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NFL選手の78%がお金に困る!?

ポピー

アメフトの元プロ選手Warren Sappが自己破産したニュースで、こんな統計小話が出てきて耳を疑った。

アメフトのプロ・リーグ、NFL選手の78%が、リタイア後2年以内に自己破産もしくは経済的困難に陥っている

バスケットボールのプロリーグ、NBA選手の約60%は、リタイア後5年以内に金欠状態。

「嘘でしょ~」と思ったが、まったくの嘘でもないらしい。どうやらSports Illustratedのこの記事からの引用。まあ、こういう統計も、経済的困難(Financial Stress)や金欠状態(Broke)の定義によって大きく変わるんだろうけれど、それは説明されていない。

スポーツ選手が自己破産したり、金銭面で破綻する逸話は聞くことがあるが、こういう数字を見るとれっきとした現象で、これを主題にしたWikiページまである。

NFL選手の年収中央値は770K、NBA選手は$2.3ミリオン(平均値はこれらの倍ぐらい)。花形選手はその10倍以上稼ぐ。

NFLもNBAも、選手の平均年齢は27歳あたり。まだ若い内に多額の年収・富を得て、短期に使い切ってしまうという話。

資産を運用するにも、また所得額と将来を考えて的確な生活レベルを見つけるのも、本で学べるような知識だけでなく、親や周囲を見ながら学んだり、経験や試行錯誤から身に着けて行く、ノウハウのような要素がある。皆さんも初任給から手取り額、生活レベルや貯金額などの調整が落ち着くまでは、しばらく掛かった記憶があると思う。

これらスポーツ選手には低所得家庭出身の人も珍しくないし、大学では厳格に管理・監督・子守りされた生活を送った後、そういったお金に関するノウハウを持たないまま、突然、自由と名声と多額のお金の只中に放り込まれてしまう。

多額の給料が一生続くのだと錯覚して、贅沢をしてぱっと使ってしまう話は多数ある。しかし、これらプロリーグの平均選手生命は6年ほどで、高収入がいつまでも続くわけではない。故障・怪我で突如選手生命を絶たれることもあるし、リタイア後は誰もがコメンテーターのような第2のキャリアにスムースに移行できるわけではない。

夢のような年収・富と、夢にみた生活のバランスを取るのは意外に大変ということだろう。30歳になるやならずでリタイアして、それから何十年の生活をサポートしようとなると、常人のリタイアメント・プランよりもうんと難しくなる。

また、富と名声は悪質な人達を呼び寄せてしまうようで、親戚・親友・取り巻きの援助、詐欺や詐欺まがいの投資話、単純に悪い投資などで大金を失う話が後も絶たない。プロの助けを得ようとしても、知り合いのツテで性質の悪いプロに行き着いて、またお金を失ってしまうこともよくある。離婚も多く、弁護士費用・財産分与・扶養費・養育費といったもので、資産・収入が半減してしまうこともある。

このNew York Timesの記事にも出ているが、こういった選手のFinancial Planningの多くは、まず最悪シナリオ(例:怪我・故障で明日選手生命が終わったら・・・)を想定することから始まる。プロになるまでは、ひたすら自分を信じ、自分の可能性を最大限まで引き上げることに専念してきた選手にとって、そういったFinancial Planningのアプローチは、発想の逆転で意外と難しいのかもしれない。(話が横にそれるけど、アメリカの会社の営業部門でも、「将来の心配なんて自信の無い奴のすることだ」みたいな雰囲気で、バリバリ稼いでぱっと派手に使ってしまう人達を時々見かける。あれも、一種のサブカルチャー?皆さんの周囲ではどうですか?)

NFLや選手協会もこの問題を認識して、選手のFinancial Educationセミナーに力を入れたり、選手に関わるファイナンシャル・プランナーやアドバイザーを前もってスクリーンなどしているようだ。選手のベネフィットの一部として、ファイナンシャル・プランナーの料金を払うチームもある。そういった対策が、効果を生むと良いですね。

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