2017年4月でブログを書き始めてナンと10年という歳月が経ちました。いつ書くことがなくなってしまうだろう、と思ってたけど、米国税法はいろんな話題を際限なく次々に提供してくれる頼もしい世界なので、書けば書くほど、もっと書かなければいけないことが増えるという、その昔、渋谷の福ちゃんラーメンで替え玉5個(10個だっけ?)を平らげると代金タダになるということでチャレンジした時の後半の苦闘に似た状況。分からない方ように解説すると、ラーメンも替え玉3つめ以降になると、食べるスピードが落ち、食べても食べても麺が伸びる速度に追いつけず、食べると逆にどんどん量が増えていくように錯覚する現象のことだ(誰も分かんないよね、こんな現象)。途中長期ブレークがあったりしたけど、皆様のサポートがなければ当然こんなに長く続けることはできず、各方面からのサポートには深謝しています。
さて、今年前半のポスティングで、トランプ政権の誕生に伴い30年ぶりの立法が現実的になったかのように見えた米国税法の抜本的改正の方向性、特に改正のスタートポイントとなるはずの下院歳入委員会のThe Blueprintに関してかなり深く触れた。
その後、政権誕生後は矢継ぎ早にTPP脱退を実行したり、入国禁止関係の大統領令を出したり、出だしは勢い良い感じだったけど、リベラル寄りの判事に大統領令のInjunctionを食らったり(未だにどうして州が原告になれるのか、Standingすなわち当事者適格の観点から不思議)、オバマケア廃案にも少なくとも第一弾は内部調整に失敗したり、失速感は否めない感じだろう。その後、最高裁判所判事の空席にScaliaの身上である憲法原意主義と同様の法的アプローチで知られるGorsuch任命に成功したり、シリアへのミサイル攻撃でそれなりの評価はあったとは言え、Big Itemではインパクトに欠ける。
オバマケア廃案失敗のドタバタで共和党も一枚岩にはほど遠い状態を露呈して以来、税法改正もなかなか方向性が定まらない状態が続いている。有権者の中には(自分?)、もう抜本的な改正とかいいから、さっさと個人所得税の税率下げて、パススルー課税を低減し、オバマケア導入時にどさくさに紛れて増税となったMedicareのSurchargeとか、3.8%のNIITとか、それらの悪法を廃案にする位まで持っていってくれて、若干小さい政府になれば上出来、と期待レベルをアジャストしている状況ではないだろうか。
それにしても税法改正もあるのか、ないのか、オバマケア廃案とどっちを優先するのか、Border Adjustmentに大統領は賛成なのか反対なのか、上院は何を考えているのか、毎日のように方向性が変わる3カ月だっと言える。こんな状況を見ていてると、いつも一つの曲が頭の中でプレーバックされる。Katy Perryの「Hot n Cold」だ。歌詞を知っている方は直ぐにわかるだろうけど、もし知らなければ聞いてみるか読んでみて欲しい。米国議会と大統領を頭に思い描きながら。
そんな混沌とした状況にある米国税法改正だけど、プレーヤーは大きく分けて下院、上院、そして行政府の3つだ。行政府は当然さらに大統領、財務省、国家経済委員会、等複数のプレーヤーから成る。法律を通すのはもちろん下院と上院から成る議会。行政はあくまでも議会に対するインプットと、後、大統領には法律にサインしないという拒否権(Veto)がある。ちなみにこのVeto、法案パッケージそのもの全体に対してのみ行使することが許されているので、部分的に気に入らない条文とかが入っていてもその部分だけVetoする、いわゆる「Line Item Veto」は連邦法には認められないと1998年に最高裁判所が判断している。三権分立の観点からそうあるべきだろう。したがって、大枠方向性が合っていれば共和党が通した法律をトランプがVetoすることは考えらえないだろう。
下院は2016年に歳入委員会が既にThe Blueprintを公表しているので、Head Startというか一番方向性がはっきりしいている。上院はIntegrationとか何となく場当たり的なアイディアは出しているものの、結局は様子見という感じ。そこでレーガン以来のリーダーシップを発揮して全体を力強く取りまとめて欲しいのが行政府、特に大統領自身なんだけど、実はかなり狼少年。2月9日には「2~3週間のタイミングで「Phenomenal」な税法改正の発表をする」と言ったきり、何もなく2~3週間は過ぎてしまったし、その後の2月末には両院を前にしたジョイントセッションで再び「近々に「Massive」な減税を伴う「Historic」な税法改正を公表する」とぶち上げていた。その後、3月にも何の発表もなく、「Phenomenal」「Massive」「Historic」と言った大袈裟な形容詞はどこに行ってしまったんだろう、と狐につままれたような日々が続いていた。
そんな中、ようやく4月後半になり、4月26日に大統領府による税法改正案が公表されると発表され、3カ月寝かして議論を重ねた訳なので、いよいよ満を持して登場か、と期待はイヤでも盛り上がらざるを得ない状況となった。もちろん、トランプ大統領や行政府が何を発表してもそれがそのまま法律になる訳ではないので最終的な姿は全く不明だが、少なくとも行政府としてどのように考えているのか、に関しては興味のあるところだ。
そして4月26日東海岸時間午後1時半、例によって見ているだけで笑える感じの報道官のSpicer先生が、アシスタントがレターサイズたった(?)1枚の(日本で言うところのA4サイズみないなもの)Brief Paperをペラペラ配る中、財務長官Mnuchinと国家経済会議委員長のCohnを伴って現れた。あれ?トランプ本人は来ないんだとチョッと期待外れだったけど、まあ財務長官が居れば内容説明には充分かな、と思って会見のスタートを見守った。
さて、3カ月間熟考したその内容はいかに?この点は次のポスティングで。
さて、今年前半のポスティングで、トランプ政権の誕生に伴い30年ぶりの立法が現実的になったかのように見えた米国税法の抜本的改正の方向性、特に改正のスタートポイントとなるはずの下院歳入委員会のThe Blueprintに関してかなり深く触れた。
その後、政権誕生後は矢継ぎ早にTPP脱退を実行したり、入国禁止関係の大統領令を出したり、出だしは勢い良い感じだったけど、リベラル寄りの判事に大統領令のInjunctionを食らったり(未だにどうして州が原告になれるのか、Standingすなわち当事者適格の観点から不思議)、オバマケア廃案にも少なくとも第一弾は内部調整に失敗したり、失速感は否めない感じだろう。その後、最高裁判所判事の空席にScaliaの身上である憲法原意主義と同様の法的アプローチで知られるGorsuch任命に成功したり、シリアへのミサイル攻撃でそれなりの評価はあったとは言え、Big Itemではインパクトに欠ける。
オバマケア廃案失敗のドタバタで共和党も一枚岩にはほど遠い状態を露呈して以来、税法改正もなかなか方向性が定まらない状態が続いている。有権者の中には(自分?)、もう抜本的な改正とかいいから、さっさと個人所得税の税率下げて、パススルー課税を低減し、オバマケア導入時にどさくさに紛れて増税となったMedicareのSurchargeとか、3.8%のNIITとか、それらの悪法を廃案にする位まで持っていってくれて、若干小さい政府になれば上出来、と期待レベルをアジャストしている状況ではないだろうか。
それにしても税法改正もあるのか、ないのか、オバマケア廃案とどっちを優先するのか、Border Adjustmentに大統領は賛成なのか反対なのか、上院は何を考えているのか、毎日のように方向性が変わる3カ月だっと言える。こんな状況を見ていてると、いつも一つの曲が頭の中でプレーバックされる。Katy Perryの「Hot n Cold」だ。歌詞を知っている方は直ぐにわかるだろうけど、もし知らなければ聞いてみるか読んでみて欲しい。米国議会と大統領を頭に思い描きながら。
そんな混沌とした状況にある米国税法改正だけど、プレーヤーは大きく分けて下院、上院、そして行政府の3つだ。行政府は当然さらに大統領、財務省、国家経済委員会、等複数のプレーヤーから成る。法律を通すのはもちろん下院と上院から成る議会。行政はあくまでも議会に対するインプットと、後、大統領には法律にサインしないという拒否権(Veto)がある。ちなみにこのVeto、法案パッケージそのもの全体に対してのみ行使することが許されているので、部分的に気に入らない条文とかが入っていてもその部分だけVetoする、いわゆる「Line Item Veto」は連邦法には認められないと1998年に最高裁判所が判断している。三権分立の観点からそうあるべきだろう。したがって、大枠方向性が合っていれば共和党が通した法律をトランプがVetoすることは考えらえないだろう。
下院は2016年に歳入委員会が既にThe Blueprintを公表しているので、Head Startというか一番方向性がはっきりしいている。上院はIntegrationとか何となく場当たり的なアイディアは出しているものの、結局は様子見という感じ。そこでレーガン以来のリーダーシップを発揮して全体を力強く取りまとめて欲しいのが行政府、特に大統領自身なんだけど、実はかなり狼少年。2月9日には「2~3週間のタイミングで「Phenomenal」な税法改正の発表をする」と言ったきり、何もなく2~3週間は過ぎてしまったし、その後の2月末には両院を前にしたジョイントセッションで再び「近々に「Massive」な減税を伴う「Historic」な税法改正を公表する」とぶち上げていた。その後、3月にも何の発表もなく、「Phenomenal」「Massive」「Historic」と言った大袈裟な形容詞はどこに行ってしまったんだろう、と狐につままれたような日々が続いていた。
そんな中、ようやく4月後半になり、4月26日に大統領府による税法改正案が公表されると発表され、3カ月寝かして議論を重ねた訳なので、いよいよ満を持して登場か、と期待はイヤでも盛り上がらざるを得ない状況となった。もちろん、トランプ大統領や行政府が何を発表してもそれがそのまま法律になる訳ではないので最終的な姿は全く不明だが、少なくとも行政府としてどのように考えているのか、に関しては興味のあるところだ。
そして4月26日東海岸時間午後1時半、例によって見ているだけで笑える感じの報道官のSpicer先生が、アシスタントがレターサイズたった(?)1枚の(日本で言うところのA4サイズみないなもの)Brief Paperをペラペラ配る中、財務長官Mnuchinと国家経済会議委員長のCohnを伴って現れた。あれ?トランプ本人は来ないんだとチョッと期待外れだったけど、まあ財務長官が居れば内容説明には充分かな、と思って会見のスタートを見守った。
さて、3カ月間熟考したその内容はいかに?この点は次のポスティングで。
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