前回のエントリでTLHの基本をおさらいしました。
TLHの効果を最大限に発揮するには「Capital Gainを生み出す年とTLHをする年をある程度決めておく」必要があるという話をさせていただきました。
では2013の税率変更等を見据えた上で、どう活用していけばいいのかを見てみたいと思います。
もしBush Tax Cutがexpireしたままで延長や修正が行われなかった場合、Tax Bracketは
Tax Brackets (2012 Dollar Amounts) | Marginal Rate | ||||
Unmarried Filers | Married Joint Filers | ||||
Over | But Not Over | Over | But Not Over | 2012 | 2013 |
$0 | $8,700 | $0 | $17,400 | 10% | 15% |
8,700 | 35,350 | 17,400 | 70,700* | 15% | 15% |
35,350 | 85,650 | 70,700* | 142,700 | 25% | 28% |
85,650 | 178,650 | 142,700 | 217,450 | 28% | 31% |
178,650 | 388,350 | 217,450 | 388,350 | 33% | 36% |
388,350 | ... | 388,350 | ... | 35% | 39.6% |
となることが予定されています。Tax Cutの延長ないしは変更でMarginal Rateが2012と同じのままになる可能性は大いにありますが、少なくとも上2つのBracketのRateは上げられると思われます。
またLong-Term Capital GainにかかるTaxに対しても、
Maximum Rates | 2012 | 2013 | 2013 (including Medicare contribution tax) |
Long-Term Capital Gain | 15% | 20% | 23.8% |
Qualified 5-Year Capital Gain | 15% | 18% | 21.8% |
と上がることが予定されています。
すなわち、
- Income Taxは上がるかもしれない
- Long-Term Capital Gainは上がる可能性が非常に高い
ことが予想されます。
また、これまで歴史的な観点から言えば民主党大統領の場合、共和党政権下に比べて株価は上回るといえます。
これは小さな政府を目指し市民の自己決済を尊重するが故にやや緊縮よりに傾きがちな共和党政権に比べると、規制に関しても緩和に関しても寛大な面のある民主党所以でしょう。
懸念事項としては2期目の大統領は後々の名声を気にするからなのか人気取り政策よりも自分の思想政策の方にウェイトを置きがちです。
これが上手く市場とマッチすることもあるのですが、はてさて、オバマ大統領のやりたいことってグリーン政策とかっぽいのですが、これは市場的にどうか。
いずれにせよ、大きな問題が無ければGainを生みやすい環境になる可能性が歴史的にはあり得る状態です。
さて、これらを踏まえると
- Income税率はあがる(可能性がある)
- Long-Term Capital Gain税率はあがる(可能性が高い)
- 共和党政権下よりも株価上昇の余地がありえる
となります。
したがって、
- 今年よりも来年Incomeを下げるべき
- 来年よりも今年にLong-Term Capital GainをRealizeするべき
- 株を仕込むなら今のうち
と言えるかと思います。
TLH戦略の考え方「Capital Gainを生み出す年とTLHをする年をある程度決めておく」に沿うならば、
- UnrealizedなLong-Term Capital Gainは今年Realizeしてしまう。今年はGainを生み出す年
- UnrealizedなCapital LossをRealizeするTLHは来年にする。来年はTLHする年
となります。もっともTLHしようと保有していた現在Unrealized Lossな株・ファンドが1年置いておいたらUnrealized Gainになっていたら、それはそれでいいでしょう。キモは「今年TLHしない」です。
また、#1のRealizeしてしまうという所なのですが、これはTax Bracketが上がってしまわない程度にギリギリまでGainを確定してしまうべきでしょう。これをTax Loss Harvestingと対照的にTax "Gain" Harvestingという言い方をする人もいますよね。
Buy-And-Holdの長期保有の場合「長期保有だから損益確定をしない」と頑なに売買をしない方もおられますが、実際には益を確定して買い直せばいいのです。Taxが低いうちに益確定してしまいましょう。
そして今年の12月半ばぐらいに買い場が来るんじゃないかと踏んでいます。
例年で行くと大体12/15あたりまでに大手筋の損益確定が終わるので、来年以降所謂民主党政権下での値上がりを信じ、また余剰資金があるならばその頃に買うといいかも知れません。
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