403(b)はNPOや教育機関などのためのリタイアメントプランで、企業のための401(k)に相当するものです。今までは401(k)と比べて投資の選択肢が多いなど、従業員にとっては有利といえるものでした。それが昨年から施行された規制により、より401(k)に近いものになってきました。
Workers Struggle to Deal With Changes to 403(b) Plans [The Wall Street Journal 5/3]
- 投資の選択肢が少なくなった
- ローンの審査が厳しくなった
- 処理の遅れ
- 手数料
以前は20~30の金融機関の投資商品から拠出先を選べることもあったのが、5~7ほどになり、最終的には1つ、もしくは2つ程度の金融機関だけになると予想されています。
ローンやHardship(経済的に困難な状況)による引き出しなどは雇用主が条件を満たしているか厳密に確認することになり、簡単には403(b)のお金を使えなくなりました。
処理しなければならないことが増え、それを外部の管理会社に委託する場合もあります。そのため、ローンの手続きが遅くなり、拠出したお金が実際に投資されるまでに時間が掛かるようになりました。
今まで多くの金融機関が選択肢にあったため、1つの金融機関に多額を拠出することありませんでした。多額を1つの金融機関に任せる代わりに手数料を低くするという交渉がこれからはできるようになります。
逆に新しい規制に対応するために事務が増え、その分、手数料が上がることも考えられます。実際にVanguardの手数料が低いインデックスファンドが選択肢になくなったため、拠出するのをやめた人もいます。
以前の403(b)に対する私の印象は選択肢が多く、自分でいろいろとポートフォリオを考える人には良く、逆に選択肢がありすぎて困る人もいるだろうというものでした。また手数料も高いというほどではないが平均的で、企業の401(k)ではもうちょっと低いものが多いのにと思いました。それが401(k)に近くなれば考えやすくなるのかもしれません。
上記リンク記事のコメントも興味深いものがあります。それが仮に本当であるとすれば、401(k)に近づくのが目的ではないので、今後の動向に注意する必要があります。重要なのは良し悪しではなく、それにどう対応するかだと思います。
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