リクエストがあったので、401(k)からIRAへのRolloverについてまとめてみます。
Rolloverとは?
Rolloverとはあるリタイアメント口座から別の口座へ資金を移すことです。例えば転職したとき、もともと勤めていた会社に持っていた401(k)をIRAへ移すことができます。なぜ口座を移すかと言うと、前に勤めていた会社の401(k)にずっと自分のお金があっては面倒だったり、自分で好きな金融機関でIRAを開いたほうが有利な場合があるからです(逆に移さないほうが良い場合はこのブログ記事を参照)。
金融機関に必ず電話する
何でもオンラインで出来る時代ですが、Rolloverする場合はIRAを開く金融機関に必ず電話するようにしましょう。ここにおおざっぱな流れは書きますが、その金融機関特有の手続き(例えば申込用紙や小切手の宛名など)がありますので注意してください。
税金に関して
401(k)もIRAもどちらも拠出したお金は所得税が控除され、引き出すときに課税されます(課税を先延ばしします)。課税方法が同じなので、正しく行えばRolloverしたときには課税されないことになっています。この課税されない、正しい方法は Trustee-to-Trustee と呼ばれます。
Trustee-to-TrusteeでRolloverする方法
Trusteeとはお金を預かる機関、つまり金融機関を指します。金融機関から金融機関に直接お金を渡し、自分の手元にはお金が来ないのでTrustee-to-Trusteeとなります。IRAの金融機関が直接送金を受け付けていれば、その指示に従えば問題なく処理されるでしょう。
ところがRollover IRAへの入金は小切手でしかできない金融機関がほとんどのようです。その場合、401(k)の金融機関に小切手を送ってもらいます。Trustee-to-Trusteeに確実にするには小切手の宛名が金融機関になっていなければなりません。自分宛に小切手を振り出されてしまうとTrustee-to-Trusteeではなくなり、課税されないはずのRolloverなのに税金分が源泉徴収されてしまいます。宛名は金融機関ごとに違いますが、厳密に書く必要があります。例えばFidelityでは次のようになっています。
Fidelity Management Trust Company, FBO: [your name]/[Fidelity IRA account number].
FBOは For Benefit Ofの略で「~のため」という意味です。
Trustee-to-Trusteeになるようにするための流れですが、まずはIRAを開く金融機関に連絡します。そこにRollover IRA口座を開きます。先に口座を開いておく場合と、申込用紙だけ用意しておく場合とがあります。また、小切手の宛名をどのようにするか確認しましょう。
次に401(k)の金融機関、もしくは元の会社に連絡し、Rolloverすることを伝えます。その際、小切手の宛名を上記で確認した宛名にしてもらうようにします。電話だけで解約できることもあれば、所定の申込用紙を提出する必要がある場合もあります。
小切手は自分の家に送られてきます(特別に指示をして直接IRAの金融機関に送ってもらわない限り)。小切手が送られてきたらIRA口座の金融機関に送ります。口座をまだ開いていない場合はRollover IRAの申込用紙と一緒に送付します。
個人宛の小切手になってしまったら
もし個人宛に小切手が振り出されてしまった場合、401(k)を解約した金額から20%が税金として源泉徴収されてしまいます。例えば$10,000の残高の401(k)を解約した場合、$8,000の小切手しか受け取れません。これをそのままIRA口座の金融機関に送ってはいけません。このままだと通常の解約となってしまいます。課税を避けるには、自分の手持ち資金から源泉徴収された分を足して、合計で$10,000となるようにして送る必要があります。また、401(k)を解約した時から60日以内に行わないとRolloverとして認められなくなってしまいます。正しくRolloverとして認められれば、$2,000は確定申告の時に税金から減額されます。
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