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改正日米租税条約と銀行利子とtax returnの微妙な関係

今年は確定申告(tax return)の締切が延長になったので、safe harborの範囲内でできる限りoweが出るようにしている筆者としては急ぐ理由もなく、いまごろになって申告準備を進めている。そして、毎年のように現れる新しいblogネタに今年も遭遇してしまった。「日本で発生した利子に対して日本で源泉徴収された税金のうち、11月1日以降の徴収分についてはForeign Tax Credit(FTC)を請求できなくなる」(ちなみに来年からはすべて請求できなくなる)というものである。

利子をはじめとした日本源泉所得に対して日本で徴収された税金について、租税条約との絡みで必ずしも全額をFTCで請求できるとは限らないという点については、すでに以前blog記事としてまとめている。利子の場合、これまではその上限が10%だったのだが、日米租税条約が改正され、(非居住地である)源泉地国での利子が免税となったためにFTCを請求できる上限も0%になった(すなわち請求できなくなった)。源泉徴収される税金については、この免税措置が2019年11月1日以後の分について適用されるので、2019年分の申告にあたっては、

  • 2019年10月31日までに徴収された分については利子の10%まで請求
  • 2019年11月1日以後に徴収された分については請求しない(できない)

ということになる。

年の途中で処理が変わるのは2019年のみの特殊事情だが、日本での利子にかかる税金についてFTCを請求できなくなるという点については来年以降もあてはまることになる。

なお、理屈からすれば、この改正条約によってそもそも日本では一切源泉徴収されずに済むようになるべきなのだが、銀行の利子のような場合、金融機関側がちゃんと対応してくれずに徴収が続いてしまうことがままある(経験としては、証券会社の場合はこのあたりもきちんとやってくれることが多い)。筆者の場合もそうなのだが、利子自体がごくわずかなので、租税条約の特典を適用するためにかける労力の方がバカバカしく、結局二重課税を放置したように状態になっている。条約の改正の結果、二重課税がさらに悪化することになるのはマイナスだが、そもそも大した額ではないので、FTCのための外国税額を計算するような手間をかけなくて済む分楽になったとポジティブに考えることにしよう。