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ETFの仕組み

ETFとは?

Exchange Traded Fund (ETF=上場投信)とは、株のように取引されているMutual Fund(投資信託)と思えば分かりやすいです。ETFは全体として決まった数の株を保有し、Fund自体を債券化して市場で取引できるようにします。 ETFはそのほとんどがIndex Fundになっています。指標となるIndexはS&P 500、NASDAQ100、Wilshire 5000 などさまざまです。また、Bond Indexを指標にしたBond FundのETFも最近、取引が開始されました。いずれの場合もIndexという、公開された情報を元にFundを作っています。

ETFとMutual Fundの違い

Mutual FundとETFの一番の違いはMutual Fundは1日の取引終了後に価格が決まり、その価格で売買されますが、ETFは株のように証券取引所で絶え間なく取引される事です。この特徴のため、ETFはMutual FundではできないLimit Order(指値注文)ができます。また、株と同様に取引されているので、Short Sell(空売り)やMargin Purchase (信用取引)などもできます。 Mutual Fundは資金の増減に応じて、株を売り買いします。誰かがMutual Fundを買えば、その分資金が増えるので株を買い足し、誰かが売れば、その人に現金を渡さなければいけないので、株を売ります。それに対してETFは最初に株をまとめて保有し、その後は売り買いしません。ETFを買うと言う事はETFが保有する株全体の一部分を保有しているのと同じ事です。株の売り買いをしませんから、ETFの価格はその保有株の変動で決まります。

ETFの利点

ETFの利点は、主に株をほとんど売り買いせずに、ずっと保有する事によって発生します。まず第1の利点は、株を売り買いしませんから、手数料が掛かりません。また、どの株を売るか買うか、という判断も必要ありませんから、管理が楽で、管理費が掛かりません。つまり、一度ETFを作ってしまえば後は放っておいてもいいのです。そのため、経費(Expense)が低く抑えられます。Expenase Ratioを比べてみれば、ETFは0.2%以下のものがあり、普通のIndex Mutual Fundよりもさらに投資効果が高くなります。 ETFは節税効果も高くなります。Index FundはもともとTurnover Rate(株を売り買いする比率)が低いため、Capital Gainの発生が抑えられます。そのため、Capital Gain Taxも少なくて済みます。しかし、いくらIndex Mutual Fundでも、Fundから引き出す人がいれば、株を売らなければならず、Capital Gainが発生してしまうことがあります。それに対してETFは、ETFを売る投資家は市場で他の人にETF自体を売ることになり、ETFが保有している株の売り買いは発生しません。そのため、不必要なCapital Gainが発生しませんから、その分、税金を低く抑えることができます。

ETFの欠点

ETFの欠点は、あえて言えばその利点のために発生する、といって良いでしょう。ETFは経費が低い代わりに、証券取引所で取引され、購入/売却には証券会社への手数料が発生します。株の取引と同様に手数料が掛かるわけです。 取引手数料が掛かるため、小額の投資には向いていません。$1000分のETFを買って、$25の取引手数料が発生すれば、2.5%の経費が掛かったことになります。これでは折角の Low Expense Ratio が無駄になってしまいます。同様に毎月一定額を投資していく方法、Dollar Cost Averaging にも向いていません。毎月、投資するたびに手数料が取られるからです。こういった場合はAutomatic Investmentなどができる従来のMutual Fundが良いでしょう。 ETFは証券取引所で普通の株と同様に取引されていますから、Short Sell(空売り)など、株と同じ取引ができます。これは利点ともいえますが、そのためにETFを短期的な投資(投機)として使う人が多いのも事実です。ETFはExpense Ratioや節税効果など、長期的に保有したときのメリットが多いのですから、株の短期取引と同じに扱うのはどうかと思います。

ETFの投資スタイル

上記のような特徴から、ETFが向いている投資スタイルが見えてきます。まず、長期間、ずっと保有することがETFの利点を引き出す一番の方法でしょう。低い経費、節税効果を活かせます。また、ETFはリタイアメントプランの外で運用したほうが良いでしょう(つまり、普通の投資)。リタイアメントプラン(RothIRA以外)は引き出す際にOrdinary Income Taxが掛かりますが、普通に運用した場合は値上がり分はCapital Gain Taxになります。Capital Gain Taxは20%ですから、こちらのほうがOrdinary Income Taxを取られるよりも有利でしょう。 ETFを購入するのは、取引に株と同様の手数料が掛かることから、大きな額をまとめて投資し、その後は長期間保有する場合に向いているでしょう。最低でも$1000(手数料が$25なら2.5%)、できれば$10,000以上を目安にしましょう。投資期間は最低でも5年以上、リタイアまで時間のある人は、リタイアが近くなりまでずっと保有しているのも良いでしょう。