元本割れリスクを回避するためには既にご紹介した米国債が使えます。今日はさらに、あまり一般には知られていない、比較的安全な投資先をご紹介しましょう。
Pre-refunded muni bonds
Muni bond(地方債)は州などの自治体が発行する債券です。州が発行する債券は一度も債務不履行になったことはなく(郡はありますが...)、かなり安全です。さらに安全なのは州が既存の債券を期限前に償還(call)する際に発行するPre-refunded muni bondです。Pre-reとも呼ばれるこの債券は、高い利息で発行してしまった債券を期限前に償還したい自治体が発行します。利息が高いので繰り上げ返済してしまうのです。
自治体は繰り上げ返済したくてもいつでも自由にできるわけではありません。償還できる期限よりも前の場合は、一旦お金をEscrow口座に入れ、そのお金で償還すると約束してしまいます。そうすることで自治体はその債券を償還したのと同じことになります。
償還のために使うお金はどこから来るかというと、自治体がPre-refunded muni Bondという新しい債券を発行し、そのお金で米国債を買い、それをEscrowに預けます。米国債で支払いが保証されるので安全といえます。
ただし、Escrowでお金を保管するために使われるのがいつも米国債とは限りません。Fannie Maeなどの政府「系」機関が発行した債券の場合もあるので注意が必要です。
Stable-Value Fund
Stable-Value Fundは基本的には短期から中期(数年まで)の償還期限を持つ債券ファンドです。保有するのは格付けが高く元本割れが起こりにくい債券を保有します。さらに「保険」契約により元本割れが起こらないようにしています。この仕組みは債券の利回りが良いときはその分高い利回りを得ることができ、最悪でも元本割れは起こさないので安心です。
ただし、非常に稀な例(であって欲しい)としてLehman Brothersが破綻したときは元本割れが発生しました。通常は元本を保証する保険があるので大丈夫なのですが、Lehmanの場合は破産で保険が無効になってしまい、元本割れが発生したようです。
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