英メジャー(国際石油資本)BPの油田の爆発事故による影響で漁業にも大きな影響が出ている。ルイジアナ、ミシシッピ、アラバマの3州は漁業災害地域に指定された。漁業関係者へのBPによる補償も始まっている。
この補償を得るにはBPに漁業許可証、住居を証明するもの、そして過去の収入を証明するものとして税金の記録、一般的には確定申告を提出する必要がある。普通に考えればいたって単純な書類なのだが、これが漁業関係者にとって困惑の元になっているという。
どういうことかというと、漁業では往々にして「現金」の受け渡しで仕事をすることが多く、収入として申告していないという。だから確定申告の金額が実際よりも低かったり、確定申告をそのものをしていない人が多い。だから補償を得ようにも収入を証明できないという。
BP側は確定申告以外の方法で収入を確認することも検討しているようだが、それでもBPがIRSにその情報を渡すのではないかという懸念があるという。さらに漁師の中には「BPは地元の”文化”を尊重して(確定申告を)要求するべきではない」という人さえいるよう。また、「保証金がもらえれば過去の確定申告ができる」と、卵が先か鶏が先か、みたいな議論をする人もいる。
Los Angels Times The fishermen and the tax man
原油流出の被害は単に漁業への影響だけではないしBPはその責任を免れることは出来ないが、だからといって今まで脱税してきた人へどこまで配慮をするべきなのだろうか?あるいは、これは「確定申告をちゃんとしてないと、こういう風にしっぺ返しがくるんですよ」という好例として取り上げられるようになるのだろうか。
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