昨日WSJのこの記事を読んでいて気がついたんですが、
Retiring Boomers Find 401(k) Plans Fall Short
Vanguardのリタイアメント・プランのガイダンス方針が最近変わったんですね。
これまでは、会社のマッチも含めて年収の9~12%をリタイアメント資金に貯めましょうと勧めていたのを、今は12~15%の方が望ましいという路線になったようです。こちらで確認:
5 principles for getting on track for retirement
貯金パーセントを引き上げた主な理由は
1.株式の長期リターンが伸びない可能性を考慮
2.将来のSocial Security Benefitと老後医療費自己負担額の不確実性
だそうです。
私がずっと昔401Kを始めた頃はまだ皆が株の長期リターンを高めに見積もっていた時代で、マッチを入れて9%が標準的で、11%入れられれば上出来といったガイダンスが多かったように覚えています。ドットコムバブルが崩壊した時点で、13%が理想的といった声が出てきて、今度はとうとう15%。
この12~15%という数字はこの掲示板に来られる方達にはそれほど高いとは思えないかもしれませんが、アメリカのミドルクラス一般にとってはかなり高いターゲットかと思います。Vanguardでリタイアメント口座を持っている人たちの間でもマッチ込みで9%というのが一番多いらしい。
WSJの記事は、401Kを利用してリタイアメント準備をしてきたミドルクラスのベビーブーマー世代がリタイアする年齢になったものの、リタイアメント資金が圧倒的に足りない、という内容でした。マッチ込みで9%という標準割合でリタイアメント資金入れてきた人でも、レイオフや株市場のクラッシュなど計算外の事態が出てきて60代になった今リタイアメント資金が不足という例も出ています。
蛇足ですが、この記事で60~62歳の人が$149,400のお金をImmediate Annuityに入れたら、年間配給額は$9,073という数字が出てますね。レートにして年6%そこそこ。これは標準的なレートなのでしょうかね? 自己資金からのWithdrawal Rateが標準的に年4%と言われてます。どちらも、リタイアメント・プランニングの鍵になるレートですが、これらも株や債券のリターンに影響されると思うので、これからも見守っていこうと思います。
Re: Vanguardのリタイアメント・プランのガイダンス
Nobu 2011/02/20(日) - 19:03この記事、私も興味深く読みました。401kを企業が年金の責任を従業員に押し付けるものであるとちゃんと認識していますね。収入の12~15%というのも、現状を考えれば最低限必要な数字と言われても驚かなくなりました。確かに高い数字と言えますが、この記事に書いてある通り、リタイアできると思った歳になってもリタイアできないのとどちらがマシかと言うことになりますよね。
アメリカにしても日本にしても、我慢比べで耐えた人は少しはマシな老後を送れる、我慢できずに使ってしまった人は老後に苦労する、という構図になってきたような気がします。
Re: Vanguardのリタイアメント・プランのガイダンス
久美(ゲスト) 2011/02/21(月) - 14:16Nobuさんの
>アメリカにしても日本にしても、我慢比べで耐えた人は少しはマシな老後を送れる、我慢できずに使ってしまった人は老後に苦労する、という構図
というのには同意します。
リタイアとは違いますが、アメリカの場合、多少アグレッシブに仕事をしないと(いい条件があれば社内・社外にかかわらず、どんどん仕事を追い求めないと)人並み以上の生活が出来ないと実感しています。だからアメリカ人は転職が盛んだし、エクゼクティブといわれる階層は、転職者が多いのかなという気がします。事業の再編成などで、所属部署が統廃合されたりする危険性も常にありますしね。
Re: Vanguardのリタイアメント・プランのガイダンス
ポピー(ゲスト) 2011/02/22(火) - 02:50>Nobuさん
>アメリカにしても日本にしても、我慢比べで耐えた人は少しはマシな老後を送れる、我慢できずに使ってしまった人は老後に苦労する、という構図になってきたような気がします。
自己責任の老後プランニングだと、どうしてもそういう格差はできるんでしょうね。日本でも貧困世帯の半分は老人世帯だそうです。
アメリカの税法だとSaverが優遇されずに馬鹿を見ているような気分になるんですが、こういう話はいつかは大きな差が出るんだと自分を説得する材料にしようと思います。
1.「節約・貯金してちょうとよかった。」
2.「節約・貯金しなかったから、後悔している。」
という声はよく聞くけど、
3.「節約・貯金して後悔している。もっと楽しめばよかった。」
という声はほとんど聞きません。
VanguardのCEOも3の後悔よりも2の後悔の方が何倍も苦痛だから、安全路線で行くのが良いという説明をしています。こういう保守姿勢は色んな所で出てきそう。
>久美さん
アメリカの場合、多少アグレッシブに仕事をしないと人並み以上の生活が出来ない
本当にそうですよね。
カリフォルニアの都市部みたいに、生活費が高くてお金持ちも多い所だと(私の住んでいる所もそうです)、周りの人たちが皆自分以上に高い生活レベルを享受しているような錯覚に陥ったり、「人並み」の基準もどんどん上の方に吊られていくような気がします(無意識のうちに上だけを見ているんでしょうが)。
私は怠惰な性格なので、人並みでなくてもいいや、自分が満足できればと・・・(笑)、今や諦めの境地です。こればっかりは上を見てるとキリが無いですから。
Re: Vanguardのリタイアメント・プランのガイダンス
久美(ゲスト) 2011/02/22(火) - 19:26ポピーさん、
>3.「節約・貯金して後悔している。もっと楽しめばよかった。」
確かにこのような声は、私も聞いた事がありません。これからの経済の不透明さを考えると、ますますFi的には、1.の行動をするべきなのでしょうね。
>周りの人たちが皆自分以上に高い生活レベルを享受しているような錯覚
これは以前こちらでも取り上げられたシカゴ大学の教授のブログと同じですね!我が家は、教授ファミリーのように高学歴でも高所得者でも何でもないですが、この間違った?錯覚に陥りそうになります。
アメリカの都市部って(NYとかLA)どうしてあんなにイケイケ?なんでしょう。私はSan Diegoですが、やはり回りは派手というか華やかにお金を使っています。私の勤め先のパーキングを見ると、ここはラスベガスの高級ホテルか!?というぐらい高級車が止まっているのを見ると、私が一番給料安いんじゃ・・・という錯覚?(と言っても本当にまだペーペーですが)に陥ります。。。でも同僚のアメリカ人も、いつも「お金が無い、お金が無い~!」と文句を言っているので(CPAのくせに)、あまり貯金せずに使っているんでしょうね。
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