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ミドルクラスのハート

アメリカのミドルクラスの特徴は、オプティミズムと向上心ではないかとよく思う。働きながらコミカレから始めて大学を卒業したり、ミッドキャリアで転職したり、学校に戻ったり大学院に進学したり、大企業をやめて起業したり。「才能とやる気があって頑張れば、きっと夢がかなう」そういう信念や姿勢は、ごく普通の人達と話していても伺える。アメリカン・ドリームってやつですね。

例えば途上国からの移民も、一世目は経済的に恵まれなくても、子供達には社会向上チャンスがあるという形で、このアメリカン・ドリームに参加していたりする。これはアメリカがLand of Opportunityと呼ばれる由縁。

この頃のアメリカはもう機会均等な社会ではないという意見が強くなっているが、ここでは当のアメリカ人達がどう感じているかにフォーカス。

以下のデータ・グラフは、Pew Charitable Foundationのミドル・クラスに関するリポート The Lost Decade of the Middle Classから。

Pewが2011~2012年に掛けて行った調査によると、アメリカ・ミドルクラス層の85%は「ミドルクラスのライフスタイルを維持するのが以前よりも難しい」と答えているものの、長期的にはまだまだ楽観的。

例えば、こんな文章。

“Most people who want to get ahead can make it if they are willing to work hard” (一生懸命頑張る気があれば、大抵の人は出世・成功できる)

ミドルクラスの67%が上記の文章に同意している(逆に「頑張りと強い意志だけでは出世・成功できる保障は無い」と答えたのが34%)。この同意%は景気に同調して上下するようで、さすがに下降傾向にあるものの、67%というのはまだまだ高い。現実はともあれ、ミドルクラスのハートの中でアメリカン・ドリームはいまだ健全ってことですね。

自分の親達が今の自分の年齢だった頃の生活レベルに比べて、自分たちの生活レベルはどうか?という質問に、自称ミドルクラスの人達の60%が「自分達の生活レベルの方が高い」と答えている(24%が「同じ」、13%が「自分達の方が生活レベルが低い」)。

The Lost Decade of the Middle Class

また、自称ミドルクラスの間では、自分の子供達が今の自分の年齢に達した頃に享受する生活レベルは、「自分達より高いだろう」と答える人が43%(「同じ」が21%、「低いだろう」が26%)。

The Lost Decade of the Middle Class

The Great Recessionの影響でミドルクラスのこれら楽観意見%も、以前に比べると下がり気味。でも、楽観意見を持つ人達の%レベル自体はまだまだ高いので、ミドルクラスのオプティミズムはまだ健在のように思える。

日本でいわゆる「失われた世代」の多くが「自分たちは親の世代ほどは裕福な暮らしはできないかも」という認識を持ち出したのは、バブルが崩壊して10年ちょっと経った頃ではないか思う。

Pewのレポートを見る限りではアメリカの若い世代(18~24歳)はまだまだ将来について楽観的な様子。もし景気・雇用停滞がこれからも長引くとしたら、彼等のそういった楽観姿勢やアメリカン・ドリームの確信も変わっていくのかもしれない。

またPewのレポートによると、将来について一番悲観的なのは50~64歳の年齢層。リタイアを前すると、経済回復を期待するにしても、時間的余裕があまりないせいだろうか。

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