今日は記事を取り上げます。
The Wall Street Journal Small Investments with Major Returns
ここには利回りが98%から1000%まで、さまざまな小さな「投資」が載っています。最初に紹介されているのはパン焼き器。お店で買うのと比べると1週間で$4の節約で1年間に$208。1台$55なら280%の利回りというわけです。この計算をROI(Return on Investment=投資収益率、投資利回り)として紹介しています。
この計算は理屈の上では正しいし、企業経営などではROIは重要な指標です。しかし、それを個人の生活に当てはめると、どうもしっくり来ない気がしませんか?私はいくつかの点で、実際に人に勧めるときには注意しないといけないなと思います。
- 不要な「投資」をしてしまう場合がある
- 節約と利回りは違う
- 現実と計算が違う
誰でも使われなくなった調理器具の話を聞いたことがあると思います。記事で取り上げているパン焼き器はずっと使えば良いでしょうが、面倒くさがりの人には向いていないでしょう。
企業経営では節約=利益の増加でROIの計算が出来ますが、個人生活ではどうも同じように考えられない場合があります。記事で紹介されているケーブルテレビのプレミアムパッケージをNetflixで代わりにするというのも、計算上は節約したことになります。しかし、Netflixでもあまり映画や番組を見なかったり、そもそもそこまでテレビを見る必要があるかなども考えるべきだと思います。
$4のコーヒーを毎日買う代わりに自分で作れば節約になる、という理屈はどこでも聞きます。1年で$1,000の節約になるという試算ですが、本当にそうでしょうか?計算のベースは週5回、1年で52週間ずっと買い続けることが仮定されています。あまり現実的ではないような気がします(NYCなどで働く人には日常かもしれませんが)。記事ではコーヒーメーカーが$20(おそらく一番安い機種でしょう)、コーヒー豆が$60(1年間で)とこれもチープなものを選ぶことが前提となっています。
記事の中で一番まともに思えた「投資」は携帯電話をプリペイドにするというものです。これなら必要ですし、実際の節約になり、計算も現実と合うと思います。
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