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Roth Conversionをしないほうが良い場合

掲示板でRothへコンバートしたトピックがありました。このトピックはNonduductible IRA(税金控除にならないIRA)をコンバートした場合でした。しかし、通常のIRAの場合はコンバートした金額が収入扱いになり、所得税が掛かってしまいます。その為にコンバートしないほうがよい場合があります。検討する際の注意点をまとめて見ました。

コンバートしない方が良い場合

  • 税率が上がる場合
  • コンバートした金額に対して所得税が掛かりますが、その為に税区分(Tax Bracket)が上がってしまうと税率が上がってしまいます。仮に税区分が15%から25%に上がるとその差は10%。これだけ違うとコンバートする金額によってはメリットがまったくなくなる可能性があります。自分の所得(正確には課税所得)が税区分の境界に近い人は注意しましょう。

  • 控除、クレジットを受ける場合
  • Child Tax Creditや教育関連のCreditを受ける場合、修正収入の金額によってどれだけクレジットが受けられるかが変わってきます。Rothをコンバートすることで修正収入が多くなってしまい、場合によってはクレジットをもらえないこともありえます。また控除にも収入制限があるものがあります。自分がどのような控除やクレジットの対象になるのか調べ、Roth Conversionをしたことで不利にならないか確認しましょう。

  • 税金を払う余力がない場合
  • コンバート分の所得税を払わなければいけませんが、その税金はIRAとは別の資金で用意しなければなりません。IRAの資金を使って税金を払い、残った分だけRothに入れるという事をやってしまうと、IRAからの引き出し扱いになり、10%のペナルティが掛かってしまいます。普段の給与からの源泉徴収が多くて十分に税金を払っていれば問題ありませんが、そうでない場合は予定納税をする、W-4を提出して給料から引かれる税金を増やす、などの対策が必要です。

  • リタイアが近い場合
  • Conversionとは関係無しに59歳半以降にIRAから引き出す場合は10%ペナルティはなく、所得税を払うだけです。リタイアが近く、自分で使うために引き出す予定であれば、わざわざRothにしなくても良いでしょう。

  • 子供が大学に行く場合
  • 奨学金やローンなど大学資金の補助を受ける、つまりFinancial Aidを受ける場合には親の収入が考慮されます。親の収入が多いとその分だけ奨学金などがもらいにくくなってしまいます。そこでFinancial Aidを受ける年(とその前の年)にはConversionをしない方が有利になる場合も多いでしょう。

注意点

  • 税金をいつ払うか
  • 2010年のコンバートに限り、コンバートした金額をすぐに計上せず、半分ずつに分けて2011年と2012年に計上することが出来ます。コンバートは収入扱いですから、それに掛かる税金を2010年から2011、2012年に先送りすることが出来ます。
    ここで気をつけたいのは計上する収入が先送りされるので、税額はその年になってみないと確定しないことです。すぐに払わなくて良いから先送りする方が良いとは限りません。上記で書いた控除やクレジットの制限がその年に引っかかってしまうかもしれません。計上を先送りするのであれば、こういった控除などを使わないことがはっきり分かっている場合や、他の有利な点がある(例えば税区分が下がることが分かっている)場合に限った方が良いでしょう。

  • 資金の移動
  • IRAからRoth IRAに資金を移動する際には、それがConversionであると認識されるように細心の注意を払う必要があります。Conversion扱いにならないと単なる引き出しになってしまい、10%のペナルティが掛かってしまいます。
    同じファンド会社を使う場合は、正しくConversionとして申し込めば問題はないでしょう。違うファンド会社になる場合、引き出す側と入金する側の両方の会社に事前に連絡し、手続きを確認します。Trustee-to-Trusteeと言われる方法で行うのが一番確実です。直接送金してくれれば手間が省けます。
    自分が小切手を受け取り、それを別の会社に郵送しなければならないときもあります。その際は出来るだけ自分宛の小切手ではなく、新しいRothの口座宛に小切手を書いてもらいましょう。
    もし自分宛の小切手になってしまった場合、一度自分名義の銀行に入れ、それから新しいRothの口座宛に小切手を切らなければならない場合もあります。前のIRAから引き出して60日以内に新しいRoth IRAへ入金しないと、これもまた引き出し扱いになってしまいます。