今日のNew York Timesの記事 “Why Can’t the I.R.S. Help Fill in the Blanks? ” から。
税金の書類、W-2やら1098やらには、「この情報はIRSに報告されています。」と注意書きがある。では、IRSがすでにtaxpayerの情報をこれだけ把握しているのなら、どうしてtaxpayerは同じ情報をソフトウェアにせよ紙面にせよ、もう一度入力しなければならないのか?TaxpayerはIRSのウェブサイトから自分のW-2や1098の情報がすでに入力されたフォームをダウンロードし、修正が必要な部分だけ直して送り返せばいいのではないか?
あるスタンフォードの教授の意見によると、「現在のtax returnのシステムは、まるでクレジットカード会社が顧客に白紙の利用明細を送りつけ、顧客はそれに一つ一つ、クレジットカードを利用した額を記入して支払いをし、その上、顧客側の記録に間違いがあれば罰金を課せられているようなもの」という。
IRSは「W-2や1098の情報報告締め切り期日からでは4月15日に間に合わないから、現在のところ技術的に無理」と言ってるらしいが、この締め切りを変えるのは別に難しいことではないようだ。
技術革新が進まない背後には、tax preparation業界の猛烈な反対があるらしい。IRSがe-fileを促進しはじめた頃、業界はIRSが自前で無料税金ソフトを提供するようになれば自分たちの商売に大きく響くことを恐れて、低所得者には無料ソフトを提供する代り、IRSは自前のソフトを開発しないという約束を取り付けさせたという経緯があったように記憶している。
まあ、わたし個人としてはIRSが自前で開発するソフトなど、ちょっと危なっかしいような気がしないでもない。数年前、NIHグラントの大部分がオンライン申請になったが、そのために使わないといけないソフトの質たるや、あまり感心できたものではない。初代のソフトはPCでしか起動せず、その上何のためにコンピュータを使っているのかわからないような無駄がたくさんあった。(たとえば5年のグラントを申し込んだ場合、各年の予算の概要を記入しなければならないが、その年をいちいち手動で入力しないといけないとか。こんなこと、エクセルだってセルの片隅をひっぱれば自動でやってくれる。)今の大学はこの部分は秘書さんたちがやってくれるから、多少は改善したのかどうかわからないが。
職場や金融機関によっては、TurboTaxの中からW-2や1098をretrieveできるところもある。つまり、技術的には十分可能なのだから、もう一歩進めて、TurboTaxの中からIRSの情報をretrieveしてくれてもいいと思うのだけど。
コメントを追加