控除項目

標準控除に追加できる控除

控除の適用で述べたItemizeしなくても控除できる費目には下記のようなものがあります。

仕事関係の引越し費用

学校を卒業して新しい仕事に就くため、あるいは転職したために引っ越した場合は、引越し費用が控除できます。引越し先は50マイル以上離れている必要があります。会社が引っ越し費用を負担した場合は認められません。

学費ローン

高等教育のために学費ローンを組んだ場合、その支払利息は$2,500まで控除の対象になります。AGI(Adjusted Gross Income)の制限があり、2006年の場合、Singleは$50,000~$65,000の範囲で、Joint Returnの場合は$105,000~$135,000の範囲で段階的に控除額が減ります(それ以上だと控除できません)。また、控除の対象となる経費には部屋代と食費も含むことができます。

Itemizeが必要な控除

住宅ローン控除

住宅ローン、正確にはその支払利息は控除の対象になります。ローン元本は$1,000,000までである必要があり、対象は自分が住む家とSecond Home(別荘)です。対象となる利息は毎月のローン支払額のうち、利息部分(Interest)で、元本返済分(Principal)は対象外です。住宅ローンを取得したときのポイントは利息の先払いとして扱われ、Main Home(自分が普段住む家)のローンは払った年に控除の対象になります。Second Homeのためのローンのポイントはローンの支払い期間で平均して控除します。また、支払いが遅れた場合の Late Payment Charge (延滞手数料、もしくは延滞利息)も利息として控除可能です*1。Home Equity Loan の場合は借入額$100,000まで、その利息が控除できます。 Refinanceした場合は少し複雑です。もしRefinanceした金額が前のローンの借り入れ残高と同じかそれ以下であれば、新しいローンの利息はすべて控除できます。Refinanceしたときに、ローン残高より高い金額のローンを新たに組んだ場合、以前のローンの借り入れ残高に相当する額までは、その利息が条件無しに控除可能です。以前のローン残高を超えた分は、家の改修などに使われた場合は$1,000,000まで、そうでない場合は$100,000まで、その利息が控除の対象になります。

寄付

アメリカではさまざまな寄付が控除の対象になります。控除先は必ず認定された団体である必要があります。 現金、小切手での支払い、あるいはクレジットカードでの支払いは全て控除の対象になります。小切手を送った場合、送った日が12月31日以前であれば小切手が現金化されるのが翌年になってもその年に控除できます。クレジットカードで払った場合は、取引日が12月31日までなら、実際にカード代金の支払いが翌年になっても、その年の分として控除できます。 物品を寄付した場合は、基本的にはその品物の市場価値(FMV=Fair Market Value)が控除額として適用されます。市場価値が年々下がっていくものでも、株などのように市場価値が上がるものでも、寄付した時点の市場価値になります。ただし、取得してから1年以内の物品の場合は、市場価値が上がっていても、取得価格までしか控除する事はできません。

自動車の寄付

慈善団体に車を寄付する場合、そのルールを理解しておく必要があります。これは2005年から自動車の寄付に関してIRSのルールが厳しくなったため、それ以前の方法は認められなくなったためです。 以前は車の市場価値を納税者が自己申告し、それがKelly Blue Bookなどに基づくものであれば、ほとんど認められていました。しかし、2005年以降は、$500以上の控除を申請する場合で、慈善団体が寄付を受けた車を売った場合、その団体が売った金額しか控除として申請できなくなりました。慈善団体はForm 1098-C を寄付した人に発行し、そこにいくらで売れたか、金額がかかれています。 もし、寄付した車が次の条件に当てはまる場合は、市場価値を申請することができます。
  • その団体が車を使う場合
  • その団体が慈善活動の目的で貧困者に付与したとき
  • 控除金額が$500以下のとき
また、市場価値で申請を行うときは、中古車としての個人間売買(Private party sales price)の価格を超えることはできません。つまり、ディーラーの販売価格は市場価値とは認められず、一般にはそれより低い金額になる個人間の価格が控除できる額となります*2

州税/市税

州税や市税は控除の対象になります。これには固定資産税も含まれます。固定資産税は主に住宅に掛かりますが、州や市によっては独自に自動車やボートに税金をかけている場合もあります。もしその税金が、1.その資産(自動車やボート)の価値に応じて税額が決定される、2.一年毎に課税される、という条件を満たしていれば控除の対象になります。実際の支払いが一年毎でなくても、課税が一年毎であれば条件を満たします*3

自然災害による損失

自然災害によって損失が発生した場合、その損害額を控除することができます。損害額は次のいずれか少ないほうが適用されます。
  • 損害を受けた資産の購入費用
  • その資産の市場価値の下落分
購入費用には、改築などをした場合の改築費(Improvement)も含むことができます。購入費用+改築費をその家のBasis(基礎価格)と言います*4。また市場価値の下落分は、修理に必要な費用が相当します。これのどちらが少ないほうということは、例えば家が損害を受けた場合、買値よりも修理費用が安ければ修理費が、あまりにも損害が多く、修理費用が買値よりも高くなってしまう場合は買値が適用される、ということになります。 保険会社から保険金が支払われた場合はその分、控除額が減ります。保険金は一般に非課税ですが、上記のBasisを超えた場合、超えた分は控除が適用されず、税金が掛かってしまいます。これには重要な例外があって、その保険金で壊れた家と同様の家を建て直す場合は非課税にできます。家だけでなく、その他の物品も同じもの(Similar property)を買い直す場合は保険金は非課税になります。

AGIに対する制限がある控除項目

医療費控除

医療費はAGI(Adjusted Gross Income)の10%を超えた分だけが控除の対象になります。保険で支払われた分はもちろん控除できず、自己負担分だけが控除の対象になります。医療費控除の対象になるにはかなり大きな出費でないと10%の制限を超えないのではないでしょうか。 可能であれば、高額な医療費や、定期的な出費を早める、あるいは遅らせることで対象となる医療費を1年にまとめましょう。そうすることによって10%を超えるようにしたり、収入が少ない年に医療費を多く払うことで控除を受けることができます。

Miscellaneous控除

Miscellaneous控除は、さまざまな控除項目の合計がAGI(Adjusted Gross Income)の2%を超えた分が対象になります。Miscellaneous控除の項目には次のようなものが含まれます。
  • 確定申告申請費用
  • 投資関連経費
  • 教育費
  • 職業関連費用
確定申告申請費用には税理士に払う手数料のほか、確定申告ソフトウェアの購入費用、E-Fileの手数料、あるいは税金に関する書籍の代金などが含まれます。 投資関連経費でMiscellaneous控除の対象になるものは限られていて、投資アドバイスを受けた場合の費用、会計士/弁護士費用、投資関連刊行物の購読費用、場合によってはインターネットへの接続費用なども対象になり得ます。これらの経費は投資経費として認められるか判断が難しいものがあります。安易に控除として計上せず、税理士に相談するなど、詳しい人のアドバイスを受けたほうが良いでしょう。 Miscellaneous控除として計上できる教育費は、現在自分が働いている職種のスキル向上のために必要なものに限られます。また、教育費は別のカテゴリでクレジット(Hope/Lifetime Learning tax credit)が得られる場合がありますから、どちらが節税効果が高いか検討する必要があるでしょう。 職業関連費用は、仕事のために必要な出費を雇用主が負担してくれなかった場合が対象になります。また労働組合費、制服代、あるいは新しい仕事を探すための費用なども対象になります。いずれの場合も雇用主が負担した場合は対象にならず、またそれぞれの経費毎に基準がありますので、自分の出費が対象になるか、十分調べてから控除するようにしましょう。
*1:控除できたとしても税額が減るだけで損することには変わりませんから、延滞手数料が発生しないようにしましょう。
*2:正確にはその価格が控除できる「上限」となり、車のコンディション次第ではそれより低い価格が「市場価値」となる場合もあります
*3:例えば1月1日にその資産を所有している人に1年分の税金が課税されるが、分割払いを認めている場合などです。
*4:Basisは家を売ったときのCapital Gainを計算する元にもなります。