Inversion(プラスBEPS)(1)
2016年明けましておめでとうございます。ナント数年ぶりのアップデートとなります!
この間、そろそろ何か書かなくてはと常に夢の中で思いつつ、忙殺され続けている間に(=怠けてる間に?)ついにここまで引っ張ってしまいました。いろんな方に会うたびに「最近アップデートがないですよね・・」みたいな話題になることが多く、出張旅費の精算と並び(?)常に遅れていてチラッと考えるだけでも暗い気持ちになっていた。
ちなみに出張旅費と言えば、各社、精算には期限が設けられてると思うけど、うちは発生日から6ヶ月以内だ。オンラインでの申請がこの期限の日付を1分でも超えると問答無用で精算不可の通知がメールで届く。もちろん6ヶ月も猶予を与えられているのだから請求しない当人が悪いという点には何の異論もないんだけど、この6ヶ月というが結構早くたってしまう。変な比較となるけど、その昔、電車通学してた時に、なぜか目が覚める時間が、乗らなくてはいけない小田急線(1時間目の授業にギリギリ間に合う最後の時刻の電車)のドアが閉まる1秒後に駅のプラットホームに着くタイミングとなりがちだったように(なぜ後2秒早く起きなかったのか、と毎日不思議だったけど)、勇気を振り絞って夜中にイントラネットの経費精算サイトに入ると、昨日で6ヶ月を超えた飛行機代とかホテル代が出てきて愕然とすることがあったりして、なんで昨日アクセスしなかったんだろう、って思うのと似てる。こんなのがかなりの金額になるようだったら未だやったことないけどReimburseされない経費として所得税の申告書で費用処理することも視野に入れないといけないかも。「でも、それってSch. AのMiscellaneous Itemized Deductionだから2% Floorでかなり減額されちゃうじゃん?」と思われた方は賢いがチョッと気が早い。僕はW-2でなくK-1なのでもし取るとしたらSch. Eで取ることになる。1040やっている人は分かるね?
というような言い訳やどうでもいい前置きはこの辺にしておいて、この数年にも本来はReal Timeで書きたいトピックは沢山あった。OECDが気合を入れた「BEPSレポート」、「FATCA(よくもこんなことを世界中に強要してるな、さすがアメリカ・・という感に堪えない)」、そして網を掛けても掛けてもホットになってくる「Inversion」(米国法人が組織再編を通じて国外脱出すること)、全く最終化の目処の立たない米国の「抜本的税法改正」、さらにますます面白くなってきたスピンオフ(濫用され気味の適格スピンオフと財務省の対応)を代表とする米国企業の「イノベーティブ」な組織再編法の適用。
さて、そんな多岐に渡る数年の展開の中から何にフォーカスして書くかというのは結構難しい問題だ。甲乙付けがたいところだが、ここは完全に個人的な好みだけど消去法で行ってみよう。 個人的に、非金融機関には余り技術的に面白い部分が見つからないFATCAはまず脱落。というか僕の専門分野でもなく公に書くに耐えないと言うのが正直なところ。
抜本的改正は過去に何回か触れているし、議会の先生も息切れしていて立法の目処がたっていないのが現状なので脱落。オバマ政権が死に体となっている今、大きな法改正は通らないだろう。何か起こるとしたら海外子会社の留保金課税とか国際税務関係が一部改正されるぐらいのような状況でしかない。先日DCで行われたオバマ大統領の一般教書演説も(オバマ大統領が思うところの)過去の実績の宣伝のみで、任期最後の1年何をするのか伝わってこなかった。米国に暮らしている実体験として、この8年余り米国としていいことはなかったように思うので、次の4年に期待したい。抜本的改正は本当に法律が通りそうになったら触れることにしないと狼少年のようなので。
組織再編(Sub C)は今後も書き続けたいトピックだ。Sub Cの展開は常にかなり面白いのだけどチョッとオタク過ぎる部分もあるのは事実。余りに詳細になるとオーディエンス側での興味レベルに疑問が残るけど、スピンとかの組織再編の話しは人によっては好きだと思うので、補欠合格的に今後順次触れていきたい。中でもスピンオフの今後は特に注目度が高い。
例えば身近なところだと、ヤフーが保有するアリババ株式(15%程度の持分で支配権には到底至らない%)を法人レベルの課税なしでDivestitureする計画だったスピンにケチが付き、IRSからのRulingの取得が無理そうなので計画変更を余儀なくされているような例がある。これは俗に「ホットドックスタンド」とか呼ばれるプランニングの検討事項で、小さすぎるATBを利用してPortfolioカンパニーの株式を合わせてスピンしてしまうというものだ。従来から程度の差はあれ散々利用されてきたプラニングだった。そのように法的には「確立済み」と考えられていた手法に暗雲が立ち込めてしまうとは、ヤフーは実にタイミングが悪い。適格スピンとなるかどうかで税負担が$10Billion(一兆円!)近くも異なるとも言われているだけにさすがに簡単には行かない。Rulingがなくても別に法的には問題はなく、法律事務所とかのOpinion Letterだけでも実行は全然OKなんだけど、やはり確証度合い的にはこの規模の税額がかかわっている場合にはRulingが欲しいところだろう(仮に一部の条件にかかわるRulingだけだったとしても)
基本的な問題は上でも触れたように適格スピンに必要な条件のひとつであるスピンする側(=Yahoo)とスピンされる側(アリババ株式を出資してスピン用に組成されるNewco)の双方に過去5年従事してきたActive Trade/Business(ATB)が存在すること、っていうところ。支配権を持たないPortfolio投資のアリババ株式ではATBを満たすことができないので、何か事業を一緒に出資することでATBとする必要が出てくる。従来はATBの規模は問われないというのが確立した考え方だった。しかし、潜在的に問題となるのは、現金、株式、債券などの投資資産と比べてATBの価値が「極端に」低いと適格スピンの趣旨に合っているのかどうかという点。ちなみにヤフーがスピンするNewcoに出資したATBの名前が「Yahoo Small Business」って名称だと知って、最初は何かの悪いJokeかと思ったけど、本当にそういう名前だったのでビックリというか笑ってしまった。ATBのサイズが問われる局面でその名称を冠した事業をATBに使います!っていうのは実質的には関係ないことだけど、知覚的な意味では無神経とは言わないまでもチョッと「大胆な」な気がする。
他にもスピン関係では、議決権と価値がかけ離れた複数のクラスの株式を利用したり(しかもスピン後直ぐにそんなクラスをUnwindしてしまったり)、スピンされる法人に借金をさせて実質、非課税で事業を現金化してしまったり、とさすが米国企業(プラスそのアドバイザーであるBig 4会計事務所、大手法律事務所、そしてウォール街のInvestment Bankersたち)と唸らせるハイテクかつイノベーティブなプランニングが盛り沢山だ。ちなみにIRSがDCのBar(飲み屋でなく弁護士協会のこと)かなんかの集まりで、IRSは小さすぎるATBを利用したスピンには神経を尖らせていて内部でスタンスを見直している、という旨を、確か今ではIRSでCorporate部門のAssociate Chief CounselをしているZimbalist(その昔、彼が会計事務所に居た頃、1度だけ一緒に働いたことがある面白いおじさん)が発言した。すると、その瞬間にヤフーの株価が大きく下がったのを見て、米国株式市場は何てEfficientなCapital Marketなんだろう、と感動してしまった。こんなオタクなスピンの扱いに対するIRSの、しかもBar Associationにおける発言ひとつで、市場がアリババ株式の含み益の課税可能性の現在価値を一瞬に株価に反映させてしまうとは。株式市場は情報が透明ならきちんと機能するんだな、と改めて感動。CEOのMarissa MayerもActivist系の株主からのリクエストもあり、厳しい経営環境だろう。内実は全く知らないけどもしかして「Googleにいたらな~」なんて後悔してないといいんだけど(っていうか僕には全然関係ない話しに過ぎないけど)。ちなみにActivist Shareholdersは今では決して怪しい存在ではなく、シリコンバレー企業を含む米国大手企業の株主としては完全に市民権を得て存在感は増すばかりだ。
しかし、後述のInversionにしてもそうだけど、こうなると企業側はプラニングは一日も早く実行しなきゃ、というような脅迫概念に駆られるだろう。昨日まで合法的だったものが、急に法律が変わり、何百ミリオンドル(またはヤフーのようにビリオンドル)の税負担となるというような展開があり得るからだ。去年の秋に出た海外の事業を法人化する際の海外Goodwillの扱いもいきなりProposed Regulationsが晴天の霹靂のように発行され、しかもProposed Regulationsのくせに発効日がその日という抜き打ちレグ。こんなことをしていると益々プラニングは直ぐにしないと、って考える大手企業が増えてIRSから見るとなんか逆効果となるような気もするんだけどどんなんでしょうか。General Utilities規定が撤廃されて以降、法人税なしで資産を法人の外に出す最後の砦となっているスピンにこれ以上制限が掛かるようだと、何か別の手法を編み出す必要が出てくる。となるとやはり本当に最後の砦として浮上してくるのはSection 351(セクション番号は使いたくないけど、これはこの番号以外で表現はできないので)のイノベーティブな利用となってくるのかも。351が355に勝つとは・・。351には組織再編規定と異なり、持分継続要件が存在しないので、「緩急自在」なプラニングが可能となる。Sub Cは本当にエキサイティングな未知との遭遇だ。こんなことに興奮できる自分は何なんだろうという気持ちもなくはないけど、NYCやDCに星の数ほど居るM&AのTax Lawyerは全員同類だろう。組織再編は後日必ずもっとDeepに触れたい。
さて、残る二つのトピック候補は、話題のOECDによるBEPSレポートとInversion。どちらもITS(国際税務)に従事する者にとっては避けられない分野だ。BEPSレポートは2~3年前最初にOEDCがプロジェクトを発表した頃には想像もできなかったレベルで意外にも日本でキャッチオンしている。メディアの報道も多いが、米国に目を移すと直ぐにBEPSレポートに準じた形で法律が変わる気配は余りないので(法改正なしに実行できると財務省が信じているCbCRとか以外)、トピックとしては一旦据え置きとしたい。ということで、新聞とか日本のメディアを見ててもあまり良く理解されている感じがしない「Inversion」が残り、これにて久しぶりにキックオフすることにしたい。
ちなみにOECD BEPSレポートに関して一点だけ付け加えておきたいが、チョッと長くなるので次回。
2016年明けましておめでとうございます。ナント数年ぶりのアップデートとなります!
この間、そろそろ何か書かなくてはと常に夢の中で思いつつ、忙殺され続けている間に(=怠けてる間に?)ついにここまで引っ張ってしまいました。いろんな方に会うたびに「最近アップデートがないですよね・・」みたいな話題になることが多く、出張旅費の精算と並び(?)常に遅れていてチラッと考えるだけでも暗い気持ちになっていた。
ちなみに出張旅費と言えば、各社、精算には期限が設けられてると思うけど、うちは発生日から6ヶ月以内だ。オンラインでの申請がこの期限の日付を1分でも超えると問答無用で精算不可の通知がメールで届く。もちろん6ヶ月も猶予を与えられているのだから請求しない当人が悪いという点には何の異論もないんだけど、この6ヶ月というが結構早くたってしまう。変な比較となるけど、その昔、電車通学してた時に、なぜか目が覚める時間が、乗らなくてはいけない小田急線(1時間目の授業にギリギリ間に合う最後の時刻の電車)のドアが閉まる1秒後に駅のプラットホームに着くタイミングとなりがちだったように(なぜ後2秒早く起きなかったのか、と毎日不思議だったけど)、勇気を振り絞って夜中にイントラネットの経費精算サイトに入ると、昨日で6ヶ月を超えた飛行機代とかホテル代が出てきて愕然とすることがあったりして、なんで昨日アクセスしなかったんだろう、って思うのと似てる。こんなのがかなりの金額になるようだったら未だやったことないけどReimburseされない経費として所得税の申告書で費用処理することも視野に入れないといけないかも。「でも、それってSch. AのMiscellaneous Itemized Deductionだから2% Floorでかなり減額されちゃうじゃん?」と思われた方は賢いがチョッと気が早い。僕はW-2でなくK-1なのでもし取るとしたらSch. Eで取ることになる。1040やっている人は分かるね?
というような言い訳やどうでもいい前置きはこの辺にしておいて、この数年にも本来はReal Timeで書きたいトピックは沢山あった。OECDが気合を入れた「BEPSレポート」、「FATCA(よくもこんなことを世界中に強要してるな、さすがアメリカ・・という感に堪えない)」、そして網を掛けても掛けてもホットになってくる「Inversion」(米国法人が組織再編を通じて国外脱出すること)、全く最終化の目処の立たない米国の「抜本的税法改正」、さらにますます面白くなってきたスピンオフ(濫用され気味の適格スピンオフと財務省の対応)を代表とする米国企業の「イノベーティブ」な組織再編法の適用。
さて、そんな多岐に渡る数年の展開の中から何にフォーカスして書くかというのは結構難しい問題だ。甲乙付けがたいところだが、ここは完全に個人的な好みだけど消去法で行ってみよう。 個人的に、非金融機関には余り技術的に面白い部分が見つからないFATCAはまず脱落。というか僕の専門分野でもなく公に書くに耐えないと言うのが正直なところ。
抜本的改正は過去に何回か触れているし、議会の先生も息切れしていて立法の目処がたっていないのが現状なので脱落。オバマ政権が死に体となっている今、大きな法改正は通らないだろう。何か起こるとしたら海外子会社の留保金課税とか国際税務関係が一部改正されるぐらいのような状況でしかない。先日DCで行われたオバマ大統領の一般教書演説も(オバマ大統領が思うところの)過去の実績の宣伝のみで、任期最後の1年何をするのか伝わってこなかった。米国に暮らしている実体験として、この8年余り米国としていいことはなかったように思うので、次の4年に期待したい。抜本的改正は本当に法律が通りそうになったら触れることにしないと狼少年のようなので。
組織再編(Sub C)は今後も書き続けたいトピックだ。Sub Cの展開は常にかなり面白いのだけどチョッとオタク過ぎる部分もあるのは事実。余りに詳細になるとオーディエンス側での興味レベルに疑問が残るけど、スピンとかの組織再編の話しは人によっては好きだと思うので、補欠合格的に今後順次触れていきたい。中でもスピンオフの今後は特に注目度が高い。
例えば身近なところだと、ヤフーが保有するアリババ株式(15%程度の持分で支配権には到底至らない%)を法人レベルの課税なしでDivestitureする計画だったスピンにケチが付き、IRSからのRulingの取得が無理そうなので計画変更を余儀なくされているような例がある。これは俗に「ホットドックスタンド」とか呼ばれるプランニングの検討事項で、小さすぎるATBを利用してPortfolioカンパニーの株式を合わせてスピンしてしまうというものだ。従来から程度の差はあれ散々利用されてきたプラニングだった。そのように法的には「確立済み」と考えられていた手法に暗雲が立ち込めてしまうとは、ヤフーは実にタイミングが悪い。適格スピンとなるかどうかで税負担が$10Billion(一兆円!)近くも異なるとも言われているだけにさすがに簡単には行かない。Rulingがなくても別に法的には問題はなく、法律事務所とかのOpinion Letterだけでも実行は全然OKなんだけど、やはり確証度合い的にはこの規模の税額がかかわっている場合にはRulingが欲しいところだろう(仮に一部の条件にかかわるRulingだけだったとしても)
基本的な問題は上でも触れたように適格スピンに必要な条件のひとつであるスピンする側(=Yahoo)とスピンされる側(アリババ株式を出資してスピン用に組成されるNewco)の双方に過去5年従事してきたActive Trade/Business(ATB)が存在すること、っていうところ。支配権を持たないPortfolio投資のアリババ株式ではATBを満たすことができないので、何か事業を一緒に出資することでATBとする必要が出てくる。従来はATBの規模は問われないというのが確立した考え方だった。しかし、潜在的に問題となるのは、現金、株式、債券などの投資資産と比べてATBの価値が「極端に」低いと適格スピンの趣旨に合っているのかどうかという点。ちなみにヤフーがスピンするNewcoに出資したATBの名前が「Yahoo Small Business」って名称だと知って、最初は何かの悪いJokeかと思ったけど、本当にそういう名前だったのでビックリというか笑ってしまった。ATBのサイズが問われる局面でその名称を冠した事業をATBに使います!っていうのは実質的には関係ないことだけど、知覚的な意味では無神経とは言わないまでもチョッと「大胆な」な気がする。
他にもスピン関係では、議決権と価値がかけ離れた複数のクラスの株式を利用したり(しかもスピン後直ぐにそんなクラスをUnwindしてしまったり)、スピンされる法人に借金をさせて実質、非課税で事業を現金化してしまったり、とさすが米国企業(プラスそのアドバイザーであるBig 4会計事務所、大手法律事務所、そしてウォール街のInvestment Bankersたち)と唸らせるハイテクかつイノベーティブなプランニングが盛り沢山だ。ちなみにIRSがDCのBar(飲み屋でなく弁護士協会のこと)かなんかの集まりで、IRSは小さすぎるATBを利用したスピンには神経を尖らせていて内部でスタンスを見直している、という旨を、確か今ではIRSでCorporate部門のAssociate Chief CounselをしているZimbalist(その昔、彼が会計事務所に居た頃、1度だけ一緒に働いたことがある面白いおじさん)が発言した。すると、その瞬間にヤフーの株価が大きく下がったのを見て、米国株式市場は何てEfficientなCapital Marketなんだろう、と感動してしまった。こんなオタクなスピンの扱いに対するIRSの、しかもBar Associationにおける発言ひとつで、市場がアリババ株式の含み益の課税可能性の現在価値を一瞬に株価に反映させてしまうとは。株式市場は情報が透明ならきちんと機能するんだな、と改めて感動。CEOのMarissa MayerもActivist系の株主からのリクエストもあり、厳しい経営環境だろう。内実は全く知らないけどもしかして「Googleにいたらな~」なんて後悔してないといいんだけど(っていうか僕には全然関係ない話しに過ぎないけど)。ちなみにActivist Shareholdersは今では決して怪しい存在ではなく、シリコンバレー企業を含む米国大手企業の株主としては完全に市民権を得て存在感は増すばかりだ。
しかし、後述のInversionにしてもそうだけど、こうなると企業側はプラニングは一日も早く実行しなきゃ、というような脅迫概念に駆られるだろう。昨日まで合法的だったものが、急に法律が変わり、何百ミリオンドル(またはヤフーのようにビリオンドル)の税負担となるというような展開があり得るからだ。去年の秋に出た海外の事業を法人化する際の海外Goodwillの扱いもいきなりProposed Regulationsが晴天の霹靂のように発行され、しかもProposed Regulationsのくせに発効日がその日という抜き打ちレグ。こんなことをしていると益々プラニングは直ぐにしないと、って考える大手企業が増えてIRSから見るとなんか逆効果となるような気もするんだけどどんなんでしょうか。General Utilities規定が撤廃されて以降、法人税なしで資産を法人の外に出す最後の砦となっているスピンにこれ以上制限が掛かるようだと、何か別の手法を編み出す必要が出てくる。となるとやはり本当に最後の砦として浮上してくるのはSection 351(セクション番号は使いたくないけど、これはこの番号以外で表現はできないので)のイノベーティブな利用となってくるのかも。351が355に勝つとは・・。351には組織再編規定と異なり、持分継続要件が存在しないので、「緩急自在」なプラニングが可能となる。Sub Cは本当にエキサイティングな未知との遭遇だ。こんなことに興奮できる自分は何なんだろうという気持ちもなくはないけど、NYCやDCに星の数ほど居るM&AのTax Lawyerは全員同類だろう。組織再編は後日必ずもっとDeepに触れたい。
さて、残る二つのトピック候補は、話題のOECDによるBEPSレポートとInversion。どちらもITS(国際税務)に従事する者にとっては避けられない分野だ。BEPSレポートは2~3年前最初にOEDCがプロジェクトを発表した頃には想像もできなかったレベルで意外にも日本でキャッチオンしている。メディアの報道も多いが、米国に目を移すと直ぐにBEPSレポートに準じた形で法律が変わる気配は余りないので(法改正なしに実行できると財務省が信じているCbCRとか以外)、トピックとしては一旦据え置きとしたい。ということで、新聞とか日本のメディアを見ててもあまり良く理解されている感じがしない「Inversion」が残り、これにて久しぶりにキックオフすることにしたい。
ちなみにOECD BEPSレポートに関して一点だけ付け加えておきたいが、チョッと長くなるので次回。
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