Vanguard社が新しい海外債券ファンド Total International Bond Index Fund を設立すると発表。現在SECのレビューを受けている最中で、今年半ばまでには販売を始める予定。
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Vanguardの主力債券ファンドであるTotal Bond Market Index Fundは米国債券のみだったので、海外債券に専念する新ファンドはそれの補充的役割を担う。
ポートフォーリオのBond部分をお手軽・安価に国際分散させたいと思っていた人達には良いニュースかもしれない。
Vanguardは去年、「海外債券価格は米国債券とは別のファクターに反応して動くので、在米投資家の債券ポートフォーリオに、20~40%の海外債券を取り入れることは、リスク分散につながり有益である。(為替リスクがコントロールされ、低コストであることを仮定して)」といったリサーチ・レポートを出しているので、それが前置きだった模様。
この債券ファンドは、Barclays Global Aggregate ex-USD Float Adjusted RIC Capped Index (USD Hedged)をトラックする予定。このインデックスは52国の公私債を組み入れたもので、現在は、日本(23%)、フランス(12%)、ドイツ(11%)、UK(9%)といった内訳。名前通り、ドルをベースにした為替ヘッジが取り入れられている。政府も含め一つの債券発行元が20%のシェアを越えることがないようCapされているのも特徴。
Expense Ratioは、Investor 0.23%、Admiral 0.20%になる予定。ETF版もあり、ERは0.20%。
このファンドは、VanguardのTarget Retirement Fundsや他のFund of Fundsにも組み入れられる予定(これらのファンドのボンド部分の20%がこの新ファンドに置き換えられる予定)。
為替ヘッジコストが利回りを喰うので、大した利回りは期待できないかも。Vanguardは純粋にリスク分散の利益を強調している。
BogleheadsのVanguard Diehardsの人達は、クレジットリスクの心配に加えて、ポートフォーリオに為替ヘッジ付き海外債券ファンドを組み入れることの利点にイマイチ納得していない様子(ここで読める)。
まあアメリカも債務大国なのであまりアグラはかけないけど、為替リスクをヘッジしたとしても、海外債券ににはそれなりクレジット・リスクもあるかもしれないし(今は時代が違うけど、昔はロシアの債務不履行とか、途上国の累積債務問題とか、あったんだよね。)、それを越えたリスク分散の利益があるかどうかって辺りが、このファンドを考慮する上での議論の焦点。
米国も含め主要国は今競って金融緩和政策に走っているから、債券価格は上がっているけど、政策終了後やインフレプレッシャーが掛かった時に債券価格がどうなるか考えるとちょっと怖い部分もあるけど、それはまた別の話。
Vanguardは同時に、Target Retirement Fund3つ(Target Retirement Income, 2010, 2015)の中に組み入れられていた、Inflation-Protected Securities Fundを、デュレーションの短いShort-Term Inflation-Protected Securities Index Fundに取り替える予定。これはより保守的になる動き。
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