モーゲージ(住宅ローン)のレートがここ50年で最低だとか。2年前に30年固定のレートが5%を切ったときにリファイナンスしたので、ちょっとやそっとのことでは食指が動かなかったのだが、5/1 ARMで2.75%などというのを見てしまったので、ちょっと胸がドキドキ。最近の頭がクラクラするようなマーケットを見ていると、windfallを安全に運用する場所というのが思い浮かばず、それならモーゲージを何とかできないかと考えたのが事の始まり。世間一般ではサブプライム危機以来30年固定信仰がものすごく強くなり、ARMを借りるのは危険すぎるという声もあるが、2.75%という数字が気になっていくつかのシナリオで計算してみた。最初のローン額は適当。グラフをクリックすると大きくなります。
シナリオ1(赤線 実線は支払った利子の合計、点線はローン残高)
現状
年利5%、30年固定で200,000ドル借りたとすると、月々の支払い額は1,073ドル、30年間に払う利子総額は186,511ドル。
シナリオ2(オレンジ線)
Windfall(棚からぼたもち)
ここで5年目にボーナスとか宝くじが当たったとかで思いがけず100,000ドルが手に入ったとする。
元のローンに一度だけ追加で90,000ドル(その時点でのローン残高の約半分)払うと14年でローン完済、その間に払う利子総額は71,059ドル。
シナリオ3(青線)
リファイナンス
しかしその90,000ドルを追加してローン残額を減らし、残りの部分を2.75%でリファイナンスすると借り換えたときのローン額は約94,000ドル。
月々の支払いは383ドルと非常に少なくなるが、完済するのは(最初から勘定すると)35年後、その間に払う利子総額は92,208ドル(これは2.75%の年利が続くとしての計算)。ただし月々の支払いを低く抑えて、残ったお金を投資に回すとすれば、(最初の5年は)2.75%を上回るリターンを出せば「勝ち」なので、これは達成できない目標ではないはず。リファイナンス後5年くらいで引っ越す予定ならARMのリセットは心配ない。
シナリオ4(緑線)
リファイナンスするが、毎月、前と同じだけ払い続ける
毎月、以前と同じ1,073ドルを払い続ければ借り換え後8年(最初から計算すれば13年)で完済、利子総額は最初の5年間と借り換え後の合計が59,105ドル。たとえ5/1 ARMでも、5年目に利率がリセットするときの残高は39,000ドル程度なので、利率が低ければローンを続け、高ければその時点で完済することも不可能な額ではない。
実際はこれに税金だとかリファイナンスの費用とかが入ってくるので、この数字だけで比べることはできないが、まあ大雑把なところとしてはこんなものだろう。
シナリオ2と4を比べると、利子総額の差は1万ドルくらいだが、リファイナンスした場合、最低支払い額がうんと低くなるので、キャッシュフローにフレキシビリティが生まれるのは魅力。(それを無駄遣いしなければ、の話だけど。)5年後に引っ越すつもりなら、シナリオ3に従って余剰のキャッシュフローをせっせと貯蓄して次の家の頭金を貯め、ずっと住むつもりならシナリオ4に従って、5年後完済を目指すというところか。「5年後に引っ越すつもりなら、余計なことせずにwindfallをじっと持ってたらいいじゃない」という考えもあるだろうけど、今のCDやセービングの利率でキャッシュをじっと持ってるというのは、それはそれで忍耐力が要る。貯蓄(キャッシュ)が減ると、「また貯めなきゃ」という意欲が湧くという理由もあるし。
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