税法改正の法案審議に手続き的に不可欠となる「予算決議(Budget Resolution)」がついに上院で木曜日(10月19日)可決された。
この予算決議だけど、単に予算の概要を示すだけではなく、決議の「予算調整措置(Budget Reconciliation)」というプロセスを通じて実際の法案作成を指示することができる。今回の決議では今後10年間で1兆5千億ドルの財政赤字になってもいいから税法改正をするようにという指示が入っている。100円換算で150兆円に上る赤字を容認することで税法改正実現のためのステージができあたったこととなる。
皮肉なことにこの一連のプロセスは1974年の予算法修正で財政赤字の削減をひとつの目的としていたようだけど、一転して大型減税達成のToolとして最大限利用されることになる。10年間の時限措置だったブッシュ(息子)政権の大型減税も当然この枠で実行されている。
このプロセスを使って法案を審議する醍醐味は上院で単純過半数の51で法律を通すことができる点にある。上院は100議席あり、通常は60票の賛成が必要だ。更に正確に言えばVPがTie BreakerのCasting Voteを握っていて、ペンスが共和党なので共和党の法案に反対票は投じず、結果として共和党は50票を確保すれば大型減税案を上院で通すことができることになる。
ただ、この数字は油断大敵だ。逆に言えば共和党の上院議席数は52だから3人造反者が出たらおしまいということ。現にオバマケア廃案も2017年予算決議に基づく審議だったけど、複数の法案可決時に常に3人の造反者が出て万事休すとなった苦い経緯がある。今回の税法改正も際どい。おそるおそる弾金を引いて、弾丸は一発だけ。裏目に出た時は全てが消える電光石火ロシアンルーレット、ってこんな曲の歌詞知っている人は今では少ないよね。オフィシャルには51カ月続いたと言われる日本のバブル経済前夜で今の日本からは想像できないハイテンション時代の曲だ。スキーとか遊びに行くときに関越や中央フリーウェイ、または横浜行くときの第三京浜で「Wham」の「Careless Whisper」や「Madonna」の「Like a Virgin」とかと交互にわざわざ聴いてた「Voyager」ってアルバムがあったけど、その中の名曲「ガールフレンズ」に続く「(なんとか?)ルーレット」っていう曲だ。松任谷由美のどのアルバムがベストかっていうのは当時常に熱い議論だったけど、個人的には「Reincarnation」、続いてこの「Voyager」かな。日本が将来ズッと成長し続けると皆が信じてたいい時代だったんでより懐かしいのかも。更に時代を遡ると、この頃はまだ荒井由美だったけど「Misslim」と「ひこうき雲」も個人的に好きなアルバムだ。こちらはバブル経済ではなくまだ今から思うとiPhoneもAPPもInstagramもなくて質素だったけどみんなで楽しくやってた子供時代がフラッシュバックしてくる。
で、なぜ共和党の法案に共和党議員が反対することがあるかというと、米国では議員の過去のVoting Record(各法案にどのような票を投じたかという記録)が選挙毎に国民に精査される。したがって自分の選挙区や支持基盤がサポートしていない法案には例えそれが自分が所属する党の議員により提出された法案でも反対票を投じることとなる。
なお、予算決議は両院一致で可決される必要がある。下院では既に可決されているが、今回可決された上院バージョンとは内容が異なる。先に可決されていた下院バージョンの上院との一番の違いは税法改正の際に赤字を増やさないようにとなっている点だ。本来、内容が異なる予算決議が両院で可決されると、両院協議会ですり合わせを行う必要があるが、今回はただでさえ足りない時間を節約するため、上院を通過したバージョンを下院でも再度通し、一気に両院一致予算決議を可決したいと下院議長は言っている。となると来週にも一致予算決議が出て、直後に下院の歳入委員会から法律原文が出てくるのだろうか?Paul RyanもKevin Bradyも今年中の税法改正可決に未だにアップビートなことを考えると法文原案は実は裏ではほぼ完成しているものと推測される。
今回の上院による予算決議審議で面白かったのは例のRand Paul先生だ。Rand Paulと言えばオバマケア廃案の最後の法案に「十分に廃案していない」と反対票を投じたり、「情報交換規定は憲法違反」として租税条約の批准を一人でブロックしている大先生だけど、今回は「1兆5千ドルでは足りず2超5千ドルまで赤字を認めてもっと豪快な減税とすべき」という修正要求をして、それが却下されると予算決議そのものに反対票を投じている。今回は51の賛成票が集まっており、それらは全員共和党議員のものなので、造反者はRand Paul一人だったこととなる。ちなみにRand Paulの修正案は7対93で大敗しているが、他に6人は賛成した共和党議員が存在したんだね。それにしても150兆円の赤字では十分ではなく250兆円相当の赤字を提案していたとはさすがRand Paul先生。レベルが違う。
この予算決議だけど、単に予算の概要を示すだけではなく、決議の「予算調整措置(Budget Reconciliation)」というプロセスを通じて実際の法案作成を指示することができる。今回の決議では今後10年間で1兆5千億ドルの財政赤字になってもいいから税法改正をするようにという指示が入っている。100円換算で150兆円に上る赤字を容認することで税法改正実現のためのステージができあたったこととなる。
皮肉なことにこの一連のプロセスは1974年の予算法修正で財政赤字の削減をひとつの目的としていたようだけど、一転して大型減税達成のToolとして最大限利用されることになる。10年間の時限措置だったブッシュ(息子)政権の大型減税も当然この枠で実行されている。
このプロセスを使って法案を審議する醍醐味は上院で単純過半数の51で法律を通すことができる点にある。上院は100議席あり、通常は60票の賛成が必要だ。更に正確に言えばVPがTie BreakerのCasting Voteを握っていて、ペンスが共和党なので共和党の法案に反対票は投じず、結果として共和党は50票を確保すれば大型減税案を上院で通すことができることになる。
ただ、この数字は油断大敵だ。逆に言えば共和党の上院議席数は52だから3人造反者が出たらおしまいということ。現にオバマケア廃案も2017年予算決議に基づく審議だったけど、複数の法案可決時に常に3人の造反者が出て万事休すとなった苦い経緯がある。今回の税法改正も際どい。おそるおそる弾金を引いて、弾丸は一発だけ。裏目に出た時は全てが消える電光石火ロシアンルーレット、ってこんな曲の歌詞知っている人は今では少ないよね。オフィシャルには51カ月続いたと言われる日本のバブル経済前夜で今の日本からは想像できないハイテンション時代の曲だ。スキーとか遊びに行くときに関越や中央フリーウェイ、または横浜行くときの第三京浜で「Wham」の「Careless Whisper」や「Madonna」の「Like a Virgin」とかと交互にわざわざ聴いてた「Voyager」ってアルバムがあったけど、その中の名曲「ガールフレンズ」に続く「(なんとか?)ルーレット」っていう曲だ。松任谷由美のどのアルバムがベストかっていうのは当時常に熱い議論だったけど、個人的には「Reincarnation」、続いてこの「Voyager」かな。日本が将来ズッと成長し続けると皆が信じてたいい時代だったんでより懐かしいのかも。更に時代を遡ると、この頃はまだ荒井由美だったけど「Misslim」と「ひこうき雲」も個人的に好きなアルバムだ。こちらはバブル経済ではなくまだ今から思うとiPhoneもAPPもInstagramもなくて質素だったけどみんなで楽しくやってた子供時代がフラッシュバックしてくる。
で、なぜ共和党の法案に共和党議員が反対することがあるかというと、米国では議員の過去のVoting Record(各法案にどのような票を投じたかという記録)が選挙毎に国民に精査される。したがって自分の選挙区や支持基盤がサポートしていない法案には例えそれが自分が所属する党の議員により提出された法案でも反対票を投じることとなる。
なお、予算決議は両院一致で可決される必要がある。下院では既に可決されているが、今回可決された上院バージョンとは内容が異なる。先に可決されていた下院バージョンの上院との一番の違いは税法改正の際に赤字を増やさないようにとなっている点だ。本来、内容が異なる予算決議が両院で可決されると、両院協議会ですり合わせを行う必要があるが、今回はただでさえ足りない時間を節約するため、上院を通過したバージョンを下院でも再度通し、一気に両院一致予算決議を可決したいと下院議長は言っている。となると来週にも一致予算決議が出て、直後に下院の歳入委員会から法律原文が出てくるのだろうか?Paul RyanもKevin Bradyも今年中の税法改正可決に未だにアップビートなことを考えると法文原案は実は裏ではほぼ完成しているものと推測される。
今回の上院による予算決議審議で面白かったのは例のRand Paul先生だ。Rand Paulと言えばオバマケア廃案の最後の法案に「十分に廃案していない」と反対票を投じたり、「情報交換規定は憲法違反」として租税条約の批准を一人でブロックしている大先生だけど、今回は「1兆5千ドルでは足りず2超5千ドルまで赤字を認めてもっと豪快な減税とすべき」という修正要求をして、それが却下されると予算決議そのものに反対票を投じている。今回は51の賛成票が集まっており、それらは全員共和党議員のものなので、造反者はRand Paul一人だったこととなる。ちなみにRand Paulの修正案は7対93で大敗しているが、他に6人は賛成した共和党議員が存在したんだね。それにしても150兆円の赤字では十分ではなく250兆円相当の赤字を提案していたとはさすがRand Paul先生。レベルが違う。
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