in 529 plans, because of all the restrictions on withdrawals. I'm not against them, I just like having more flexibility than being required to use those funds specifically for educational purposes. We do save a little money for all my grandkids every year, but we just chose the Vanguard Balanced Index Fund (VBINX). It's about 60 percent stocks, 40 percent bonds, and it's been wonderful. We give them what we can within annual gift-tax limitations, and put it all into that very tax-efficient fund.
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