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Facebook IPO 反省会

ポピー

先週金曜日にFacebookがNASDAQデビュー。

色々騒がれた割には初日の上昇率はたったの0.61%。株価も一時公募価格$38を下回りそうになり、モルガン・スタンレーをはじめとするアンダーライター達が必死に買い支えたらしい(ゴ苦労サマ)。買い支えに使われた資金が金曜日にほぼ枯渇したようで、週明け月曜日は$34前後、火曜日は$32辺りで取引されている。

$16ビリオンの増資に成功してFacebookにとっては一応メデタシメデタシだが、、大きな価格上昇を期待していた投資家にはがっかりの結果。ハイプは充分にあったと思ったけど、こういうのって最後まで分からないもんですね

さっそく、週末から「何がいけなかったのか?」という探索が始まった。 これを、日本では反省会と言うが、アメリカではBlame Gameと呼ばれる。

まずは、NASDAQがIPO直後の価格決定をしくじった。ソフトウェアのミスでしばらく売りオーダーと買いオーダーがちゃんとマッチされなかったらしい。買いオーダーを出した投資家も、取引が何ドルで成立したのかのフィードバックが無く、やきもきするまま4時間ほどが経過。中には焦ってオーダーをキャンセルをした人もいたが、そのキャンセルが通らなかった例もかなりある。

世紀のIPOの初日取引をスムースにこなせなかったのは、NASDAQの大黒星。初日取引は投資者心理が大きく作用するので、こういった不手際はすごく痛い。これからのIPOが競争相手のNYSEに流れる可能性もありそう。

あとは、評価額や価格設定がアンビシャスすぎたと見る人も多い。これはリード・アンダーライターとしてこれらの金額設定のアドバイスをした、モルガン・スタンレーの責任。

IPO価格$38だと、Facebookの時価総額は$104ビリオン。これは、成熟した会社にするとPepsicoやMerckといった規模。 GoogleだってIPO時点のValuationは$28ビリオンだったから、その4倍に近い額。これも後知恵だけど、$104ビリオンの時価総額は将来の収益への期待で支えるには高すぎる額だったのかもしれない。

実際FaceがIPOにされると、市場に売り手が溢れていて、ホットなIPO特有のArtificial Scarcity(株を買いたいが欲しい数買えない)の雰囲気がたちまち消えてしまった。

Facebookの初期投資家も売る気満々だったし、機関投資家は未知数リスクを嫌って長期保持は敬遠した模様。当初リテール需要が高いと見積もったモルガン・スタンレーは、強気にIPO前に公募価格を上げ、公開株数を25%拡大した。ここでちょっと欲張りすぎたんじゃない・・・と今では言われている。モルガン・スタンレーは結局買手を見つけるのに苦労したのか、IPO前夜にリテール投資家一口ごとの割り当て株数上限をに500から5000に引き上げている。

そういった諸要素が重なって、IPO時点では、思ったより売り手が多かった。

総じてIPO株のリスクや価格設定の難しさを再確認させるイベントだったと思う(私自身は手を出していない)。ハイプに乗るとしても、限界があるのだろう。インサイダーのLock-up Periodが終わる頃には、さらに多数の株数が市場にリリースされるだろうし(IPOの91日後に271ミリオン株、181日後に1.2ビリオン株)、それが株価をどう動すかも気掛かりな所。

Facebookが市場・投資家の期待・信頼を取り戻すには、いましばらく時間が掛かりそうだ。全てはこれからの業績次第。FacebookのEarning Callなんて面白そうだから、野次馬気分で聞いてみたい気もする。

何であれ、Facebook Employeeの人達は金曜日はお祝い気分で一晩中飲み明かしたそうで、土曜日には二日酔いでつらそうな顔をしていた。ともかくは、オメデトウサン。

ポピー 2012/05/23(水) - 17:22

そう、会社側としては有利に増資成功してお目出度い話なんですよね。マイナス点があったとすると、しばらくは確固とした業績で有望性を証明しなくちゃならない、Defensiveな立場に置かれたことでしょうか。

がっかりしたのは、価格上昇を期待していた内外の投資家。

NASDAQのミスやFacebookがIPO直前に売り上げを下降修正した経由について、政府の調査や民事訴訟がすでに始まってるようです(素早い)。

http://dealbook.nytimes.com/2012/05/23/the-facebook-i-p-o-s-potential-l…

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