ローン、特に住宅ローンや自動車ローンで一般的な元利均等返済とはどういったものでしょうか?元利均等返済ローンとは元本の一部と利息を合わせて、毎月一定額を返済するタイプの借金です。対照的に、借りたお金に対する利息だけを定期的に支払い、一定期間が過ぎたら借りた額を全額まとめて返すタイプの借金もあります。また、アメリカのクレジットカードのように、毎月、最低返済額だけ決まっていて、それ以上ならいくらでも構わない、変動タイプの借金もあります。このようにローンはいくつもある借金のタイプの1つなのですが、どういった特徴があるか、まとめてみましょう。これらの特徴を理解する事は、賢く住宅ローンを使う上で重要になってきます。
返済額の計算
ローンの返済額は、1.借入金、2.金利、3.返済期間、4.返済間隔の4つの要素で決まります。金利は年利で表されますが、実際には残高に金利を掛けたものの12分の1が毎月の利息になります。つまり、分かりやすいように年利で表示されていても、計算上は12分の1にして月利を使う、という訳です。返済期間は、アメリカの住宅ローンは15年、もしくは30年が標準的ですが、これ以外の返済期間も自由に選べます。返済間隔は、ほとんどの場合、毎月になります。アメリカでは2週間ごとに給料日になる会社も多いので、返済も2週間ごとにする方法もありますが、わざわざ変則的な返済間隔を選ぶ理由はありません。 さて、実際に4つの要素から毎月の返済額を計算するのは、普通の電卓では非常に面倒な計算になります。住宅ローンの計算をしてくれるWebサイト(例えばMortgage Calculatorを使う、Excelなどの表計算ソフトを使う、あるいは財務電卓などで計算する必要があります。いずれの場合も、利息支払い分と元本返済分の合計が、毎月一定になります。住宅ローンの特徴
毎月の支払額が一定という特徴のために、住宅ローンの返済は、最初はほとんど利息だけを支払っている状態になります。 右のグラフで分かる通り、毎月の返済額(赤の線)は常に一定です。最初の数年は返済額のほとんどが利息分=オレンジの線です(このグラフは借入額$100,000、金利7%、返済期間30年の場合)。逆に元本の返済は最初のうちは毎月わずかで、ローン期間30年のうち、20年経つとやっと、その月の返済は半分がローン元本の返済、半分が利息、という状態になります。
また、返済期間が長期間にわたるため、ローンを30年間払いつづけた場合、支払利息の合計が返済額の大きな割合を占め、元本よりも多くなっている事も住宅ローンの特徴です(下図)。
この特徴をよく理解することで、自分の購入パターンに合った住宅ローンが組めるようになります。返済期間の最初のうちは利息がほとんど、ということは、もしその期間の間にその家を売りに出した場合、借り入れた元本のほとんどがまだ「借金」として残っていて一括返済しなければいけない、ということです。返済期間よりもかなり早く(目安は10年以内)、その家を売りに出すことが確実な場合、何らかの方法で(詳しくは後述)、最初の10年間の利率を低く抑えることができれば有利になるわけです。