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金融危機とヨセミテ国立公園に思うこと

Nobu

カリフォルニアのヨセミテ国立公園は壮大な自然の中にあります。1日観光で行くとヨセミテ滝をヨセミテバレーを中心とするヨセミテバレーしか見ることが出来ませんが、時間があれば南のMariposa Groveから北のTuolumne Meadowsまで、広大な森林で自然に触れることが出来ます。

山火事の役割

この広大な森林を通り抜ける時に、ところどころ山火事の後が目に付きます。私が始めてヨセミテに行った当時は(10年以上前ですが)荒涼とした景色が広がっていたものです。今ではかなり草木が生えてきて、森自体が再生して元気になっているのが分かります。

山火事は大変なことですが、森にとって必ずしも悪いことではないようで、余計な下草を燃やしてくれるので日当たりが良くなったり、強い木が残って森が豊かになるそうです。さらにジャイアントセコイヤという木は山火事がないと世代交代ができないそうです。地面に落ちた松ぼっくりは何年も発芽することなく山火事のチャンスを待ち、火事になると熱でかさが開いて種子が飛ぶ仕組みになっているそうです。何千年もの長い目で見れば、山火事も自然の一部で、森はそれに対応した生態系を作っていると言えます。

金融業界の山火事

今、世界の金融業界に起こっていることも、ヨセミテの森に起こる山火事と同じことではないでしょうか?火事は瞬く間に広がり、「燃えやすい」つまりリスクの高いビジネスをしている企業を根こそぎ、燃やしていきました。今の金融業界を見れば、どこもいまだに火がくすぶって燃えていて、業界はその火消しに躍起になっていると言えます。

これからもうしばらく火は燃え続けるでしょうが、その後は、もしかしたら森が再生するように金融業界も新たな世代に再生していくのかもしれません。そうなったら、強い企業だけが残り、また松ぼっくりのかさを割って出てくるように新しい企業が発芽して育っていくでしょう。

こう考えると、何十年かに一度の金融危機も競争力のない企業を一掃してくれる重要な役割を担っている気がしてきます。山火事では大きい木も下草も一緒に燃えてしまいますが、それと同じように大企業も個人も一緒くたになって損失を出しています。何とか我慢して、経済が再生するときまでに燃え尽きずに生き残っていたいものです。

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