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お雛祭りにOECDピラー1のSafe Harbor提案再浮上

さて、前回と前々回は慣れないMeals and Entertainmentにかかわるポスティングでチョッと手間取ったけど、いろんな事例、楽しんで頂けましたでしょうか。で、今回からは満を持して(?)BEATとパートナーシップまたはOECDピラー1のAmount A, B, Cと従来のALPの関係のどっちかの話しに突入するってところで幕を閉じていた。

この2つ、どっちも魅力的な題材で、「どちらにしようかな神様の言う通り」または「イニミニマニモ・・・」ってやってランダムに選ぼうと思ってたんだけど、Mnuchin長官もSafe Harbor案を譲ってないみたいだし、ここはやっぱりピラー1かな、と思いながらイニミニマニモってしてみた。これって実はインチキで、2人とか2つしかチョイスがなくて自分が当たりたいとき、当たりたくないとき、3人、4人だったらどうなるかとか、子供だったら誰から始めたらどこで終わるか知っているので、ほとんどヤラセ。で、計算通り(笑)、OECDになったので、今日からモードを変えてOECDピラー1のAmount A、B、Cの話し。

今日はそのプレリュードって感じで、お雛様の3月3日に下院歳入委員会のヒアリングにおけるMnuchin長官のコメントに関して。

Mnuchin財務長官がピラー1を「Safe Harbor」化するって提案を公開レターという形でOECDに急に送って、世間をビックリさせた件は2019年12月3日のポスティング「DCからのお手紙でOECDデジタル課税・ピラー1に早くも暗雲?」を参照して欲しいけど、その後、この件に関してはとりあえず、ピラー1の在り方がもう少し決まるまで封印しておきましょう、みたいな形で議論先延ばしになっている。そうこうしている間にウヤムヤになって話しがなくなってしまうのではないか、という期待もあるのかもしれない。

ところが、3月3日の下院歳入委員会のヒアリングで米国のポジションとしてはSafe Harbor提案に今後も取り組んでいく点が確認された。ヒアリングでは、まずは例によってトランプ大統領の個人所得税の申告書を財務省が開示しないのは法律違反だとか、そんなことは裁判所じゃないと決められないとか、Joe Biden一家の怪しいビジネスディールの話しとか、いい加減まだやってんの?的な応酬があった後、話しはもっぱら新型肺炎にかかわる連邦政府の対応策に終始したらしい。ちなみにこの点に関しては翌日となる今日4日、$8.3B(約9千億円相当)規模の緊急歳出パッケージが議会を通過しそう。これ、早く収束してくれるといいけどね。おかげでJFKもLAXもガラガラ。混んでないのは助かるけど理由が理由なだけに全然喜べない。

で、そんな中、気骨ある議員さんが、フランス等のデジタルサービス課税(DST)にかかわる懸念およびOECDとの協調体制にかかわる質問をした。Mnuchin財務長官は、各国で議論されているDSTは米国企業を狙い撃ちにしているもので到底容認できないという以前からのポジションを繰り返した。まあ、ちまたではGAFAタックスとか言われてるんだからそうだよね。

で、その直後のMnuchin財務長官のコメントは注目に値するんだけど、「財務省はOECDの全体の(グローバルコンセンサス作りにかかわる)プロセスおよびピラー2はサポートしている」と発言した模様。米国財務省のサポート対象を敢えて「全体のプロセス」と「ピラー2」に特定している辺りはもちろん偶然ではない。ピラー2はどうせ米国はTCJAで既にGILTIあるし、みたいな説明だったらしい。似て非なるものだけどね。

じゃ、ピラー1はどうなっちゃったの?って言うと、「ピラー1はまだ検討中で、米国多国籍企業に確実性を担保するため、Safe Harbor化する提案に取り組んでいる」ということ。先週出たピラー1および2にかかわるOECDのインパクト・経済分析でも、前提条件でピラー1はSafe Harborではないとしているのにね。ただ、この件にかかわらず結構ピラー1もピラー2と並んで難しいので次回から一緒に紐解いていきましょう。ちなみに僕は米国税務、特にクロスボーダー系とか組織再編、パススルーを専門としているので、OECDの提案、それにかかわる経済分析、移転価格の新しい概念とか、皆と同じで、去年あたりから初めて読み始めた分野なのでよろしく。