Spiegel 663, Neiman Marcus 534, Land's End 376, William-Sonoma 328
どれも大手のリテーラーだが、一緒に出ている数字が何かというと・・・
実はこれ、それぞれのリテール会社が2011年にEメール・リスト上の顧客一人に送った宣伝Eメール総数(概算)(WSJ誌リンクはこちら)。
Spiegelは週に12~13通送っていた計算。
どのリテーラーも、オンライン・セールを伸ばすのに必死で、店舗やオンライン・セールや、Online Sweepstakes等で集めたEメール・アドレスに、宣伝Eメールを送るマーケティングが過熱してきた。
Eメールは格安営業ツールで、メールを書く手間は多少要るとしても、もう一人の顧客に送信する費用はほぼゼロ。効果はそれなりあるようで、リテーラーは「もっと送ろう」という誘惑に抵抗できないらしい。
ファッション・ブティックNicole MillerのCEO曰く、
『これはやり過ぎると、逆に顧客をイライラさせ始めるんですよ。』
当たり前じゃー!ナイジェリア詐欺だってもう少し頻度を心得ている。いくらお気に入りのリテーラーだとしても、日に1~2通はやはりやり過ぎ。
スパム・メールを削除するにも、フィルターするにも、それなりの時間・精神エネルギーが必要。大抵のスパムメールには底の方に、If you want to unsubscribe... といったリンクがあるので、それを順序良くフォローすればメール攻撃を止めることができる。
リテーラーがやり過ぎた証拠は、「メールを開かない率」「開いてもリンクをクリックしない率」が増え、ついには「メールリストからUnsubscribeするよう要請する率」が増えてしまうことだという。
リテーラーとしては、Unsubscribeされて大切なターゲット顧客を失うのが今一番怖いらしい。
「あ、何だろう?」と興味を持たせるまで頻度を落とす「じらせ」対策、また、宣伝Eメールの内容を顧客個人の興味に合わせるカスタマイズ対策、そういった戦略を実行したリテーラーでは効果があって、メールを開く確率・リンクをクリックする確率が上がり、Unsubscribe要請率も下がったという。データ分析を重ねて、スパム商法も洗練されつつある。
顧客のPCにクッキーを置いてネット・アクセスを追跡し、その情報をもとにメールをカスタマイズするリテーラーもいるようだ。それはそれでプライバシーも問題もあるのだが、ネットが巨大宣伝メディアに変わりつつある今、そういった流れを止めるのは難しい。個人できるのは、定期的にクッキーやオンライン・ヒストリーを一掃削除することぐらいだろうか。
というわけで、店舗でEメール・アドレスを聞かれても、本当に宣伝メールを受け取りたいのかどうか考えなくてはならない。オンライン購入にはEメール・アドレスを渡すのは避けられないが、同社の宣伝メールリストに載るかどうか、他社とアドレスをシェアするかどうか、選択肢があれば慎重にチェックしたい。これは、オンラインで慈善団体に寄付する時も同じ。
私もスパム・メールはUnsubscribeするようにしているが、航空会社やAmazonは、Unsubscribeした覚えがあるのに、何故かまたメールを送ってくるようになった。困ったものだ。
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