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住宅保有時の税金

住宅を保有していると、保有しているために課税されますが、逆に控除という形で税額を下げる効果がある、という2つの側面があります。

固定資産税

住宅を保有すると、所有者に対して固定資産税が課せられます。固定資産税は市などが徴税しますが、住宅ローンがある場合はローン会社がEscrowから支払います。そのため、通常は自分で固定資産税を直接払う必要は無く、毎月のローン支払いに含まれる形になります。 固定資産税は評価額によって決まり、評価額が高いとその分、税金も高くなります。評価額は実際の売買価格とは普通は一致せず、それよりも低く設定されている場合がほとんどでしょう。しかし、家が売り買いされるときに、実際に買った額に評価額が変更される場合があるので注意してください。例えば、前の所有者が家の価値が低いときに購入した場合、評価額も低く、その後も評価額は市場価値ほどは上昇しません。そのため、固定資産税は低くなります。しかし、その家を買った場合、その購入価格で評価額が決まり、急に固定資産税が高くなることがありえます。家を購入するときは、評価額がどのように決まり、固定資産税がどのようになるか、あらかじめ計算しておくとよいでしょう。

固定資産税の控除

固定資産税は地方税ですので、連邦レベルでは控除の対象となります。つまり、地方税として払った固定資産税に対して、連邦税は課されないことになります。Tax Returnの際はSchedule Aに記入することになります。 固定資産税は、実際に払った年に控除することができます。例えば、12月に受け取った固定資産税の請求書を、12月中に支払えばその年に控除し、1月になってから支払えば次の年に控除することになります。これを利用してある年は前の年の請求を1月に払い、同じ年の12月にその年の固定資産税を払うことで、1年の確定申告で2年分の固定資産税を計上することができます。次の年は固定資産税は払わず(前年の12月に支払済み)、さらにその次の年に同じことを繰り返し、隔年で払うようにすれば、控除を1年おきに集約することが出来ます。控除を集約すれば、そのままだと標準控除しか使えないような人でも、項目別控除で節税することができます。 ただし、上記の「固定資産税」の通り、通常は固定資産税の支払いは毎月のローン払いに含まれています。控除できるのは、Escrowから支払われた年で、自分がローン返済と一緒に払った年ではありません。そのため、控除する場合はローン会社の明細で、いつ、Escrowから固定資産税が払われたか確認する必要があります。もし、ローン会社に依頼し、固定資産税は自分で払うことに出来れば、上記の隔年払いの節税方法を使うことが出来ます。

住宅ローンの利息

住宅ローンの利息も控除することが出来ます。そのための条件は、ローンの借り入れ金額が$1,000,000までで、家が担保になっていること、自宅、もしくは別荘(Second House)として使用していることなどがあります。これらの条件が満たされれば、その年に払ったローン利息が控除できます。その年に支払ったローン利息はローン会社がForm 1098として送付してきますので、それで金額を確認することが出来ます。 ここで注意しなければならないのは、控除できるのは利息払いのみで、毎月の返済額全額ではないと言うことです。住宅ローンの特徴で解説したとおり、ローン返済のうち、最初の頃は利息がほとんどですが、年とともに元本返済部分が増えていきます。元本の返済は控除にはならないので、仮に固定金利ローンでも、毎年控除できる金額が減っていきます。家を買うときに「住宅ローンは控除になるから節税になる」という話をしますが、控除は利息のみで、その額は毎年減っていく、ということを忘れないようにしてください。

住宅ローンのポイント

家を買う際に、住宅ローンの経費として「ポイント」を払う場合があります。ポイントを払うとその分、利率が低くなり、結果として利息が少なくなります。税法上ではこれは「利息を前払いした」という扱いになり、家を買ったその年に払ったポイントの全額を住宅ローンの利息として控除することが出来ます。 ただし、同じ住宅ローンのポイントでも、借り換え(Refinance)した場合は、全額控除になりません。返済期間で平均して控除していく必要があります。

Home Equity Loan

家を担保に借りるローン、Home Equity Laonの利息払いも控除することが出来ます。そのためには、ローンの借り入れ金額が$100,000であること、家を買うために借りたローン(First Mortgage)を含め、ローン借入額の合計が家の価値を超えないことが条件になります。この条件を満たしていれば、借りたローンをどのように使っても構いません。 家を買うときに、80%を普通の住宅ローンで借り、頭金を払っても足りない分、例えば10%をSecond Loanとして借りる場合もHome Equity Loanと呼ばれる場合があります。また、買った家を増改築する場合に、Home Equity Loanを借りる場合もあります。これらの場合は、住宅取得のための借金(Home Acquitision Debt)として扱われ、上記の住宅ローンの利息の条件を満たす限り、利息の全額が控除できます。