最近、クレジットカードの規制やルール変更に関するニュースが多い。多くは消費者保護のためということになっているが、その効果や消費者の反応は実際はどうなんだろうか。
新しい規制の概要
一番新しい動きの1つは、ほとんどの場合にペナルティの上限を$25にするというもの。何回も支払いが遅れる場合などは例外となるようだが、これで業界のペナルティはほぼ横並びになるだろう。
また、ペナルティはその原因となった金額を超えてはならず、同じ原因に対して繰り返して課せられることもなくなる。以前は、例えばMinimum Payment(最低支払い金額)が$20の時に$39のペナルティが発生するということもあったけれども、そういったことはなくなる。支払うまで何回も同じ手数料が課せられるということもなくなるそう。
さらにこの規制のおかげで将来問題になるかもしれない事項も防ぐことが出来るという。現在はほとんど存在しないのだが、カードを使っていない場合に休眠手数料(Inactivity Fee)のような形でカード会社が儲けることを防ぐことになる。手数料は原因となった金額を超えてはいけないのだから、カードを使わないだけでは原因となった金額は$0のままだからであろう。
実際の影響
こういった規制は一見、消費者のためのように思える。実際、自分がLate Feeを払わなければならなくなったら、$39よりも$25の方がいいに決まっているし、何かの間違いでわずか数ドルの支払い遅れで何十ドルも取られるのは感情的には気分が悪い。こういうのがなくなるのは良い事だろう。
ところがカード会社は手数料で儲けてきたので、今後は他の方法で消費者から金を取ろうとすることになる。ペナルティの金額が抑えられたので、ちょっとのことでもペナルティを取るように厳しくなる。例えば今までは数日の支払い遅れならペナルティを「見逃して」くれてた会社もあったのに、これからは1日でも遅れたら手数料を取る会社が増えるだろう。
カード会社は儲からない客をどんどん切っていくだろうから、休眠手数料を取られないと思って安心していたら、いきなり解約されるということもありえる。解約されてしまうとクレジットスコアが低くなってしまう場合もある。手数料が取られない=良いこと、とは必ずしもいえない。
結局、賢い消費者であっても規制が変わればそれに合わせて行動を変えなければならない。最初からきちんとカードを使える人にとっては手数料の多少は関係ないし、昔から持っているカードがいきなり解約されてしまう危険性が増えるのは迷惑な話。今回の規制強化はカードの管理がいい加減な人にはメリットが多く、今までしっかり管理してきた人には重荷になるのではなかろうか。
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