統計小噺をもうひとつ。
米国農務省が消費者支出調査から、子供一人を17歳満まで育てる費用を割り出した。ソースレポートを読みたい方はこちらへ。ここでは、統計のサワリだけをご紹介。
このレポートでは、消費者世帯を税込所得によって3グループに分けて分析している。
低所得層(($59K未満)夫婦世帯の年間子育て費用平均は、$8,760~9,970。
中間所得層($59~103K)夫婦世帯の年間子育て費用平均は、$12,290~14,320。
高所得層($103K以上)夫婦世帯の年間子育て費用平均は$20,420~24,510。
レンジがあるのは、子供の年齢によって費用平均が変わるから。どの所得層でも、平均子育て費用は年齢に従って増えていく傾向がある。子供が育ってデイケア費用がなくなっても、医療費・衣服費・教育費などが嵩んでいくようだ。
2011年に生まれた子供の17年間の子育て費用総額を予測してみると(インフレ込み)、低所得層で$212,370、中間所得層で$289,560、高所得層で$490,830。
低所得層では、税込み所得の平均25%を子育て費用に使い、中間所得層は平均16%、高所得層は平均12%をそれぞれ子育て費用に使っている計算。
これらの費用には大学進学費用やそのための積立は含まれていない。親戚が子供に使うお金や、ジジババの提供する無料サービス・物品も含まれていない。政府福祉サービスの料金も含まれていない。親が子育てに直接出費する費用のみ。
どの所得グループでも、居住費(子供の使うベッドルームの数から概算)が一番大きな出費で、子育て費用の30~32%を占める。中間所得層ではチャイルドケア・教育費が次に大きくて18%、食費が16%。
1960年の支出内訳と比較すると、食費(24%)と衣服費(11%)の占める%が減っている(2011年ではそれぞれ16%と6%)。その代わり、チャイルド・ケアや教育費は2%だった(2011年では18%)。
地域的には北東部都市部が一番高く、次に西部都市部、中西部都市部。一番大きな地域差は住宅費。田舎の方が子育て費用は安くつく。
ひとりっ子夫婦世帯が子供に掛ける費用は、二人の子持ち夫婦世帯が一人の子供に掛ける費用より25%高い。子供が3人以上いる夫婦世帯では、二人の子持ち夫婦世帯より、子供一人に掛ける費用は22%低い。子供の数が増えるにつれ、親が出費調整したり、一種の規模の経済性が生まれるのだろう。
米国農務省のウェブサイトには、子供の年齢・住む地域・親の所得などから、子育て費用の平均を出す計算機もあるので、遊んでみたい人はそちらでどうぞ。
「子供はかわいいけど、お金がかかる」とよく言うけど、こうやって数字で見てみると、また特別の感慨がありますね。
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