最近、日本企業や日本政府関係の方と米国税法改正に関して話す機会が多いけど、そんな中でBEATに対する懸念、興味は引き続き高いなと感じる。そんな中、前回までのポスティングで、BEAT導入の背景、適用対象となる納税者、BEATミニマム税の基礎的な算定法、そしてミニマム税抵触有無の判断時に両天秤に乗せて測る一方の金額であるBEAT法人税を算定するために通常の課税所得に加算処理しなくてはいけない金額、つまり費用控除が否認される金額であるBase Erosion Benefitに関して触れた。
80年代後半、90年代前半の移転価格最終規則を含むBase Erosion対策は日本企業を念頭に置いたものだったと言えるけど、それも今は昔。BEATはInboundでも米国多国籍企業でも関係なく適用されるし、むしろインパクトが大きいのは巨額のロイヤリティーとかをアイルランドに支払ってたりする米国多国籍企業の方だろう。
Base Erosion BenefitはBase Erosion Paymentのうち該当課税年度に損金算入されている金額となり、Base Erosion Paymentは法文上4つのカテゴリーで構成されていて、そのうち最後のカテゴリーは懲罰的にInversionして米国から国外脱出した法人に特別適用となることから、日本企業的には実質3つのカテゴリーが関係してくるってところまで話が辿り着いた。
で、今回はBase Erosion Paymentから除外される項目に焦点を当ててみたい。まず何と言っても上院バージョンのBEAT制度では「売上原価(Cost of Goods Sold 「COGS」)がBase Erosion Paymentにならない点は大きな恩典だろう。下院案では仕入れコストも20%ペナルティー課税の対象となっていたので、上院案は日本企業を含む多国籍企業に助け舟みたいな存在だった。
この「COGSはBase Erosion Paymentではありません」っていうポイントは法文そのものでは微妙なニュアンスで間接的に規定されているので、必ずしも法文を読んで直感的に分かるものではない。「ただしCOGSは除く」とか規定されていないからだ。下院案と上院案を取りまとめて最終化した両院協議会作成の説明文を読むとCOGSは対象ではないと付随的に記載されているけど、厳密には説明文は法律ではない。ちなみのこの両院協議会の説明文は元々の上院バージョンの説明文を両院一致案とする際にアップデートしたように見えるけど、法案自体がクリスマスプレゼントとしてクリスマスまでにデリバーするためタイミング的なプレッシャーの下、慌てて様々な改訂が加えられた経緯があるので、説明文が必ずしも全ての改訂に追いついてない部分が散見される。場合によっては不正確な記載も残っているので注意が必要。最終的には必ず法人そのものをチェックしないとね。
で、法文上、COGSがどのように処理されているかと言うと、Base Erosion Paymentは原則「Deduction」(損金)が認められる支払いと規定されている点をもってCOGSは除外されることとなる。この点は分かり難いけど、米国税法上、COGSは損金(Deduction)ではなく総所得(Gross Income)を算定する際に総売上(Gross Receipts)から減額(Reduction)される項目だからだ。英語で言っても「D」と「R」の差だけだから冗談みたいに紛らわしい。つまり、COGSはReductionなので税法の定義的にDeductionにはなり得ないという仕組み。米国の課税所得はGross IncomeからDeductionを差し引いた金額がTaxable Incomeだけど、Gross Incomeの規定に、製造業、販売業が認識するべきGross Incomeは総売上からCOGSを差し引いた金額と規定されており、Deductionを考える前の段階でCOGSは既に差し引かれていることが分かる。
前回のポスティングで触れた通り、同様の理由でReinsurance PaymentsはBase Erosion Paymentに当ると特筆される必要があったのだろう。Reinsurance PaymentsもCOGS同様にDeductionではなくReductionなので、わざわざ書いておかないとBase Erosion Paymentの定義から除外されてしまうからだ。
更にCOGSが通常の法人にとってBase Erosion Paymentに当らないことを裏付けるように、Inversionして米国から脱出していく企業グループに関しては懲罰的にGross ReceiptsからのReduction、まさしくCOGSもBase Erosion Paymentとすると敢えて規定されている。
で、このCOGSがどこまでの金額を含むのかというのは度々議論となるところ。仕入コストはCOGSとしてBase Erosion Paymentから除外されるのは間違いないけど、Overheadとか間接費用に外国関連者に対する支出が含まれている場合、棚卸資産や製造原価に振り替えらればCOGSに変身して急にBase Erosion Paymentでなくなってしまうのだろうか? 棚卸資産に振り替えれば、期末在庫として残っている間は資産だからその期はBase Erosion Benefitになり得ないし、また費用になる時点ではCOGSとして費用化されるのでReductionになってしまい、Base Erosion Paymentとならないということになる。この点は普通に考えれば税務上、COGSと扱われる金額はReductionなんだからDeductionではなく、よってBase Erosion Paymentとはなり得ないはず。更に財務省にとっては気の毒だけど、従来から税法はFull AbsorptionのGAAPと比較してもより多くの金額を棚卸資産や製造原価に計上させている。Section 263AのUNICAP規定に基づき、GAAP上は期間費用として処理しないといけない項目の一部をセコイことにわざわざ棚卸資産や製造原価に振り替えるような法律がある。となると、当然税務上適用が強制されるSection 263Aを加味した上でCOGSをBase Erosion Paymentから除外すると考えるのが法的には自然なのだろう。ただし、この点は場合によっては「Make it or break it」的なHigh Stakeなポジションとなり得るため、できれば財務省から「その通りです」みたいな明確なガイダンスの公表が望まれるところ。
となると、のび太君じゃないけど「Section 263Aのくせに(?)」その適用次第でBEAT適用有無の明暗を分けたりすることもあり得る。すなわち外国関連者に対するロイヤリティーとかを棚卸資産や製造原価に含めることができれば元々Base Erosion Paymentとなりそうだった費用を魔法のようにBEAT対象外の支出に生まれ変わらせることができる。
Section 263Aというのは課税所得への影響以上に本気でコンプライアンスしようと思うと規則が複雑で結構負荷の高い法律。1986年の「前回の」税法改革でレーガン政権の後押しで導入されたもので、以前はケースバイケースでまちまちな資産計上基準だったものを統一したもの。どれだけ気合が入っていたかというと、1986年の税法改革法に対して財務省が最初に策定した財務省規則(Section 263Aの暫定規則)がUNICAPにかかわるものだったそうだ。今回の改革でいうところの海外留保所得一括課税みたいな地位にあったんだろうか?一括課税の方が全然マテリアルな感じがするけどね。で、その後、1993年~1994年に財務省規則は最終化されている。1986年から数えて7~8年後の話しだから、今回の税法改正の財務省規則が最終化されるのは、こういう注目度の高い規定でも2022年とか23年でもおかしくないってことだね。良く受ける質問に「財務省はいつ規則やNoticeを発表しますか?」っていうのがあるけど、「来月には出てますか?」という時間軸ではないようだ。優先順位の高い留保所得の一括課税なんかに関しては既にNoticeが出ているし、今後もNoticeという形でガイダンスは徐々に出てくるだろう。BEATはどうでしょうか?
で、財務省規則だけで1.263A シリーズで1~15まであるというから規則は膨大かつ複雑。結構面倒な規定なので、従来Section 263Aの計算を正確に突き詰めていたケースはどちかと言うと例外的なんじゃないだろうか。まあ、G&AでもCOGSでも、どちらでも課税所得を下げることには変わりはないし、期末在庫に余計な費用を資産計上させられるにしても、毎年度同じような処理法で資産計上してるんだったら、期首在庫にも同様の額が乗っかってる訳だから、ネットのCOGSへの影響は少ない。そんな地味な存在だったUNICAPも今年は納税者によっては最重要検討Sectionとなるかもね。まさしく「Life is so strange」で「Destination Unknown...」
ちなみにこのSection 263A自体にも今回の税法改正でいくつか改正が加えられていて、以前は小規模事業に対する適用免除が$5M以下だったのが$25M以下に拡充。また、面白い時限措置にビール、ワイン、蒸留酒の熟成期間(英語ではエージングってなってるけど)はSection 263A(f)で求められる利息の資産計上から免除というのも規定されている。最近北カリフォルニアとかUpstate New Yorkとかに日本の酒蔵というか酒造工場が進出しているって話しを耳にしたことがあるけど、焼酎を造る際にはエージングの期間Section 263A(f)が免除されるのは吉報かもね。なんか焼酎とSection 263A(f)って似合わないけど。もちろん$25Mの方が適用されればUNICAP全ての適用がナシだからそっちの方がベター。Section 263Aって個人的には意味なく細かい気がして余り好きなSectionとは言えない。「え~税法のSectionなんてどれも好きな訳ないじゃん」って言われそうだけど、まあSection 1から9000番台まであると中にはいい感じのSectionとそうでもないSectionが個人の好みベースで存在するもの。好きな(?)Sectionはバスの路線とか住所とか関係ないところでその番号見ただけで反応してしまう位でないと米国タックスを専門にしているとは言い難い(本当?)。 368番地とか721番地とか見るとハッとしてしまうっていうのは相当いっちゃってる証拠だね。
で、BEATとSection 263Aだけど、いくらSection 263Aに従えば本来資産計上するべきものでも、今までしていない場合には勝手に処理変更する訳にはいかない。この手の変更はIRSにForm 3115っていう変更届を出してきちんと変更しないといけない。変更願はIRS側の同意が必要なものと自動変更と言って3115のペーパーワークさえすれば同意が前提となっているものと2通りあるからこの辺はBig 4会計事務所に頼んでDCに構えている処理変更専門チームのヘルプがMust。
ただ、処理変更はBEAT目的ではいいかもしれないけど、注意が必要なのは通常の(本当の)法人税への影響。Base Erosion Benefitが存在するから必ずBEAT対象になる訳ではない一方、Section 263Aは通常の法人税を算定する際に必ず適用し続けないといけない訳だから、資産計上が最大限になるようなプラニングは通常の法人税を考える際にはデメリットとなる。もちろんタイミング差異だし、影響は棚卸資産計上する金額全額ではなく期末在庫に計上されている部分に対するものだけど。今後も同じ方針でUNICAPして行くということは変更時に通常法人税に対する影響が大き目になるということでしかないけど一応注意が必要。
期せずしてCOGSの話しが長くなり、全然得意じゃないUNICAPの話しで盛り上がってしまったけど、次回は実際に法文でも「これはBase Erosion Paymentから除外します」と規定されているものに関して。
80年代後半、90年代前半の移転価格最終規則を含むBase Erosion対策は日本企業を念頭に置いたものだったと言えるけど、それも今は昔。BEATはInboundでも米国多国籍企業でも関係なく適用されるし、むしろインパクトが大きいのは巨額のロイヤリティーとかをアイルランドに支払ってたりする米国多国籍企業の方だろう。
Base Erosion BenefitはBase Erosion Paymentのうち該当課税年度に損金算入されている金額となり、Base Erosion Paymentは法文上4つのカテゴリーで構成されていて、そのうち最後のカテゴリーは懲罰的にInversionして米国から国外脱出した法人に特別適用となることから、日本企業的には実質3つのカテゴリーが関係してくるってところまで話が辿り着いた。
で、今回はBase Erosion Paymentから除外される項目に焦点を当ててみたい。まず何と言っても上院バージョンのBEAT制度では「売上原価(Cost of Goods Sold 「COGS」)がBase Erosion Paymentにならない点は大きな恩典だろう。下院案では仕入れコストも20%ペナルティー課税の対象となっていたので、上院案は日本企業を含む多国籍企業に助け舟みたいな存在だった。
この「COGSはBase Erosion Paymentではありません」っていうポイントは法文そのものでは微妙なニュアンスで間接的に規定されているので、必ずしも法文を読んで直感的に分かるものではない。「ただしCOGSは除く」とか規定されていないからだ。下院案と上院案を取りまとめて最終化した両院協議会作成の説明文を読むとCOGSは対象ではないと付随的に記載されているけど、厳密には説明文は法律ではない。ちなみのこの両院協議会の説明文は元々の上院バージョンの説明文を両院一致案とする際にアップデートしたように見えるけど、法案自体がクリスマスプレゼントとしてクリスマスまでにデリバーするためタイミング的なプレッシャーの下、慌てて様々な改訂が加えられた経緯があるので、説明文が必ずしも全ての改訂に追いついてない部分が散見される。場合によっては不正確な記載も残っているので注意が必要。最終的には必ず法人そのものをチェックしないとね。
で、法文上、COGSがどのように処理されているかと言うと、Base Erosion Paymentは原則「Deduction」(損金)が認められる支払いと規定されている点をもってCOGSは除外されることとなる。この点は分かり難いけど、米国税法上、COGSは損金(Deduction)ではなく総所得(Gross Income)を算定する際に総売上(Gross Receipts)から減額(Reduction)される項目だからだ。英語で言っても「D」と「R」の差だけだから冗談みたいに紛らわしい。つまり、COGSはReductionなので税法の定義的にDeductionにはなり得ないという仕組み。米国の課税所得はGross IncomeからDeductionを差し引いた金額がTaxable Incomeだけど、Gross Incomeの規定に、製造業、販売業が認識するべきGross Incomeは総売上からCOGSを差し引いた金額と規定されており、Deductionを考える前の段階でCOGSは既に差し引かれていることが分かる。
前回のポスティングで触れた通り、同様の理由でReinsurance PaymentsはBase Erosion Paymentに当ると特筆される必要があったのだろう。Reinsurance PaymentsもCOGS同様にDeductionではなくReductionなので、わざわざ書いておかないとBase Erosion Paymentの定義から除外されてしまうからだ。
更にCOGSが通常の法人にとってBase Erosion Paymentに当らないことを裏付けるように、Inversionして米国から脱出していく企業グループに関しては懲罰的にGross ReceiptsからのReduction、まさしくCOGSもBase Erosion Paymentとすると敢えて規定されている。
で、このCOGSがどこまでの金額を含むのかというのは度々議論となるところ。仕入コストはCOGSとしてBase Erosion Paymentから除外されるのは間違いないけど、Overheadとか間接費用に外国関連者に対する支出が含まれている場合、棚卸資産や製造原価に振り替えらればCOGSに変身して急にBase Erosion Paymentでなくなってしまうのだろうか? 棚卸資産に振り替えれば、期末在庫として残っている間は資産だからその期はBase Erosion Benefitになり得ないし、また費用になる時点ではCOGSとして費用化されるのでReductionになってしまい、Base Erosion Paymentとならないということになる。この点は普通に考えれば税務上、COGSと扱われる金額はReductionなんだからDeductionではなく、よってBase Erosion Paymentとはなり得ないはず。更に財務省にとっては気の毒だけど、従来から税法はFull AbsorptionのGAAPと比較してもより多くの金額を棚卸資産や製造原価に計上させている。Section 263AのUNICAP規定に基づき、GAAP上は期間費用として処理しないといけない項目の一部をセコイことにわざわざ棚卸資産や製造原価に振り替えるような法律がある。となると、当然税務上適用が強制されるSection 263Aを加味した上でCOGSをBase Erosion Paymentから除外すると考えるのが法的には自然なのだろう。ただし、この点は場合によっては「Make it or break it」的なHigh Stakeなポジションとなり得るため、できれば財務省から「その通りです」みたいな明確なガイダンスの公表が望まれるところ。
となると、のび太君じゃないけど「Section 263Aのくせに(?)」その適用次第でBEAT適用有無の明暗を分けたりすることもあり得る。すなわち外国関連者に対するロイヤリティーとかを棚卸資産や製造原価に含めることができれば元々Base Erosion Paymentとなりそうだった費用を魔法のようにBEAT対象外の支出に生まれ変わらせることができる。
Section 263Aというのは課税所得への影響以上に本気でコンプライアンスしようと思うと規則が複雑で結構負荷の高い法律。1986年の「前回の」税法改革でレーガン政権の後押しで導入されたもので、以前はケースバイケースでまちまちな資産計上基準だったものを統一したもの。どれだけ気合が入っていたかというと、1986年の税法改革法に対して財務省が最初に策定した財務省規則(Section 263Aの暫定規則)がUNICAPにかかわるものだったそうだ。今回の改革でいうところの海外留保所得一括課税みたいな地位にあったんだろうか?一括課税の方が全然マテリアルな感じがするけどね。で、その後、1993年~1994年に財務省規則は最終化されている。1986年から数えて7~8年後の話しだから、今回の税法改正の財務省規則が最終化されるのは、こういう注目度の高い規定でも2022年とか23年でもおかしくないってことだね。良く受ける質問に「財務省はいつ規則やNoticeを発表しますか?」っていうのがあるけど、「来月には出てますか?」という時間軸ではないようだ。優先順位の高い留保所得の一括課税なんかに関しては既にNoticeが出ているし、今後もNoticeという形でガイダンスは徐々に出てくるだろう。BEATはどうでしょうか?
で、財務省規則だけで1.263A シリーズで1~15まであるというから規則は膨大かつ複雑。結構面倒な規定なので、従来Section 263Aの計算を正確に突き詰めていたケースはどちかと言うと例外的なんじゃないだろうか。まあ、G&AでもCOGSでも、どちらでも課税所得を下げることには変わりはないし、期末在庫に余計な費用を資産計上させられるにしても、毎年度同じような処理法で資産計上してるんだったら、期首在庫にも同様の額が乗っかってる訳だから、ネットのCOGSへの影響は少ない。そんな地味な存在だったUNICAPも今年は納税者によっては最重要検討Sectionとなるかもね。まさしく「Life is so strange」で「Destination Unknown...」
ちなみにこのSection 263A自体にも今回の税法改正でいくつか改正が加えられていて、以前は小規模事業に対する適用免除が$5M以下だったのが$25M以下に拡充。また、面白い時限措置にビール、ワイン、蒸留酒の熟成期間(英語ではエージングってなってるけど)はSection 263A(f)で求められる利息の資産計上から免除というのも規定されている。最近北カリフォルニアとかUpstate New Yorkとかに日本の酒蔵というか酒造工場が進出しているって話しを耳にしたことがあるけど、焼酎を造る際にはエージングの期間Section 263A(f)が免除されるのは吉報かもね。なんか焼酎とSection 263A(f)って似合わないけど。もちろん$25Mの方が適用されればUNICAP全ての適用がナシだからそっちの方がベター。Section 263Aって個人的には意味なく細かい気がして余り好きなSectionとは言えない。「え~税法のSectionなんてどれも好きな訳ないじゃん」って言われそうだけど、まあSection 1から9000番台まであると中にはいい感じのSectionとそうでもないSectionが個人の好みベースで存在するもの。好きな(?)Sectionはバスの路線とか住所とか関係ないところでその番号見ただけで反応してしまう位でないと米国タックスを専門にしているとは言い難い(本当?)。 368番地とか721番地とか見るとハッとしてしまうっていうのは相当いっちゃってる証拠だね。
で、BEATとSection 263Aだけど、いくらSection 263Aに従えば本来資産計上するべきものでも、今までしていない場合には勝手に処理変更する訳にはいかない。この手の変更はIRSにForm 3115っていう変更届を出してきちんと変更しないといけない。変更願はIRS側の同意が必要なものと自動変更と言って3115のペーパーワークさえすれば同意が前提となっているものと2通りあるからこの辺はBig 4会計事務所に頼んでDCに構えている処理変更専門チームのヘルプがMust。
ただ、処理変更はBEAT目的ではいいかもしれないけど、注意が必要なのは通常の(本当の)法人税への影響。Base Erosion Benefitが存在するから必ずBEAT対象になる訳ではない一方、Section 263Aは通常の法人税を算定する際に必ず適用し続けないといけない訳だから、資産計上が最大限になるようなプラニングは通常の法人税を考える際にはデメリットとなる。もちろんタイミング差異だし、影響は棚卸資産計上する金額全額ではなく期末在庫に計上されている部分に対するものだけど。今後も同じ方針でUNICAPして行くということは変更時に通常法人税に対する影響が大き目になるということでしかないけど一応注意が必要。
期せずしてCOGSの話しが長くなり、全然得意じゃないUNICAPの話しで盛り上がってしまったけど、次回は実際に法文でも「これはBase Erosion Paymentから除外します」と規定されているものに関して。
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