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渡りに船の米国社会保障税免除の「3年延長」(2)

前回、日米社会保障協定の短期滞在規定の延長に関して書き始めたが、今回は具体的な延長申請に関して同じトピックを進める。

*延長申請

バラバラのタイミングで赴任した派遣員の派遣期間が5年満期を迎えるケースと異なり、2010年10月には、2005年10月の協定発効時に米国に滞在していた派遣員が5年満期となるため、延長申請の数が通常より当然多くなる。したがって十分な余裕を見て延長申請する必要があるだろう。早くから延長申請することに対する制限はないことから延長が見込まれた時点で早急に対応する必要がある。10月1日には延長済みの適用証明書を持っている必要があるため、4ヶ月の期間を見るとすると6月には延長申請しておく必要があることになる。

*延長理由

延長申請には当然「延長理由」を記載することとなる。3年までの延長は比較的弾力的に対応とは言え、一応延長理由は「予見不可能」かつ「単に適用証明を延長する目的でない」ものが必要とされる。予見不可能という部分は「当初5年で帰任の見込み」ということで短期滞在としている訳だから、この点は全ての延長申請に共通して織り込まれる条件であろう。一方で適用証明を延長する目的で延長申請する際に「単にそれだけが目的ではないこと」というのは少し分かり難い説明のような気がする。ここの部分は純粋に予見不可能なことが起きて「仕方なく派遣が延長される」というような感じだろうか。

厚生労働省国際年金課はこの点に関して「あるプロジェクトに係っていたところ、終了が予期せず遅延した」または「就学年齢の子供がおり、就学年の終了まで派遣先国に留まりたい」という二つの例を示している。最初の理由例はその理由そのものに「予期せず」という文言が入っているので予見不可能という部分は(少なくとも表面的には)満たしている。プロジェクトが期せずして伸びたので、それを完了させる必要があり、その意味で単に適用証明延長だけが目的ではないということだろう。

二番目の子供の学校終了というのは面白い。これは2007年5月にポスティングした「日米社会保障協定(3)」でも触れているが、この例の意味するところは必ずしも仕事に基づく理由だけが認められることはないということだろう。ただ米国で期せずして生まれた子供であれば話しは別だが、帯同という形で連れて行った子供は5年後に何歳になるっていうのは当然分かっていたはずで、予見不可能の部分ではチョッと釈然としない。多分「子供が(親が?)アメリカの学校をこんなに好きになるとはまさか思わなかった・・」という部分で予見不可能だったということかも。また学校理由であればいつもOKとも限らないらしい。高校は確実だが大学のケースでは分からないとも言われている。大学生であればFビザを取って一人で残しなさいということだろうか。

3年を超える延長、すなわち4年の延長理由の条件は更に厳しい。すなわち「企業、被雇用者またはその家族の重大な困難を避けるため」という結構ものものしい理由が必要となる。厚生労働省国際年金課の示す例も「予定されていた後任者が辞職、障害、死亡」とか「企業が他の企業に買収・再編され、その移行のため」と例示作成時に「尋常ではない雰囲気」を醸し出す苦労が偲ばれるものとなっている。

この理由を見ても分かる通り、3年以内の延長申請であればまず認められると考えられる。となると対応に苦慮していた日本企業にとってはまさに渡りに船だ。3年あれば何とか帰任させる準備ができる、またはもうそれ以上なら米国加入という枠組みを作れる、等の展開が見込まれるからだ。だが実は5年前も同じように考えていた気もする。となると3年後の2013年もアッという間にやってきてまたみんなで「どうしようか?」と考えているのだろうか?