過去2回、速報みたいな感じで税制改正法文の不明点に対するガイダンス系のアップデートをしたけど、ここでまたBEAT復活。「BEAT」と「復活」って2つの用語を並べると、どうしてもその昔「Beatlesはいつ再結成して復活するんだろう?」って期待してた頃を思い出してしまう。
B面(古いね)が素晴らしいAbbey Roadをバンドして最後に録音し、その後、危うくお蔵入りとなりそうだった過去のGet Backセッションの膨大なテープにWall of SoundのPhil Spectorが派手なオーバーダブを施してリリースに漕ぎ付けたLet It Beを発売し、解散してしまったBeatles。解散のショックも未だ冷めやらぬ1970年代の頃は未だ再結成の期待は大きかった。
それにしても、Phil SpectorプロデュースのLet It Beはオーバーダブが過ぎて原型をとどめてないような曲もあるけど、2003年に発売されたLet It BeのNakedと聞き比べて最終的にどっちがいいかは難しいところ。Nakedの発売を待つまでもなく映画やBootlegで既にNakedバージョンは聞いていたので驚きはなかったけど、好むと好まざるにかかわらず30年近くWall of Soundプロダクションに基づく重厚なオーケストラサウンドを公式バージョンとして聞いてきただけにNakedは何となく逆に物足りなさを感じてしまった。
Beatles再結成に一番近かったのはRingo Starrの(意外な?)名作「Ringo」の頃かな。1973年にロサンゼルスのSunset StudioとロンドンのApple Studioで録音され、Apple Recordから発売されたこのアルバム。解散後のPost-Beatleの作品の中でも3本の指に入ると言ってもいい名作だろう。Photographとかいい曲だし、Ringo Starrって歌が下手なようで上手い。John Lennonはいい曲もあるけど、解散後のアルバム完成度は今一つな観は否めない。敢えて言えば、Yokoが許さなかっただろうけど、Double FantasyをLennonの曲だけでSingle Fantasyにしてくらたらどんなだったかな、もしかするとベストだったかも。Paul McCartneyはMy LoveとかAnother Dayとかそれなりにいい曲も多く、アルバムもBand on the Runとかまあまあ。George HarrisonはGive Me LoveとかMy Sweet Lordとか良かったけど盗作問題でケチがついてしまったね。
で、アルバムRingoではGeorge HarrisonとJohn LennonがSunset Studioに揃って現れLennonぽい名曲「I am the Greatest」を一緒に録音したそうだし、数日後にはRingo Starrはロンドンに飛び、麻薬不法所持の関係で当時、米国入国ができなかったというPaul McCartneyと「Six O’clock」をApple Studioで録音している。Six O’clockは実にPaul McCartneyっぽい名バラードで、シンセサイザーのソロがBeatlesのRevolverとかの時代を彷彿とさせる。4人が一堂に会すことはなかったとは言え、1つのアルバムで4人全員揃っているのは感動。アルバムの最後にRingo StarrがCredit代わりに参加メンバーの名前を言っていくところがあるけど、Beatlesの他の3人の名前を一気に言っていて迫力満点(?)。
それにしても、John LennonもSunsetでのレコーディングの後は直ぐにNYCに戻ったそうだし、Ringoもわざわざロンドンに行って直ぐにL.A.に戻ったりとなんかBig 4会計事務所で出張(?)してるみたいなスケジュールで結構みんな頑張ってたんだね。
で、アルバムRingoが発売されたこの頃はよくPlayboyとかの雑誌で「いよいよ再結成か」みたいなそれらしい記事が出ては消え、という時代だった。子供の頃だったからメディアの報道に一喜一憂したのを記憶している。John Lennonが1979年に殺されなければ再結成はあっただろうか。ない方がレジェンドとして残るにはよかったか気もする。Jimi Hendrixみたいに。
で、再結成がなさそうとなると、次にBeatlesの再来かという触れ込みのバンドが次々登場した。コーラスっぽいバンドでベーシストがリッケンバーガーとか使ってると特に、レコード会社が「Beatlesの再来」って売り込んで、実際には全然再来じゃなかったバンドがいくつもある。あんなバンドの再来がある訳ないじゃん、って思うけど。Bay City Rollersとか、チョッと作られた感じで足元にも及ばなかったし、KnackもMy SharonaとかGood Girls Don’tとかいいけど、結局ワンヒットワンダーっぽかった。余り知られてないかもしれないけど、スコットランドのPilotってバンドもコーラスがBeatlesっぽくて一瞬「再来」組の一人だった。結局MagicとJanuaryの2曲くらいしか記憶に残ってないけどね。でもMagicはいい曲だった。2008年に意外にもナンと「あの」Selena GomezがWizards of WaverlyでPilotのMagicをリメークしてて結構カッコ良かったのでビックリ。どこからあんな古い曲見つけて来たんだろう。
で、BEAT復活で大きく脱線してしまったけど、タックスのBEAT。前回までBase Erosion PaymentとBase Erosion Benefitsはカバーしたので、今回はBase Erosion %について。最初の大枠のところで触れているけど、Base Erosion%は2つの目的で使用される。
まずは納税者がBEAT適用対象となるかどうかを判断するテスト目的。すなわち、Base Erosion %が3%に満たない課税年度はBEATの適用がないというテスト。この3%基準、機械的なテストだから2.999%だったらBEAT適用外となる一方、3.00%ピッタリだったら適用対象となる。この%が際どいと予想される場合には、分母を増やすか、分子を減らすかして何とかここを3%未満とするよう試みるのがBEAT防御の最前線と言えるだろう。
そしてもう一つの用途は修正課税所得を算定する際にNOLのどの部分を加算調整するかの算定目的。こちらはその適用法が法文では明確でないが、その点は後で触れる。
Base Erosion %は課税年度に申告書に計上される費用(「Deduction」)全額のうち外国関連者への支払いを基としている費用、すなわちBase Erosion Benefitが占める割合となる。分母は費用全額なので当然、Base Erosion Benefitも含む金額。BEAT全体を通してそうなように、税法上Reduction(Gross Incomeを算定する際にマイナスされる金額)と規定されるCOGSのような金額はBase Erosion %算定時にも分母にも分子にも加味されない。例外はInversionで、Inversionした法人に対しては懲罰的にReduction項目もBase Erosion Benefitなので、その場合は分母と分子の双方にCOGSを含むReductionを加算することになる。日系多国籍企業は生まれながらにInboundなのでこの点は心配ないのが通常。
税法上、Deductionに区分されるけど、分母・分子に加算しない項目が複数規定されている。まず、欠損金が繰り越されたり、繰り戻されたりしてくるケースでも%算定時には繰越欠損金は無視して考える。次に10%以上の持分を保有する外国法人からの配当を非課税とするための100%配当控除も加算しない。外国法人からの配当非課税は一旦全額益金に算入したものを100%Deductionを取る形で非課税とする仕組みなので、このような規定が必要となる。そしてFDIIおよびGILTI控除。FDIIとGILTIは面白いのでいつか詳解してみたいが、FDIIは米国から外国に販売、役務提供、ライセンシングなどをしているケースで、それらの取引に関して動産からのルーティン利益を超える超過利益部分に37.5%の所得控除を認めて税金を算定してよろしいというオンショア促進策。37.5%差し引いたネット所得に21%の税率を掛けるので実質13.125%の実効税率となる。かなりグローバル的にCompetitive。GILTIは逆にCFCが米国外で超過利益を認識すると米国で毎期課税所得とするグローバルミニマム税的なコンセプト。その際に一旦超過利益を全額益金として、その50%を所得控除することで実質10.5%で課税するというもの。FTCが80%まで認められるので、理論的には(実際には金利の配賦とかでそうでないことも多いけど)米国外で13.125%で課税されていればGILTIに基づく米国株主側の追加税負担はないこととなる。どっちも13.125%がベンチマークなのでオンショア、オフショアでレベルセッティングがされていることとなる。で、この37.5%とか50%のFDII控除、GILTI控除はDeductionだけれどもBase Erosion %算定目的では分母には入らない。
そして外国関連者に支払うマークアップなしで請求可能なサービス費用(SCM)と適格デリバティブ。このSCMと適格デリバティブは以前のポスティングで触れた通り、外国関連者に対して支払っていてもBase Erosion Paymentから免除されており、したがって分子となるBase Erosion Benefitに入らない。この理由で分母への加算も認められない。
で、このBase Erosion %の算定時には「Aggregation」規定が適用されるので、特定のグループの数字は合算して検討しないといけない。チョッと話しが逸れたせいで長くなってしまったので、Aggregation規定とNOLにBase Erosion %を適用する際の不明点は次回。
B面(古いね)が素晴らしいAbbey Roadをバンドして最後に録音し、その後、危うくお蔵入りとなりそうだった過去のGet Backセッションの膨大なテープにWall of SoundのPhil Spectorが派手なオーバーダブを施してリリースに漕ぎ付けたLet It Beを発売し、解散してしまったBeatles。解散のショックも未だ冷めやらぬ1970年代の頃は未だ再結成の期待は大きかった。
それにしても、Phil SpectorプロデュースのLet It Beはオーバーダブが過ぎて原型をとどめてないような曲もあるけど、2003年に発売されたLet It BeのNakedと聞き比べて最終的にどっちがいいかは難しいところ。Nakedの発売を待つまでもなく映画やBootlegで既にNakedバージョンは聞いていたので驚きはなかったけど、好むと好まざるにかかわらず30年近くWall of Soundプロダクションに基づく重厚なオーケストラサウンドを公式バージョンとして聞いてきただけにNakedは何となく逆に物足りなさを感じてしまった。
Beatles再結成に一番近かったのはRingo Starrの(意外な?)名作「Ringo」の頃かな。1973年にロサンゼルスのSunset StudioとロンドンのApple Studioで録音され、Apple Recordから発売されたこのアルバム。解散後のPost-Beatleの作品の中でも3本の指に入ると言ってもいい名作だろう。Photographとかいい曲だし、Ringo Starrって歌が下手なようで上手い。John Lennonはいい曲もあるけど、解散後のアルバム完成度は今一つな観は否めない。敢えて言えば、Yokoが許さなかっただろうけど、Double FantasyをLennonの曲だけでSingle Fantasyにしてくらたらどんなだったかな、もしかするとベストだったかも。Paul McCartneyはMy LoveとかAnother Dayとかそれなりにいい曲も多く、アルバムもBand on the Runとかまあまあ。George HarrisonはGive Me LoveとかMy Sweet Lordとか良かったけど盗作問題でケチがついてしまったね。
で、アルバムRingoではGeorge HarrisonとJohn LennonがSunset Studioに揃って現れLennonぽい名曲「I am the Greatest」を一緒に録音したそうだし、数日後にはRingo Starrはロンドンに飛び、麻薬不法所持の関係で当時、米国入国ができなかったというPaul McCartneyと「Six O’clock」をApple Studioで録音している。Six O’clockは実にPaul McCartneyっぽい名バラードで、シンセサイザーのソロがBeatlesのRevolverとかの時代を彷彿とさせる。4人が一堂に会すことはなかったとは言え、1つのアルバムで4人全員揃っているのは感動。アルバムの最後にRingo StarrがCredit代わりに参加メンバーの名前を言っていくところがあるけど、Beatlesの他の3人の名前を一気に言っていて迫力満点(?)。
それにしても、John LennonもSunsetでのレコーディングの後は直ぐにNYCに戻ったそうだし、Ringoもわざわざロンドンに行って直ぐにL.A.に戻ったりとなんかBig 4会計事務所で出張(?)してるみたいなスケジュールで結構みんな頑張ってたんだね。
で、アルバムRingoが発売されたこの頃はよくPlayboyとかの雑誌で「いよいよ再結成か」みたいなそれらしい記事が出ては消え、という時代だった。子供の頃だったからメディアの報道に一喜一憂したのを記憶している。John Lennonが1979年に殺されなければ再結成はあっただろうか。ない方がレジェンドとして残るにはよかったか気もする。Jimi Hendrixみたいに。
で、再結成がなさそうとなると、次にBeatlesの再来かという触れ込みのバンドが次々登場した。コーラスっぽいバンドでベーシストがリッケンバーガーとか使ってると特に、レコード会社が「Beatlesの再来」って売り込んで、実際には全然再来じゃなかったバンドがいくつもある。あんなバンドの再来がある訳ないじゃん、って思うけど。Bay City Rollersとか、チョッと作られた感じで足元にも及ばなかったし、KnackもMy SharonaとかGood Girls Don’tとかいいけど、結局ワンヒットワンダーっぽかった。余り知られてないかもしれないけど、スコットランドのPilotってバンドもコーラスがBeatlesっぽくて一瞬「再来」組の一人だった。結局MagicとJanuaryの2曲くらいしか記憶に残ってないけどね。でもMagicはいい曲だった。2008年に意外にもナンと「あの」Selena GomezがWizards of WaverlyでPilotのMagicをリメークしてて結構カッコ良かったのでビックリ。どこからあんな古い曲見つけて来たんだろう。
で、BEAT復活で大きく脱線してしまったけど、タックスのBEAT。前回までBase Erosion PaymentとBase Erosion Benefitsはカバーしたので、今回はBase Erosion %について。最初の大枠のところで触れているけど、Base Erosion%は2つの目的で使用される。
まずは納税者がBEAT適用対象となるかどうかを判断するテスト目的。すなわち、Base Erosion %が3%に満たない課税年度はBEATの適用がないというテスト。この3%基準、機械的なテストだから2.999%だったらBEAT適用外となる一方、3.00%ピッタリだったら適用対象となる。この%が際どいと予想される場合には、分母を増やすか、分子を減らすかして何とかここを3%未満とするよう試みるのがBEAT防御の最前線と言えるだろう。
そしてもう一つの用途は修正課税所得を算定する際にNOLのどの部分を加算調整するかの算定目的。こちらはその適用法が法文では明確でないが、その点は後で触れる。
Base Erosion %は課税年度に申告書に計上される費用(「Deduction」)全額のうち外国関連者への支払いを基としている費用、すなわちBase Erosion Benefitが占める割合となる。分母は費用全額なので当然、Base Erosion Benefitも含む金額。BEAT全体を通してそうなように、税法上Reduction(Gross Incomeを算定する際にマイナスされる金額)と規定されるCOGSのような金額はBase Erosion %算定時にも分母にも分子にも加味されない。例外はInversionで、Inversionした法人に対しては懲罰的にReduction項目もBase Erosion Benefitなので、その場合は分母と分子の双方にCOGSを含むReductionを加算することになる。日系多国籍企業は生まれながらにInboundなのでこの点は心配ないのが通常。
税法上、Deductionに区分されるけど、分母・分子に加算しない項目が複数規定されている。まず、欠損金が繰り越されたり、繰り戻されたりしてくるケースでも%算定時には繰越欠損金は無視して考える。次に10%以上の持分を保有する外国法人からの配当を非課税とするための100%配当控除も加算しない。外国法人からの配当非課税は一旦全額益金に算入したものを100%Deductionを取る形で非課税とする仕組みなので、このような規定が必要となる。そしてFDIIおよびGILTI控除。FDIIとGILTIは面白いのでいつか詳解してみたいが、FDIIは米国から外国に販売、役務提供、ライセンシングなどをしているケースで、それらの取引に関して動産からのルーティン利益を超える超過利益部分に37.5%の所得控除を認めて税金を算定してよろしいというオンショア促進策。37.5%差し引いたネット所得に21%の税率を掛けるので実質13.125%の実効税率となる。かなりグローバル的にCompetitive。GILTIは逆にCFCが米国外で超過利益を認識すると米国で毎期課税所得とするグローバルミニマム税的なコンセプト。その際に一旦超過利益を全額益金として、その50%を所得控除することで実質10.5%で課税するというもの。FTCが80%まで認められるので、理論的には(実際には金利の配賦とかでそうでないことも多いけど)米国外で13.125%で課税されていればGILTIに基づく米国株主側の追加税負担はないこととなる。どっちも13.125%がベンチマークなのでオンショア、オフショアでレベルセッティングがされていることとなる。で、この37.5%とか50%のFDII控除、GILTI控除はDeductionだけれどもBase Erosion %算定目的では分母には入らない。
そして外国関連者に支払うマークアップなしで請求可能なサービス費用(SCM)と適格デリバティブ。このSCMと適格デリバティブは以前のポスティングで触れた通り、外国関連者に対して支払っていてもBase Erosion Paymentから免除されており、したがって分子となるBase Erosion Benefitに入らない。この理由で分母への加算も認められない。
で、このBase Erosion %の算定時には「Aggregation」規定が適用されるので、特定のグループの数字は合算して検討しないといけない。チョッと話しが逸れたせいで長くなってしまったので、Aggregation規定とNOLにBase Erosion %を適用する際の不明点は次回。
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