ちょっと面白いAge based Asset Allocationに関しての記事を見つけたので紹介します。
The Flight Path Approach to Age-Based Asset Allocationという記事。
通常のAge Based Asset Allocationでは、FI Planningの記事にもあるように、年齢に応じてEquity(株)の割合を減らしていきます。例えば株比率を
- Age In Bonds : 100 - 年齢
- Aggressive : 135 - 年齢
などとするタイプがあります(FI Planningの記事のように、110 - 年齢、というのも一般的です)。
この方式は年齢とともに株比率を減らして、リスクを軽減するという所にキモがあります。すなわち、引退までに時間がたっぷりある若者ならばリスクを取って大きいリターンを、引退まで時間が無ければリスクを極力減らしつつ最大限のリターンを得るのが目的です。
今回の記事のFlight Path (Approach) Asset Allocationでは、株比率のグラフがあたかも飛行機の離発着のように描くスタイルを提唱しています。
既存のアロケーションの最大の問題点は、人間の心理を無視しているところだと述べています。マーケットはいつ激しく落ち込むか誰にも判りません。Retirement資金としてお金を投入した矢先に10%、ないしは20、30%の下落をした時に人は耐えれるのでしょうか?
耐えれませんよね。
そうしてRetirement資金への投資に嫌気がさして資金の投下をやめてしまう、年をとってから激しく低い老後資金の間違いに気づく・・・有り得そうなシチュエーションですよね。
すなわち一般的なアロケーションでは、通常かなりAggressiveにアロケーションする若年において、かなりConservativeにするべきだというのが本記事の主張の一つです。
これは20代前半等の若いひとに「投資っていっても何買ったらいいかわからないんですけど、Target Date Fund買っときゃいいんですかね?」というような事を聞かれた時に提案できるアイデアの一つかもしれません。
その若い人が30%、50%の下落にも耐えれるぐらいの強い心臓を持ってれば別に80~90% EquityなTDFでもいいんでしょうけどね。
後、この記事で一つ面白いのがリタイア後に一定のEquity割合をキープする、というアイデア。
このキープ期間というのは、いわばFlightのLandingに相当する年齢ですが、実際の飛行機と違ってどこで止まるかわからない(いつ死ぬか判らない)。
通常は平均年齢程度を目安に考えますが、人によっては60で引退してみたら120まで生きることもあり得るわけです。
そう考えると年齢とともにEquity比率が減り続けるのは、資金の増え方やインフレ追従性を考えると確かに良くないのかも知れません。
この記事のキモは
- 人間は心理的にいきなり負けが混むと嫌になる事に気をつける=最初はConservativeに。
- いつまで生きれるか判らないから老後のEquity比率はキープする。
といった感じでしょうか。意外に面白い考え方だと思います。
元記事は最近のBond高(私はBond Bubbleだと思っていますが)を反映してか、かなりEquity比率が低い=Bond比率が高いアロケーションなので、そのあたりは一考の余地有りですよね。
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