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QE3の行方:終わりの始まり?

ここ何週間か、「連邦銀行は現行の量的金融緩和政策(QE3)をいつどのような形で終了させるのか、もっとはっきりさせるべきだ」という声が高まり、議会やFMOC(連邦公開市場委員会)声明と記者会見でバーナンキ議長が説明することになった。

でも、バーナンキ議長が、説明に「縮小」「終了」という言葉を使っただけで、市場はせっかちに説明を最後まで聞かずにパニックしてしまった模様。

連銀QE3のターゲットは失業率6.5%達成、という部分はまだ変わらない(現時点の失業率は7.6%)。

ただ、今年になって経済が比較的好調なのを反映して、連銀FMOCが経済予測を上方修正しているのが今回の声明のミソ。

FMOCの経済予測:2013年6月

以前は、失業率がターゲット6.5%に達するのは2015年半ば頃という予測だったが、今回の声明では2014年末には6.5~6.8%ぐらいになっている予測。ターゲット達成が少し早くなる、つまりQE3終了時期が早まる可能性が出てきた。

もし、経済が今のペースで回復して行く場合、今年後期にはQE3の債券購入額を減らしはじめて(Taperingってやつ)、失業率が7%に達した時点(現在の予測では2014年半ばになりそう)で債券購入を止める・・・バーナンキ議長の大まかな暫定案プランはそんなものらしい。

株市場は、「今年後期なんてもうすぐじゃない、ひえ~」といった感じで昨日から軽いパニック状態。

回復中の経済を加速中の車に例えると、このプランはアクセルから足を緩める・離すようなもので、経済成長にブレーキをかけているわけじゃない・・・と、バーナンキ議長は説明している。

金融緩和政策は経済効果に到るまで、2年ほどのタイムラグがあると言われている。金融政策が今の景気にプラス効果があったとしても、2009年からの政策の積み重ねであり、2014年にQE3の債券購入が終了しても、QE3の効果がその翌日に消えるというわけではない。

また、連銀が購入したMortgage-Backed Securities (ここではFannie/FreddieなどのAgency Bondsのこと)は、売るよりも満期償還を待つというゆっくりモードでさばく案が有力らしい。経済回復のエンジンである住宅市場の活性化に、水を差したくないという意図だろうか。

しばらくは、

良い経済ニュース=>QE3終了が早まるかも?=>マーケットが下がる
悪い経済ニュース=>QE3終了が遅くなるかも?=>マーケットが上がる

といった矛盾した短期サイクルを続けていくのかもしれないけど、デイトレでもするのでない限りは、そういった動きを気にする必要は無いと思う。

ともかく、経済回復が基調に乗って、予測が上方修正されたのはメデタイ、メデタイ。一般市民に重要なのは、マネーゲームよりもこの実質経済の回復。

Sequestrationの影響による連邦政府の支出・雇用削減が向かい風になる中、米国経済が今の回復ペースが維持できるかどうか、皆が見守っている。

連銀のプランもこれからのデータ次第で、もし経済回復が翳りを見せた場合は、連銀もQE3終了時期を先に延ばす等、臨機応変に対応していくつもりであることは、様々な所で説明されている。

投資家はせっかちなものらしく、QE3の縮小・終了案がメディアの話題に上がっただけで、もう一部で債券離れが始まっているのか、長期金利がジワジワと上がり始めている(モーゲージの金利も少し上昇)。

巷では、QE3の終了を前に、投資家がこれまでイケイケだった債券を売って、代わりに株を買うのではないかという仮説があり、”The Great Rotation”と呼ばれている。本当にそうなるかどうかは分からないけど、アセットアロケーションを決めてポートフォーリオ管理をしている人は、流行のファッションを追いかけるような波乗り的投資をする代わりに、地道にリバランスしていくのが吉。

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