大変遅くなりましたが明けましておめでとうございます!2021年のタックス・ワールドもいろいろとありそうだけど、今年もよろしくお願いします。
2020年はCARES ActでTCJAにひとひねり
2020年後半はアメリカ大統領選挙の顛末フォローや、2020年内に公表されたクロスボーダー課税がらみの財務省規則、等のキャッチアップに明け暮れてしまい、気づいたらもう1月も後半。アマデウス・モーツァルトの誕生日が目の前だ。WFHも既に一年近くなり、曜日とか過ぎていく時の感覚とか麻痺してることもあり油断してるとすぐに月日が経ってるんでビックリ。米国タックス的には、TCJAの地殻変動インパクトが続く中、2020年はさらにCARES Actっていう「ひとひねり」があったんで、これら全てを正確に適用しないといけない日本企業米国現地法人2020年3月期の申告書作成負荷は高く、いかに至難なるかはコンプライアンスに費やす所要時間が物語る。これって愚痴、それとも言い訳(?)。
大統領選挙
数日前に究極のDCインサイダーかつ生涯ポリティシャンのバイデン政権始動。アメリカ大統領選挙はいろいろあったけど、ようやく無事にバイデン政権が始動している。選挙に関しては当初いろんな報道が交錯してたけど、チョッと変わった人物が登場してきてますます「聞きしごとまこと奇し」状態となりついつい深堀りしてしまった。古文や漢文、苦手教科だったんで、用語の使い方変だったらゴメン。要はミステリアスになった、ってこと。果たしてその人物とは誰か?
その人物の話しをするには時計の針を20年ほど戻す必要がある。今は昔、2001年10月にエンロン・スキャンダルが飛び火して、Big 5会計事務所の中でも最高のReputationを誇っていたアンダーセンが倒産してしまい、その後のBig 4体制に移行して今に至っている点は業界に身を置いてなくても覚えてる方も多いだろう。アンダーセンは司法省に「起訴された段階」で上場企業の監査業務を提供できなくなり、他の訴訟もあり即倒産してしまったんだけど、その後、一審、控訴審では起訴処分に準じて有罪判決が下されたものの、4年後の2005年、最高裁判所が9対ゼロで無罪を確定している。法的になぜ無罪だったのかは「ARTHUR ANDERSEN LLP V. UNITED STATES 544 U.S. 696 (2005)」で、当時の主席判事Rehnquist(ストライプのローブ姿が懐かしいね)が端的な判決文を書いてくれているんで、興味がある方は読んでみるといい。
エンロン、アンダーセン、そしてその後のSOXは今でもBig 4会計事務所のオペレーションに大きな影響・爪痕を残しているし、その影響でデロイトを除く3社は利益相反の観点から連邦政府の指示でコンサルティング部門を手放している。デロイトもコンサルティング部門をBraxtonってリブランディングして手放すって2002年には公表したんだけど、いろいろな理由で唯一セパレーションに失敗し、それが逆に後年功を奏し、コンサルティング部門のプレゼンスでFirmが大きくなっていくことになる。万事塞翁が馬だね。
ちなみに米国の最高裁は自らの裁量によって上訴を受理するか否か決めることができるシステムになっていて、最高裁に上訴されてくる年間ザックリ5000件のうち、100件未満のケースしか受理しない。アンダーセンのケースが受理されたのは、それだけでも珍しい展開。受理された段階で、下院の判断を追随することはないだろうって大体想像できたけど、蓋を開けてみると9対ゼロの判決だったのでチョッとビックリ。最高裁の判決って大概5対4では?、ってイメージが定着してる感があるけど、実際には今日のようなハイパーポリティカルな環境下でも半分近いケースが9対ゼロらしい。いずれにしても、9対ゼロっていうことは米国司法界の最高の知見が全員一致でシロ判断したことになる。そんな最終結果ではあるんだけど、2001年にアンダーセンが消滅してしまったことや、80,000人以上が一夜にして職を失ってしまったことに変わりはない。
このアンダーセンやその後の複数の起訴、特にエンロン絡みの事件に関して、その裏事情をを実名、しかもトップ中のトップの重鎮たち、入りですっぱ抜いた本が出版されてて、僕も会計事務所に勤務し、また米国で法律に従事する立場から、興味深く読んだことがある。こんな刊行を敢行(駄洒落?)して、正義感溢れるのは分かるけど、随分と怖いもの知らずの凄い弁護士がいるんだな、程度の感想を持ったのを覚えてる。
大統領選挙の話ししてたのに、なんでエンロンやアンダーセンの昔話してんの、って思ったかもしれないけど、選挙結果の無効を主張して各州に訴えを起こした弁護士の一人が他でもない彼女だったから。え~、またこんな物議をかもすというか無謀なことして、今度こそ命は大丈夫?って思ったけど、ご本人的には何か信念あってのことなんだろうか。で、結局、最高裁判所を含む裁判所は、こんな物議をかもすこと必至の判断を委ねられてはたまんないと考えたのだろうか、実際の審理に至らぬ前に、Standing(当事者適格)やLaw School出てから実際には聞いたことがなかったLatches(出訴遅滞)とかのいわゆる法的なTechnicalityを駆使して門前払いしている。
バイデン政権の政策
で、とりあえずそんな経緯はあったとはいえ、20日に正式誕生したバイデン政権。バイデン政権の米国税務、グローバルコンセンサスや通商に対する立ち位置はどんなものだろうか。米国のポリティクスはDeepなので話し出すときりがなくて新年早々脱線気味だったけど、次回はもう少しタックスポリシーにフォーカスしてみるからよろしく!
2020年はCARES ActでTCJAにひとひねり
2020年後半はアメリカ大統領選挙の顛末フォローや、2020年内に公表されたクロスボーダー課税がらみの財務省規則、等のキャッチアップに明け暮れてしまい、気づいたらもう1月も後半。アマデウス・モーツァルトの誕生日が目の前だ。WFHも既に一年近くなり、曜日とか過ぎていく時の感覚とか麻痺してることもあり油断してるとすぐに月日が経ってるんでビックリ。米国タックス的には、TCJAの地殻変動インパクトが続く中、2020年はさらにCARES Actっていう「ひとひねり」があったんで、これら全てを正確に適用しないといけない日本企業米国現地法人2020年3月期の申告書作成負荷は高く、いかに至難なるかはコンプライアンスに費やす所要時間が物語る。これって愚痴、それとも言い訳(?)。
大統領選挙
数日前に究極のDCインサイダーかつ生涯ポリティシャンのバイデン政権始動。アメリカ大統領選挙はいろいろあったけど、ようやく無事にバイデン政権が始動している。選挙に関しては当初いろんな報道が交錯してたけど、チョッと変わった人物が登場してきてますます「聞きしごとまこと奇し」状態となりついつい深堀りしてしまった。古文や漢文、苦手教科だったんで、用語の使い方変だったらゴメン。要はミステリアスになった、ってこと。果たしてその人物とは誰か?
その人物の話しをするには時計の針を20年ほど戻す必要がある。今は昔、2001年10月にエンロン・スキャンダルが飛び火して、Big 5会計事務所の中でも最高のReputationを誇っていたアンダーセンが倒産してしまい、その後のBig 4体制に移行して今に至っている点は業界に身を置いてなくても覚えてる方も多いだろう。アンダーセンは司法省に「起訴された段階」で上場企業の監査業務を提供できなくなり、他の訴訟もあり即倒産してしまったんだけど、その後、一審、控訴審では起訴処分に準じて有罪判決が下されたものの、4年後の2005年、最高裁判所が9対ゼロで無罪を確定している。法的になぜ無罪だったのかは「ARTHUR ANDERSEN LLP V. UNITED STATES 544 U.S. 696 (2005)」で、当時の主席判事Rehnquist(ストライプのローブ姿が懐かしいね)が端的な判決文を書いてくれているんで、興味がある方は読んでみるといい。
エンロン、アンダーセン、そしてその後のSOXは今でもBig 4会計事務所のオペレーションに大きな影響・爪痕を残しているし、その影響でデロイトを除く3社は利益相反の観点から連邦政府の指示でコンサルティング部門を手放している。デロイトもコンサルティング部門をBraxtonってリブランディングして手放すって2002年には公表したんだけど、いろいろな理由で唯一セパレーションに失敗し、それが逆に後年功を奏し、コンサルティング部門のプレゼンスでFirmが大きくなっていくことになる。万事塞翁が馬だね。
ちなみに米国の最高裁は自らの裁量によって上訴を受理するか否か決めることができるシステムになっていて、最高裁に上訴されてくる年間ザックリ5000件のうち、100件未満のケースしか受理しない。アンダーセンのケースが受理されたのは、それだけでも珍しい展開。受理された段階で、下院の判断を追随することはないだろうって大体想像できたけど、蓋を開けてみると9対ゼロの判決だったのでチョッとビックリ。最高裁の判決って大概5対4では?、ってイメージが定着してる感があるけど、実際には今日のようなハイパーポリティカルな環境下でも半分近いケースが9対ゼロらしい。いずれにしても、9対ゼロっていうことは米国司法界の最高の知見が全員一致でシロ判断したことになる。そんな最終結果ではあるんだけど、2001年にアンダーセンが消滅してしまったことや、80,000人以上が一夜にして職を失ってしまったことに変わりはない。
このアンダーセンやその後の複数の起訴、特にエンロン絡みの事件に関して、その裏事情をを実名、しかもトップ中のトップの重鎮たち、入りですっぱ抜いた本が出版されてて、僕も会計事務所に勤務し、また米国で法律に従事する立場から、興味深く読んだことがある。こんな刊行を敢行(駄洒落?)して、正義感溢れるのは分かるけど、随分と怖いもの知らずの凄い弁護士がいるんだな、程度の感想を持ったのを覚えてる。
大統領選挙の話ししてたのに、なんでエンロンやアンダーセンの昔話してんの、って思ったかもしれないけど、選挙結果の無効を主張して各州に訴えを起こした弁護士の一人が他でもない彼女だったから。え~、またこんな物議をかもすというか無謀なことして、今度こそ命は大丈夫?って思ったけど、ご本人的には何か信念あってのことなんだろうか。で、結局、最高裁判所を含む裁判所は、こんな物議をかもすこと必至の判断を委ねられてはたまんないと考えたのだろうか、実際の審理に至らぬ前に、Standing(当事者適格)やLaw School出てから実際には聞いたことがなかったLatches(出訴遅滞)とかのいわゆる法的なTechnicalityを駆使して門前払いしている。
バイデン政権の政策
で、とりあえずそんな経緯はあったとはいえ、20日に正式誕生したバイデン政権。バイデン政権の米国税務、グローバルコンセンサスや通商に対する立ち位置はどんなものだろうか。米国のポリティクスはDeepなので話し出すときりがなくて新年早々脱線気味だったけど、次回はもう少しタックスポリシーにフォーカスしてみるからよろしく!
コメントを追加