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Savings for Retirement – WSJ の記事から

F Fries

Retirement のためにどれだけ貯蓄しなければならないか、という計算をやってくれるサイトはいろいろあるけれど(大抵の場合、非常に scary な数字が出て来るようになっている)、現実問題、どうやって貯蓄と日々の生活のバランスを取るかという具体例を示してくれる記事はあまりないように思う。高卒のシングルマザーが、どん底の生活からどうやって5万ドルのクレジットカード借金を返したかという類いの記事は、読み物としては面白くても、普通のミドルクラスにはあまり参考にならないことも多い。その点、この Wall Street Journal の記事はわりと現実的。

一例目は30歳の社会科の先生、David さん。子供の頃から車を買うための貯金をしていたという堅実派。大学に行くために約3万ドルのローンを組んだが、親の家に住んで家賃を節約するなどの方法を使って卒業後3年で完済。現在は給料の手取り分のなんと32%を貯蓄に回し、さらに教会に献金も(tithingというからには10%)している。

記事のアドバイザーによると、「堅実な貯蓄はすばらしいが、利率12.5%のクレジットカード負債$1800がいただけない。貯蓄は十分あるのだから、こちらをさっさと完済してしまうべき。さらに個々の株式に投資しているのもリスクが高すぎるのではないか。」

クレジットカードに関しては、わたしも全く同感。手持ちの貯金で十分払ってしまえるはずの額なのに、何のために利息を払ってるのか?もしかすると、クレジットカードは月々のミニマムペイメントを払うものという固定概念に取り憑かれているのだろうか?

個々の株式に関しては、わたしは自分でも個々の株式に興味があるから、一概にリスクが高すぎるとは思わないけど、給料の手取りの8.5%をこれに充てているというところから計算すると、月に$200〜$300か?これで毎月何か株を買うとすると、手数料がバカにならない。何ヶ月分かまとめて投資するにしても、この額では十分に diversify できない恐れがある。(もちろんうちの近所のバフェットさんみたいに、資産の90%以上がバークシャー株という全く diversify してない人もいるが、そういうのは例外。)

二例目は60代の retiree 夫婦。旦那さんは産婦人科医、奥さんは学校の先生で、退職後も年金と健康保険がある。いまどき年金のある職業は貴重だから、この夫婦はそういう意味でラッキーな部類に入るのだろう。年に3万ドルの年金があるというのは、利回り3%の貯蓄なら100万ドルあるのと同じことだから。物価の安いアリゾナの小さな町に住んでいるので、生活費は低く抑えることができるが、逆に大きな病気になったら飛行機かヘリで移送するしかなく、そのための特別の保険に入っているという。

ほとんど満点ともいえるほどよく練られたリタイアメントプランだが、アドバイザーの意見は「投資ポートフォリオはもうちょっとアグレッシブでも良いのでは?」とのこと。しかしこればっかりは人によってリスク耐性が全く違うし、アドバイザーの意見は「まあ、そんなことを言う人もいる」くらいのものかもしれない。

三例目は上の二例とは全く違って、三十代のミュージシャン夫婦。こういう職業は WSJ の読者の何パーセントくらいなんだろう?しかし、収入が不定期なだけに彼らはそこそこ貯蓄に熱心で、リタイアメント口座の残高はあまり多くないが、銀行には16万ドルの貯金があるという。

アドバイザーの意見は、不定期とはいえ収入があるのだから、収入のある度にリタイアメント口座にお金を入れること、自営業者のためのIRAを利用すべきであること、それから子供の大学資金をちょっとずつでも貯めるべきであること等々。

こうやって実際の事例をもとに具体的なアドバイスを書いてもらうと、retirement calculatorに「安定した老後を迎えるためには、あなたはこの先毎年、2万ドルずつ貯蓄しなくてはなりません。」などと言われるより、ちょっと取っ付きやすい感じがしませんか?

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