アメリカでは誰でも確定申告をして、もし税金を払いすぎた場合はRefund(還付)を受け取ります。税金を払いすぎるのは政府に無利子でお金を貸してあげていることになるから、出来るだけ避けるべき、という記事がよくファイナンス関係のウェブサイトに書かれています。
例えばこれ↓
http://www.smartmoney.com/taxes/income/dont-lend-uncle-sam-money-15684/
でも、本当にそうでしょうか?私は主に「面倒」という理由である程度多めになると分かっていても払い続けています。多く払いすぎても構わない、あるいはむしろ良いと思える理由を挙げてみました。
- 調整が面倒
- 計算しようがない
- 無利子で貸しても別に構わない
- ペナルティを払うリスクがある
- 貯金の代わりになる
- Savings Bondの証券を手に入れられる
上の記事でも書いてあることですが、W-4を出せばいつでも源泉徴収(Withhold)される金額を変更することが出来ます。しかし、W-4では税額を指定するのではなく、Number of allowances(控除の点数とでも意訳すればいいのでしょうか)を書くだけです。この数字を決めるのは配偶者や子供がいるかとか、Head of Householdかとか、簡単な8つの項目だけです。しかしこれでは正確な税額とはほど遠い金額にしかなりません。さらに細かく計算する方法もあるのですが、はっきり言って面倒です。それなら適当な数字(過去の経験から多めになると知っている)を書いておいて、どうせやらなければならない確定申告(Tax Return)で精算すれば良いことです。
W-4ではNumber of allowances以外にも自分で税額を決めて「これだけ多めに払います」と言うことが出来ます。これを使えばかなり正確に自分が払う税額を決めることが出来ます。しかし、そもそもいくら税額を払えば良いのか、その年が終わるまで確定しません。給料が一定で、ボーナスもなく、投資もせず(投資をしているといくら儲かるか分からない)、項目別控除もなく、法律が変わっても全く影響ないような人は、もしかしたら良いかもしれません。でも実際には多くの人が年の途中で税額が変わるようなことに遭遇します。リタイアメントプランへの拠出金額を変えたり、IRAをRoth IRAにコンバートしたり、ファンドを売ったり、銀行利息が付いたり、仕事を変わったり、家を買ったり、と例を挙げればきりがありません。そのたびに税額を予測するのはほとんど不可能です。しかも、途中で政府が法律を変えたりすれば自分のコントロールが及ばない範囲で税額が変わります。計算しようがないのに、ぴったりに調整するのは最初から無理と思ってしまいます。
今は低金利時代。どうせ銀行に預けても大した利息はもらえません。それなら政府に少しぐらい、無利子でお金を貸すことになっても良いじゃないでしょうか。Opportunity Costが低いと言えます。
政府は都合がよいもので、払いすぎても利息を付けてくれないのに、納税額が不足しているとペナルティ(利息)を取ります。利息を取られるくらいなら払いすぎて後で返してもらった方がマシです。ファイナンス的に考えるとOpportunity Costが低い場合、Riskを取るのは損という感じでしょうか。
銀行に自ら預けるのが苦手でも、税金で取られるのは仕方ないと思う人は多いと思います。手取りで考えた方が楽です。無利子とは分かっていても一番楽だからお金を貯める手段として意図的に多めに源泉徴収してもらうという人もいるでしょう。ファイナンス的には良いこととは言えないかも知れませんが、貯めないよりもマシです。
これは掲示板で通りすがりさんが書かれていた情報です。Savings Bondは今は全てオンラインですが、Tax Returnでのみ、I-Bondの紙の証券を実際に手にすることができます。Tax Returnで購入する場合だけ年間の上限額よりも$5,000多く買えるのですから、出来るだけたくさんI-Bondを買いたい人は、多めに税金を払って買うしかありません。
半分言い訳のような理由も書きましたが、余程Refundが多くなりすぎない限りは、ちょっと多めになるのも仕方ないと思っています。
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