Multiple Listing Service (MLS)とは、不動産屋が使う物件情報データベースです。アメリカでは不動産屋を通して売買される物件のほとんどがこのデータベースに登録されています。また、ほとんど全ての不動産屋がMLSを使っています。つまり、どこの不動産屋に行っても同じ情報が得られる、ということになります。このMLSに載っていれば、他の不動産屋が売りに出している物件でも買うことができます。
以前は不動産屋が持っている専用端末でしか見れなかったようですが、今ではインターネットで同じデータベースから情報が得られます。この為、不動産屋で「家を探してください」と頼んだときと同じ物件を自分で探す事もできます。
アメリカでは日曜版に不動産を含むClassified Adが出ます。ここに載っている物件は実はほとんどが不動産屋が出しているものです。そのため、載っている物件はほとんどが上記MLSで検索可能なものです。つまり、わざわざ新聞広告の小さい字を舐めるようにみて物件を探す必要はない、ということです。ただし、MLSに載らない物件、例えば持ち主が不動産エージェントを通さずに売る場合(For Sale By Owner = FSBO)、こういった新聞広告に出ることもありますから、そういった物件を狙う場合には新聞広告もいいかもしれません。ただ、最近の不動産投資ブームでこういった、不動産屋を通さない売買は多くの人が「狙って」いますから、日曜の朝一番で電話する、といった努力が必要になります。
For Sale By Owner
自分で不動産屋を仲介せずに家を売ろうという人もいます。家の前に「For Sale By Owner」と看板を出していたり、新聞広告などで「FSBO」と書いてあったりします。自分で売る理由は主に不動産屋の手数料を払わないで済むようにするためです。不動産屋は売値の6%を売り手からもらう事で収入を得ています。これを節約しようというのです。手順は不動産屋を通してもほとんど同じですが、自分で全部手配しなければいけません(そもそも、何を手配するのか知らないといけない)。何をしなければいけないか知っていれば、不動産屋を通さなくても、買い手さえいれば弁護士やエスクローを雇って売買を成立させる事はできます。
問題は、そういった手続きを全て自分で委託しなければならないので、面倒ですし、どうやってやったらいいのか、分からない事も多いでしょう。FSBOは、面倒でも安く買うためにやってみようという人、不動産の取引の仕組みを勉強していこうとしてる人、投資として考えて「何らかの方法で」物件を安く手に入れようとしてる人には良いと思います。