アメリカでは日本と比べると転職する頻度が高く、退職金制度のようなものもないので、自分で老後資金を貯めないといけません。会社が提供している場合は401(k)を利用するのが一般的ですが、転職したときに前の職場の401(k)をどうするか考えなければいけません。どのような選択肢があるか分かりにくいのですが、T. Rowe Price が発行している冊子に良くまとまっている記事があったので紹介します。
Spring 2017 Issue: T. Rowe Price Investor® Magazine
詳細はこの冊子を読んでもらうとして、挙げられている4つの選択肢を簡単にまとめてみます。
1.前の職場の401(k)をそのまま残しておく
一番簡単な方法はとりあえずそのままにしておくことです。慌てて動かす必要が無いので、いずれは動かすとしても取り敢えずはそのままにしておいて、あとでじっくり考えればいいでしょう。401(k)からの引き出しは通常59歳半以降でないとペナルティが掛かりますが、退職した場合は55歳以降であればペナルティが掛かりません(所得税は掛かります)。欠点は残高が$5,000以上でないと残しておけない場合があることです。
2.新しい職場の401(k)に移す
転職して新しい職場でも401(k)があり、ロールオーバーを受け付けていれば、古い職場の401(k)から移すことが出来ます。前の職場よりも条件の良い401(k)であれば、そのままにしておくよりも良いでしょう。
3.IRAに移す
自分でIRA口座を作り、そこに移すことも出来ます。利点は自分の好きな運用会社(ファンド会社)を選べることです。401(k)では運用できるファンドが限られていますが、IRAの場合は自分で会社もファンドも選べます。欠点としては59歳半までは引き出しにペナルティが掛かること、もし Back-door Roth IRAなどの手法を取る必要がある場合は、IRAの残高の割合に応じて課税対象になってしまうことです。
4.解約して引き出す
そのまま解約して現金化してしまうことも出来ます。59歳半以前であれば所得税に加えて10%のペナルティが掛かりますし、源泉徴収もされます(20%)。金額が少額で、既に59歳半を超えている場合はこの方法でもあまり問題はありませんが、それ以外の場合は慎重に考えるべきです。
上記以外にもRoth IRAにコンバートするなどの選択肢がありますが、この記事では触れられていません。もしRoth IRAを選択肢として考えるのであれば、コンバートは課税対象になるので注意する必要があります。
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