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401kのロールオーバーについての、基本的な知識

ノブさん 昔から拝見させて頂き、参考にさせていただいております。 内容がますます充実してきているように思いますし、他の方のコメントも細かく分かり易くかかれていて、勉強になります。

4月にレイオフされ、7月に新しい会社に入りました。元の会社には18年居り、401K をやっていました。 新しい会社にも401K があるので、単純にロールオーバーをすればいいのだと思っていたのですが、どうも、「ロールオーバー」というのが、私が漠然と考えていたものと違っていることに最近気がつきました。(実はまだ良く理解していません)

ロールオーバーというのは、元の401K のアカウントのファンドをそのまま、新しい会社の401K のアカウントのファンドにそのまま移行すると思っていたのですが、どうも、元の401K のファンドを売って、そのチェック(支払い)で、新しい会社の401K の近いファンドを買うということを理解した次第です。 (これで合っていますか??)

17年前からはじめたファンドを、今売るという選択もあるとは思うのですが、折角17年も続けたファンドなんだから、あと15年(私の場合)がんばって続けてもいいのではないか、つまり、売ってロールオーバーしないで、リタイヤーするまで持ち続け、新しい会社の401K はまた、一からはじめてもいいんじゃないかな? という選択もあることに気づいたしだいです。 

そこで質問なのですが、元の会社の401K を新しい会社の401K にロールオーバーする場合と、元の会社の401K(私の場合はJohn Hancock なのですが) に残したままにする場合での、利点、欠点、注意点 をどなたか 簡単に教えていただけないかと思い、連絡しました。 初歩的な質問かもしれませんが、ヨロシクお願いします。

ロールオーバーの定義についてはご理解の通りだと思います。もしかすると、いわゆる"in-kind"のロールオーバーで現金化せずにfundのまま移してくれる場合もあるかもしれませんが、とくに401k口座絡みの場合はかなり例外的というのが私の理解です。ただし、現金化されてしまっているので「近いファンドを買う」はロールオーバー自体に必須の結果ではないですね。ロールオーバー前の時点でのアセットアロケーションが自分の想定通りだった場合は、ロールオーバー後もそれに近い状態に復帰させたいでしょうから、結果的に「近いファンドを買う」ということになるのだと思います。

次に、ロールオーバーすべきかどうかについて、ご質問のような状況の場合、
1. 元の会社の401Kを新しい会社の401Kにロールオーバーする
2. 元の会社の401Kに残したままにする
に加えて、
3. 元の会社の401Kをどこかの会社のIRAにロールオーバーする
という選択肢もありますが、3番は何かの理由で考慮外となっているのでしょうか?退職した会社の401k内資産をどうするかについては、むしろ「3番とそれ以外(つまり401kかIRAか)」の選択が問題になることの方が多いように思います。この2つの比較だと、

- 401kは一般的に商品(典型的にはファンド)の選択肢が少なく、また質が粗悪(expense ratioが高いなど)なことが多い。IRAの場合、良質の選択肢が多数ある口座を自分で選べる
- 401kはその資産を担保に借金できる(場合もある)。IRAではそれはできない
- 401kの資産は破産時の財産処理においてIRAより保護が強い(らしい)

というところが主な考慮点ではないかと思います。2番目と3番目は私自身まったく詳しくない(し制度上の根拠まで調べてない)ですが、ロールオーバーについて少し調べると大抵言及されています。

したがって、(非常に幸運なことに)元or新しい会社の401kのどちらかに非常に魅力的な商品があるか、401k担保の借金をする可能性を残しておきたい/破産のリスクに備えたいなら401k、そうでなければIRA、というのがまず第一かと思います。その結果として401kということになった場合も考え方は同様で、元or新しい会社の401kのどちらかに非常に魅力的な商品があるならそちらを選べばよいでしょう。どちらも大差ないということであれば、あとは好みの問題のような気もしますが、管理の手間を考えたら一本化(すなわち新会社の401k)にする方がややまし、という程度でしょうか。

いずれの場合にしても、一般的な注意としては、ロールオーバーが完了して新口座で投資できるようになるまで多少の時間がかかるので、その間に「近いファンド」が大幅に値上がりしてしまうリスクを負うことでしょうか。そのリスクがどうしても怖くて耐えられないなら、元の401kに残す以外の選択肢はないということになりますね。それから、手続きを間違えるとロールオーバーでない引き出し扱いにされてしまう(その時点で課税+ペナルティを受ける; recoverも可能だけどかなりの手間になる)可能性もあるので、確実にリタイアメント口座間のロールオーバーになるように手続きすることも必要でしょう。

いずれにしても、「折角17年も続けたファンド」ということはとくに気にするはないと思います。「近いファンドを買う」という表現からすると、インデックスファンドか何か、とにかく現金化してもポートフォリオのバランスを崩さずに代替品が選べそうだということかと思いますし、乗り換えにあたって税金が発生するわけでもないですし、長く保持している人向けにコストを下げてくれるとかいった特別な理由でもない限り、いまお持ちのファンドの保持期間が判断に関係する要素はないと思います。

ちなみに、私自身昨年転職して401k口座をロールオーバーできる資格を得たので、迷わずVanguardのIRAに移しました。やはり現金化されてしまったので、同様の種類の(違う)ファンドをほぼ同額買ってバランスを取っています。ロールオーバーが完了して現金で入金されるまで約2週間かかりました。

jinmeiさんが大筋を書かれているので蛇足になりますが、もし今の会社の401kに資金を移動するのであれば、実際にはチェックを手元に受け取るのではなく、Trustee-to-Trusteeという方法でJohn Hancockから新しい401kの金融機関に直接資金が移動されるようにします。ファンドはJohn Hancockで運用していたものを売って、新しいところのファンドを購入することになります。

John Hancockのファンドは(私が知っているものは)経費率が高いものが多く、John Hancock以外のファンドを買う場合も手数料が取られる場合もあるので(ただし、会社とJohn Hancockとの契約によるのでそうでない場合もありえる)、jinmeiさんが書かれたとおり、今の会社やIRAと比較する事が必要だと思います。今の会社のファンドのほうが有利であれば資金を移す方がいいでしょう。

IRAへの資金移動は一般的に自分で金融機関を選べるので有利ですが例外もあります。一番多いパターンはIRAにしてしまうとBackdoor Rothの手法が使えない場合です。Roth IRAへの拠出には年収制限がありますが、それを回避する方法がBackdoor Rothと呼ばれています。ところがIRAを持っているとこの方法を行うことができません(すると課税されてしまう)。Backdoor Rothに関しては通りすがりさんがこんな記事を書かれています。

後は口座をいくつも持つのは面倒という理由で1つの401kにするのもいいと思います。

Jinmei さん

早速のご返答ありがとうございます。 IRAの選択もあるのですね。 「折角17年も続けたファンドということは、特に気にする事は無いと思いマス」というアドバイスですごく気分が楽になりました。なんだか、すごいお宝を持っている気分になっていました。 

その後、JOHN HANCOCK の401K のアカウントのERの平均をみたら、1%でした。 (お宝の癖に、全然気にも留めていなかったし、研究もなにもしてこなかった) このExpense Ratio とは買う時に掛かる手数料と勝手に理解していましたが、売る時にも掛かる費用でもあるのですね。 ということは、Vanguard のような No Road のアカウントが充実している会社に この機会にロールオーバーするというのは、いいチャンスでもあったと言う事と、理解しました。 

新しい会社はFidelity なのですが、選択肢の幅がすごく狭く、少し前の掲示板のトピックで話題になったFidelity の魅力のあるファンドなど全くなく、ここにロールオーバーする気は全くありませんでしたし。 ただ、マッチが少しですがあるので、新しくここで401K はスタートさせるつもりです。 

パートナーが Vanguard のRoth IRA のアカウントがあるので、 それを参考に 少し調べてみたいと思いマス。 

「確実にリタイアメント口座間のロールオーバーになるように手続きすること」これは、頭では理解できるのですが、特に注意点などあるのでしょうか?

ボーと続けてきた401Kですが、ある程度まとまった金額があるので、考えるだけで頭は硬直するし、とても緊張してしまって。 

のぶさんのこの掲示板は、本当に心強いです。 Jinmeiさん、すばやく的確なアドバイスありがとうございます。 気が少し楽になって、調べる気力が出てきました。 

ノブさん

全然蛇足ではありません。 「もし今の会社の401kに資金を移動するのであれば、実際にはチェックを手元に受け取るのではなく、Trustee-to-Trusteeという方法でJohn Hancockから新しい401kの金融機関に直接資金が移動されるようにします」 なるほど、こういうやり方もあるのですね。 でも、今の会社の401Kは、FA Freedomというのが 半分ぐらい占めていて、選択肢が少ない気がしていたのですが・・・これも、気がしているだけでリサーチ不足です。こちらももう一度調べてみます。 

もう一つ、「一番多いパターンはIRAにしてしまうとBackdoor Rothの手法が使えない場合です。Roth IRAへの拠出には年収制限がありますが、それを回避する方法がBackdoor Rothと呼ばれています。ところがIRAを持っているとこの方法を行うことができません(すると課税されてしまう)」

このアドバイスは、少し難しいのですが、Roth IRAには 拠出の制限があるので、今までの401K (17年も続けていたので、当然年収より多いです)をIRA のアカウントにロールオーバーできないということでしょうか? 

私個人は IRA (roth, traditionalともに)のアカウントは持っていません。 だから、ノブさんのいう所の 「IRAを(既に運用している)持っているとこの方法を行うことができない」というタイプに、新しくIRAのアカウントを作る人は、当てはまらないということでしょうか? 

BackDoor Roth・・・ の通りすがりさんのスレットに飛んだのですが、あまり理解できてないように思いマス。 401KをIRAにロールオーバーする際は、上記のTrustee-to-Trusteeが使えないので、Jinmeiさんがおっしゃっていたように、チェックを一度もらうので、十分に注意する必要がある! というアドバイスだと理解しました。 皆さんの使用されている用語が理解できるよう、掲示板を遡って勉強してみます。 ノブサン、貴重なアドバイスありがとうございます。

いつもこちらで勉強させて頂いてます。 便乗質問です。 私も3月に前の会社を退職してから401Kを今だにそのままにしております。 今だにどうしようか考え中です。 対した額ではないのですが。 もし、Roth IRAにロールオーヴァーすると、タックスを払わないといけないですよね? 確かに、今払おうが、後で払うかの違いですが、今払ってでも、やはりROTH IRAにロールオヴァーした方がいいのでしょうか? 宜しくお願いします。

モチさん、

Expense ratioは、売買時の手数料ではなく、保有している資産の残高に応じて毎年かかる経費(の率)のことです。仮にER 1%のfundを時価で$100K分保有していたとすると、毎年$1000分差し引かれているということになります。売買手数料も安い(理想的にはno load)のにこしたことはないのですが、長期で保有する場合はとくにERの差が重要になってきます。

「確実にリタイアメント口座間のロールオーバーになるように手続きすること」とNobuさんのおっしゃっていた「Trustee-to-Trusteeという方法でJohn Hancockから新しい401kの金融機関に直接資金が移動されるようにします」は同じことです。実際にロールオーバーの手続きをする際に、他の金融機関の401kやIRAへのロールオーバーが選択肢に入っているformに記入することになると思いますが、要するにそのformを正しく記入するように気をつける、ということです。Formの具体的内容は401kの運用会社ごとに違うと思いますが、個々の選択肢の意味が理解できていれば間違えることはまずないと思いますので、それほど心配する必要はないでしょう。念のため誰か(できれば詳しい人)にも見てもらって確認すること、可能なら元の会社の401kの担当者にも税金を伴う引き出しにはならないことをしつこく念押しすること、ロールオーバー先の口座の状況もまめに確認して、もし手違いがあればすぐに対応できるようにする、などすればなおよいかと思います。

Backdoor Rothの問題については、私自身のコメントで触れるのを失念していたくらいなので、私がお答えするのもどうかとも思いますが、まず、401kの資産残高を(traditional) IRAに移せるかどうかという話自体とは関係ありません。その先の説明は通常(traditional)のIRAとRoth IRAの違いや制限、そもそもBackdoor Rothとは何か、などの背景知識が必要になるので一口にはいいにくいですが、まず通常のIRAとRoth IRAについての基本的なところはFI Planningのサイトにも説明があるのでそれでわかったとして、

  • Backdoor Rothは、年収制限のためにRoth IRAに直接拠出できない人向けの抜け道で、税引き後の資金をまずtraditional IRAに拠出し、それをすぐRoth IRAにconvertすることで実質Roth IRAに拠出する方法のこと。
  • ただし、traditional IRAにtax deductibleな資産(たとえば401kからのロールオーバー分)が残っていると、Roth IRAへのconvert分の一部にそのtax deductible分が使われたとみなされて課税されてしまう。tax deductible分が大きいとその分課税される分も大きくなり、401kから大きな額を移したような場合だと実質ほぼ全額課税されるような計算になる。

ということです。

そもそもRoth IRAを使うつもりがまったくないか、年収がRothの拠出制限にかからない人であればこの問題を気にする必要はありません(もちろん、将来的に予定や年収が変わって事情が変わることはあり得ると思いますが)。逆に、Roth IRAへの直接の拠出が年収制限で不可能で、かつBackdoor Rothの方法で拠出したいと思っている人にとっては、先のコメントで挙げた401k対IRAの比較項目に加えて、

  • (おそらくは投資のオプション自体としては粗悪な)401kに資産を残して(追加課税なしでの)Roth IRAへの拠出可能性を取る
  • 401kはIRAにロールオーバーするが、Roth IRAへの拠出は諦める
  • 401kはIRAにロールオーバーし、その分への税金を先に払う形になってでもRothにも拠出する

といった選択の判断が必要になります。どれがいいかはその人の細かい事情や好みにかなり依存すると思いますので(3つめを選ぶ人はあまりないと思いますが、まったくあり得ないというほどでもない)、一般的なことはいえないでしょう。

小牧さん、

念のためですが、401kをtraditional IRAにrolloverするという手もありますよね。この場合はいま税金を払う必要はありません。そうすると、

  1. 401kを退職した会社のプランに残す
  2. 401kを現在(or将来)の会社のプランにrolloverする
  3. 401kをtraditional IRAにrolloverする
  4. 401kをRoth IRAにrolloverする

という4つの選択肢になりますが(完全を期すなら最初の私のコメントにも4番が必要でしたね)、4番とそれ以外、という選択だとするとどちらがいいか、というご質問でしょうか?

そうだとすると、本質的にはtraditional IRAとRoth IRAのどちらがいいか、という一般的な問題になると思いますが、個人的には、一概には言えないと思っています(FI PlanningのRoth IRAの説明では、「ズバリ、RothIRA」と明言されてますが)。ただ、ごく一般論としていえば、

  • 拠出予定の額が比較的少ない
  • 拠出部分にかかると想定される税率が比較的低い
  • リタイアまでの期間が長い

といった条件を満たしているのであれば、おそらく先払いしてRothに入れた方がいいということは言えるかと思います。「大した額ではない」ということで、仮に一番目の条件は満たされているとして、残りの2つのうち少なくともどちらかを満たしているのであれば、私ならRothを選ぶように思います。

ただし、もしリタイア後にアメリカ以外の国(典型的には日本)で暮らす可能性があるのでしたら、話はさらに微妙になるかもしれません。アメリカ非居住者の立場でRoth IRAから引き出した場合、居住国での課税も免除されるかどうかは(私の調べた限りでは)定かでないからです。

jinmeiさん私の質問にずばり答えて頂きありがとうございました。 取りあえず、解雇された会社に401Kを置いておくのが嫌なので(私的には綺麗さっぱりその会社とは縁を切りたい)、早くどこかに動かしたいと思っていました。 Rothの口座は一つ持ってるので、そちらに移して、あっちこっちにあるよりは一つに纏めて管理した方がいいですね。 
凄く勉強になりました有り難うございました。 

jinmeiさんの小牧さんへのコメントに追加です。

401kをRoth IRAにすると、その額がその年のincomeに加算されてordinary incomeとして課税されるので、incomeの少ない年(転職して間に3ヶ月ほど無収入期間が出来たとか)、控除の多い年(前の家を売る前に新しい家を買って、一時的に2軒分のモーゲージと固定資産税を払ったとか)に実行すると、節税になることが多いです。一度に全額Rothにする必要はありませんから、tax bracketが上がって高い税金を払うことのないよう、何年かに分けて行うこともできます。

jinmeiさん

ERと皆さんがおっしゃっていたのは、毎年の経費だったのですね! 数字は苦手ですが、「仮にER 1%のfundを時価で$100K分保有していたとすると、毎年$1000分差し引かれているということになります。」この数字には、すごい説得力があります。 どうりで、元の会社付きのアドバイザーが、「慌てなくてもいいよ、ずっと置いてても問題ないんだから」とやさしくささやく訳です! 確かに、「どうにかしなければいけない」という確たる動機付けが出来ました。 

それにしてもRoth IRAにした場合は、インカムタックスとステートとローカルのタックスが掛かってくるのですね。NYに居るのですが、シティーではないので、ローカルが掛かってこないだけ、まだましですが、かなりな額になります。 Roth IRAにすると、これから先にタックスの心配をしなくてもいいので、それはそれで魅力的ではありますが、大きな決断です。 

Backdoor Roth に関しては、私にはあまり関係ないように思いマス。 新しい会社で401Kをはじめるわけだし、子供もいるので、将来に向けての自分につぎ込むお金に限度がありますので(FIどころではありません(笑) 

Fidelityの会社の401Kにある、ABF S&P500IDX INST のERが0.14%なんですが、それ以外の例えばOPPHMR EQUITY INCなんかだと0.6%と、いずれもそこそこ(平均して0.7-8%)でした。 

バンガードのTotal Portfolio Recmendation をやってみたら、私へのお勧めファンドのERは0.17-0.23%でしたので、JinmeiさんがバンガードのIRAへ移されたというの、すごく納得できました。 

丁寧なご説明ありがとうございました。 とりあえず、IRA関係と新しい会社の401Kをまずはじっくりリサーチしてみます。 

ps・ Jinmeiさんのページも拝見させていただきました。「制度の字面だけを理解するのでなく、具体的に計算してみることも重要だ」ということば、本当にそうですね。 最初に示していただいたERの1%の重み、この私でも十分に理解でしました! 

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