クレジットカードに関する法律が来年変わるのに先行して、カードの利率など重大な変更の事前通知期間が15日前から45日前になります。これはCredit Card Accountability, Responsibility and Disclosure Act の一部で、法律は来年施行されるのですが、事前通知に関しては今年の8月20日からとなります。
Earlier notice on rate hikes gives credit card users options
利率変更通知を受け取ったら
この変更でカード利用者は通知を受け取ってからどう対応するか考える時間が取れることになります。ただし、利用者が取れる選択肢は変わらず、次のどれかです。
- カード残高を払いきる
- 変更を受け入れる
- 高い利率を拒否する
利率が上がり、それがいやであれば残高を払いきってしまえば、利率変更の影響は受けません。
利率が上がっても残高が少なければ影響はそれほど大きくありません。
現在の利率のまま残高を払い続けることもできます。残高の支払いが終わればカード会社は口座を閉じます。
こうやって見ると利用者がこれらの選択肢の意味をどのくらい理解しているのが疑問が湧きます。上記の記事には書いていませんが、3番目の選択肢はカードを実質的にキャンセルするので、高い利率を拒否した後はカードを使うことはできなくなります。
また、記事では利率がプライムレートなどの指標と連動していて、指標が変わった場合には通知する必要がないと書いています。これが意味することは、そのカードの利率は変動利率であるということです。
変動利率と固定利率
クレジットカードの変動利率と固定利率の違いを理解している人がどのくらいいるでしょうか?例えば固定利率であっても、住宅ローンのようにずっと利率が一定なのではなく、利率の変更があることを知っている人はどのくらいいるでしょう?
上記の利率変更通知は主に固定利率が変更される際の通知ですが、カード会社は最近、固定利率のカードから変動利率のカードへ切り替えることで、この通知義務を回避する動きがあるようです。
Credit card pain [APP.com]
Fixed-Rate Credit Cards May Vanish [The Wall Street Journal]
利用者はより気をつける必要がある
以前、ブログでも書きましたが(クレジットカードのルール変更は誰のため?)、この法律の変更は果たして利用者のためになってるでしょうか?利率の通知をより早くするように義務付けると、カード会社は通知義務を変動利率に変更して回避してしまいます。自分のカードが固定利率か変動利率か、残高のある人は特に注意したほうが良いでしょう。
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