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2013に向けたStrategy (1)

通りすがり

大統領選挙も終わったことですし、2013に向けたTax Strategyを(複数回に分けて)考えたいと思います。
まず今回はTax Loss Harvestingに関して、おさらいから。

年末に近づくと考える人も多いと思う、Tax Loss Harvesting(TLH)。
そもそもTLHは何なのか利点はなんなのか、おさらいしつつ年末から来年再来年にかけての戦略を見てみたいと思います。

簡単に言えばTax Loss Harvestingとは損を確定してTax Liabilityを減らす戦略です。

アメリカは日本と違い投資の税金が総合課税なので、投資による損失はWage等の他の収入から差し引くことができます。
(日本は分離課税なので投資の損失を給与収入等で補填することはできません)

ただし、投資の損失を直接Incomeから差っ引く事ができるわけではなく、

Short-Term Lossの場合
  1. Short-Term Gainから差し引く
  2. #1でまだ損失が上な場合Long-Term Gainから差し引く
  3. #2でもまだ損失が上回る場合$3,000を上限にIncomeから差し引く
Long-Term Lossの場合
  1. Long-Term Gainから差し引く
  2. #1でまだ損失が上な場合Short-Term Gainから差し引く
  3. #2でもまだ損失が上回る場合$3,000を上限にIncomeから差し引く

というルールがあります。ここで考えなければいけないのが

  • Long-Term Gainの税率はShort-Term/Incomeの税率よりも基本的に低い

という事があります。投資のLossをIncomeから差し引くことが出来れば非常にお得になりえるルールなのです。

例えばMarginal Tax 25%の人が$10,000の株を買ったと仮定します。
この株は、ある時点で$7,000まで下がっていました。
そののち数年掛けて$20,000まで回復したとします。

ずっと持ち続けていた場合
$10,000が$20,000になったのでLong-Term Capital Gainが$10,000。税引き後の利益は$10,000*(1-0.15)=$8,500です
$8,000でTLHして、その1ヶ月後$8,500で買い直した場合
$10,000払って$8,000返ってきて、もう一度$8,500払って、それが$20,000。したがって、利益は$20,000-$10,000+$8,000-$8,500=$9,500。税引き後の利益は$9,500*(1-0.15)=$8,075です。
が、最初の損失$2,000は、損失を出した年のIncomeから減らすことができるので、$2,000*0.25=$500を得ているのと同じ事です。したがって、総合的な税引き後利益は$8,075+$500=$8,575です。

TLHした方が総合利益が高くなります。
(この例では、売った後よりも高くなって買ってるにも関わらず、です)

含み損なAssetがあるならTLHしない手は無いですよねッ!
でも、こんなお得なTLHでも、すでにLong-Term Capital Gainを発生させていると、Capital Gainからの補填になるので旨みがないのです。
例えば上の例で、既にLong-Term Capital Gainで$2,000あった場合、それと相殺してしまうのでまったく旨みがありません(Long-Term Gainは税金やすいので)。

故にTLHを心がける場合はCapital Gainを生み出す年とTLHをする年をある程度決めておくといいのです。
例えば車を買う、家を買うなどの生活イベントに合わせてCapital Gainを生み出したい年があったとすれば、その年はLossの収穫をしない事を前提に戦略を予め立てるといいという事です。
(もしくは翌年Capital Gainしたくなるイベントが控えてるならば、今年のうちにLoss Harvestしてしまう、等)

これがTLHの基本です。
(またWashSaleには気をつけなくてはなりません。なのでTLHする可能性があるTaxable AccountではFundのDividends/CapitalGainのAuto Reinvestmentはしないほうがいいでしょう)

ちょっと長くなるので、TLHを踏まえた2013の戦略は次回へ。

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